※本記事は、YouTube動画「米国がイランに直接攻撃。なぜ?米国とイランの根深い歴史を解説。」の内容をもとに執筆しています。
目次
結論:米国のイラン攻撃は偶発的ではない。100年以上に及ぶ対立の歴史が引き金
2025年6月22日、アメリカがイランの核関連施設に対して初の直接攻撃を実施しました。イスラエルの先制攻撃(6月13日)に続くこの出来事は、第三次世界大戦を想起させるほどの緊張感を国際社会に与え、地政学リスクの急上昇とともに市場にも影響を与えています。
しかしこの攻撃は、突発的な事件ではありません。イランとアメリカの対立は19世紀末から続く「支配」と「反発」の連鎖の延長線上にあるのです。本記事では、なぜ米国がイランを攻撃したのか、その背景にある歴史を丁寧に解説しつつ、新NISAなどで米国株に投資している人はどう対応すべきかをまとめます。
第1章:2025年6月22日、アメリカがイラン核施設を攻撃
- 攻撃対象:フォルド、ナタンズ、イスファハンの3拠点
- 使用兵器:ステルス爆撃機B2、バンカーバスターGBU-57(地下61mに到達)
- 報道内容:巡航ミサイル30発以上による集中爆撃
- 背景:イスラエルの6月13日の攻撃に続く米国の軍事介入
市場への影響
- サンデーダウは1%以上下落
- ホルムズ海峡封鎖の懸念により、原油価格が急騰の可能性(封鎖時は100ドル超えも)
- VIX指数は20前後、投資家心理は不安定
第2章:米国とイランの対立はなぜここまで根深いのか?
19世紀:地政学的要衝としてのイラン
- ロシアとオスマン帝国に挟まれた中継地点
- イギリスとロシアが影響力を競い合う
1900年代:石油と植民地支配
- 英実業家ダーシーが石油利権を独占
- イランには収益がほとんど還元されず、不満が爆発
1951年:モサデグ政権による石油国有化
- 英米がこれに反発、CIAが1953年にクーデター(アジャックス作戦)
- 英米の傀儡政権が復活し、反米感情が根強く残る
1979年:イラン革命とアメリカ大使館人質事件
- 親米王政が崩壊し、ホメイニによるイスラム法国家に
- 米国大使館が選挙され、444日間の人質事件発生
- アメリカにとってトラウマ的事件に
1980年代:イラン・イラク戦争と米国の“裏切り”
- 革命の混乱を突いてイラクが侵攻
- 米国はイラクを支援(武器提供など)
- イランでは「アメリカがイラクと組んで我々を侵略した」との認識に
2000年代以降:核開発と経済制裁
- 原子力発電と称したウラン濃縮に対し、米欧が経済制裁
- 一時はオバマ政権下で核合意(2015年)、しかしトランプ政権が離脱(2017年)
- 2020年:イラン軍高官ソレイマニ司令官が米軍のドローン攻撃で死亡
そして2025年:再びトランプ政権下での対立激化
- 核施設が最終段階に入り、イスラエルが先制攻撃
- 米国が続いて地下核施設を精密攻撃
第3章:新NISAで米国株投資中の人はどうすべきか?
歴史的に見れば、紛争後には“稲妻が輝く瞬間”が来る
米国株――特にS&P500は過去72年間で約1600倍に成長しています。この間、世界大戦、湾岸戦争、イラク戦争など無数の地政学ショックを乗り越えてきました。
【データで見る地政学リスクと株価】
期間 | 発生後1ヶ月の株価変動 | 発生後1年の株価変動 |
---|---|---|
過去40回平均 | 約−1.1%下落 | 約+7.4%上昇 |
上昇確率 | – | 65%が上昇 |
つまり、短期的な下落はあり得るが、1年後には回復している確率が高いのです。
株価が下落した直後の“ベスト5日間”を逃すと…
- 配当再投資の福利でも50%の利益が失われる
- 長期投資家こそ「市場にい続ける勇気」が重要
まとめ:感情ではなく、歴史とデータで判断しよう
米国とイランの対立は一時的なものではなく、100年以上にわたる政治的・宗教的・経済的背景が複雑に絡み合っています。
しかし、米国株市場はそうした地政学リスクを織り込みながら成長してきました。新NISAで積立投資中の人は、慌てて売るのではなく、長期目線で冷静な対応が求められます。
投資家が今できる3つの行動
- 感情で動かず、ニュースとの距離感を取る
- “稲妻が輝く瞬間”を逃さないために市場に居続ける
- 知識と理解を深めて判断力を磨く
「恐怖で売り、安心で買う」ことが習慣化している人ほど、資産を減らしてきたのが投資の歴史です。今こそ、歴史と向き合い、自分の戦略を見直すチャンスかもしれません。
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