この記事は、YouTube動画「【今後、1週間で起きる事】」を基に執筆しています。トランプ前大統領によるイラン核施設の空爆を発端に、中東での緊張が一気に高まりました。果たして、これが株式市場に与える影響とはどのようなものなのでしょうか?歴史をひも解きながら、投資家として今すぐ知っておくべきポイントを分かりやすくまとめます。
結論:戦争が起きても株式市場は意外と冷静。恐れるべきは「不確実性」
一見、戦争は株価暴落の原因に思えますが、過去の事例からは意外な事実が見えてきます。
戦争そのものではなく、「何が起こるか分からない」という不確実性こそが市場を下落させる真の要因であり、状況が明確になると株価は回復に向かう傾向があるのです。
今回の事例:2025年6月22日、トランプ元大統領によるイラン空爆
- 日時:日本時間2025年6月22日早朝
- 内容:イランの核施設3か所をGBU-57バンカーバスターで空爆
- 結果:施設は完全に破壊
- イランの反応:6月24日、カタールの米軍基地に14発のミサイルを報復攻撃(事前通告あり、被害なし)
一方で、イスラエルとイランの間では暫定停戦も宣言されましたが、直後にミサイルが再び発射されるなど、状況は不安定なままです。
過去の戦争と市場の反応まとめ(時系列)
以下の表に、過去の主な米国による中東軍事介入と、株価・原油価格の反応をまとめます。
年度 | 軍事行動 | 株価(4週間後) | 原油価格 | 備考 |
---|---|---|---|---|
1991年 | 湾岸戦争(砂漠の嵐作戦) | +17.6%(ダウ) | −40%(1週間後) | 空爆翌日で原油-33%という歴史的急落 |
2001年 | アフガニスタン空爆 | +9% | 上昇後安定 | 9.11テロ直後の株式市場再開 |
2003年 | 第2次イラク戦争 | +6%(S&P500) | 急落後安定 | 空爆前から株価上昇が始まっていた |
2011年 | リビア空爆 | 翌日+1.5% | 小幅上昇 | 短期で市場に織り込み済み |
2017年 | シリア空爆(59発のトマホーク) | 横ばい | 安定 | 株価にはほぼ影響なし |
2020年 | ソレイマニ将軍殺害(イラン) | 軽微な反応 | 大きな変動なし | 株価は無風、コロナショックとは無関係 |
原油市場は戦争に敏感、株式市場よりも大きな動きが出る
特にイラクやイランといった「原油の主要産出国」に関する軍事行動は、原油価格に大きな影響を与える傾向があります。湾岸戦争やイラク戦争では、初日に原油価格が急騰後、一気に暴落しました。
イランもイラクと同等の生産量ですが、「イランは米国に反撃できない」と市場が見なしているため、影響は比較的限定的と見られています。
今回の空爆後、市場はどう動くのか?
予想される展開は以下の通りです:
- 初日はパニックによる一時的な株価下落
- 不確実性が晴れると株価は回復
- 原油価格は一時的に乱高下
- 戦争が長引くほど不確実性が再燃し、再度下落もあり得る
投資家が取るべき行動とは?
動画では、特に以下の行動が推奨されています:
1. 「24時間ルール」を設ける
感情的にならず、戦争やミサイル発射といったニュースが出たときは、まず24時間は何も動かず冷静に観察すること。
2. 下落はチャンスと捉える
戦争や混乱により一時的に割安になった銘柄は、リバランスや買い増しの好機です。特にS&P500などの主要インデックスは、回復が早い傾向があります。
3. ゴールドや債券などの安全資産とのバランスを見直す
例えば、60:40ポートフォリオ(株式60%、債券40%)を採用していれば、株価下落時も債券やゴールドの上昇で損失をカバーできます。
4. 軍事銘柄への投資も一部検討
戦争関連で一時的に上昇する銘柄も存在します。例えば、航空宇宙、防衛関連など。ただし、短期的な売買に注意が必要です。
長期的リスク:第3次世界大戦の可能性は?
現時点では「全面戦争」とまでは至っていませんが、以下のような事態が起きれば、世界経済への影響は深刻化します。
- イランがホルムズ海峡を封鎖
- 原油生産を全面停止
- アラブ諸国やロシアを巻き込んだ多国間戦争へ発展
このような事態はテールリスク(想定外の事態)とされており、実際に発生すればインフレ再燃や株価暴落を引き起こす可能性があります。
歴史は繰り返す、だが同じ結果にはならない可能性も
過去の7回の中東紛争では、すべて短期的な市場の混乱に終わり、長期的な崩壊には至りませんでした。しかし、「今回が8回目」であり、今後の展開次第ではまったく異なる結果となる可能性もゼロではありません。
まとめ:冷静な判断とルール設定が投資家の命綱
市場で最も恐れられているのは「戦争」ではなく「不確実性」です。したがって、ニュースが出ても即座に売買せず、データと過去の事例を参考に、戦略的に行動することが重要です。
- パニックで売らない
- 割安銘柄を冷静に拾う
- 安全資産でバランスをとる
- 投資ルールを決めておく
この基本を守ることで、戦争という不安定な状況でも利益を出せる可能性は十分にあります。
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