米中対立は続く。相場は二転三転の局面へ。油断せずに備える投資術

目次

結論要約

米中対立は解消していません。

要人発言や会談予定で一時的にリスクオンになっても、追加関税や輸出規制、レアアース規制などの火種が残り、市場は上げ下げを繰り返します。

株式は短期反発がありつつも、景気減速やリスクイベントで下押しが続く可能性が高く、暗号資産は大規模ロスカット後で上値の重い展開が予想されます。

過度な楽観は禁物で、ポジションサイズ管理と分散を徹底する局面です。


今なにが起きているのか:米中対立の現状整理

米国側では大統領や財務長官が緊張緩和を示唆する一方で、輸出規制や最大100%の追加関税発動という強硬策も同時に進行しています。

中国側もレアアースの輸出規制をカードとして保持し、対立は構造的に継続しています。
結果として、市場は要人発言や会談報道で反発し、同時に規制・関税ヘッドラインで失速する二転三転を繰り返す公算が大きいです。


直近の市場反応と読み方

動画では、米中対立のエスカレーション回避観測が広がった局面で、主要株価指数がパーセンテージで反発した事例が紹介されました。ポイントは、ヘッドラインで短期に価格が動きやすいこと、そして材料が反転するとすぐに巻き戻す不安定さが続いていることです。


短期トレードでは上げ下げの波を捉えるチャンスがある一方、中長期投資ではノイズを鵜呑みにせず、基調トレンドがまだ定まっていないことを前提に、打診から段階的に資金を入れるのが安全です。


なぜ中国は強気でいられるのか:輸出データのインパクト

米向け輸出が落ち込んでも、他地域がカバーしている構図が示されました。

地域中国の輸出(前年比)
総額(ドル建て)プラス8.3%
米国向けマイナス27%
EU向けプラス14%
ASEAN向けプラス16%
アフリカ向けプラス56%

米国のシェアは全体の約13%に過ぎず、第三国経由や代替市場の開拓で、米向け減少の影響が相対的に和らいでいます。

このため、中国は交渉で強気を保ちやすく、レアアース規制などの対抗カードを切る余地も残るという見立てです。


レアアースと半導体輸出規制:相互に効くボトルネック

米国は先端半導体や装置の対中輸出規制を段階的に強化。

中国はレアアースや関連素材の供給を絞る余地を持ち、双方の産業基盤に影響が及び得ます。

これは一過性ではなく、中長期の供給網再編やコスト上昇、企業利益圧迫、デフレ圧力の波及といった形で世界に広がる可能性があります。


個別トピック:カップ・ウィズ・ハンドルと買いポイント

動画では米防衛大手レイドスのエントリー例として、チャートパターンのカップ・ウィズ・ハンドルを紹介。

買いポイントはハンドル部分のレジスタンスを上抜け後、プラス5%までのゾーン。エントリー後は直近安値割れやハンドル下限割れで損切りといった、明確な撤退基準の設定が推奨されます。

テクニカル優位性がある銘柄でも、地政学ヘッドラインでボラが大きくなるため、ポジションサイズは控えめが無難です。


暗号資産の現状:記録的ロスカット後で上値が重い理由

暗号資産では、過去最大級の約200億ドル規模のロスカットが発生。主要取引所のビットコイン先物建玉はおよそ940億ドルから700億ドルへと約26%減少しました。


これは過度なレバレッジが一掃され、市場の投機熱が冷めた一方、含み損や退場で戻り売りが出やすく、しばらく上値の重い展開が続きやすいことを意味します。

景気減速が強まるとハイリスク資産からの資金引き上げが再燃しやすい点にも注意が必要です。


金相場の見立て:ドル安・脱ドル化・景気減速が追い風

金先物は年初来で大幅高の局面。背景には次の複合要因があります。


1 ドル指数のピークアウトと利下げ観測によるドル安進行
2 各国中銀の外貨準備多様化による金需要の増加
3 景気減速懸念に伴う守りの需要


短期的には急騰後の調整があり得ますが、中長期では構造的な買い需要が続く可能性が示されました。


ベトナム株・量子コンピューター関連株に関するQ&A要点

ベトナム株はフロンティアから新興国への格上げ観測が織り込まれており、材料出尽くしの調整に注意。ただし次の景気拡大局面では再注目される余地があります。


量子コンピューター関連株はAIバブルと投機熱で上がっていますが、商用化や黒字化はなお先のテーマで、景気後退やAIバブル崩壊時には下落余地が大きいという慎重な見立てでした。


短期と中長期の行動指針

短期:ニュース主導のボラ拡大を前提に、逆指値と利益確定ルールを厳格化。

イベント前はポジション軽め。

中長期:米中デカップリングとサプライチェーン再編、金・コモディティ需要、グローバル分散の潮流に合わせて配分を見直す。

米国株の長期停滞シナリオも念頭に、欧州・新興国・資源関連の比率を段階的に検討。


まとめ

米中対立は構造的に継続し、市場は要人発言や規制報道に振られやすい状態が続きます。

株式はヘッドラインで反発しても、景気指標や規制強化で再び失速する可能性があり、暗号資産は大規模ロスカット後で戻りが鈍くなりがちです。金は中長期の構造要因で強含みやすい一方、短期の過熱には注意が必要です。


油断せず、シナリオとルールを定め、分散とサイズ管理でしのぐことが最も再現性の高い戦い方になります。

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