米国・イラン戦争長期化で世界経済はどうなるのか トランプ政権のジレンマと株安リスクをわかりやすく解説

本記事は、YouTube動画『【米国詰む】トランプ「戦争やめたい」撤退なら敗北』の内容を基に構成しています。

目次

導入

米国とイランの対立が長期化する可能性が高まる中、金融市場では「この戦争が世界経済や株式市場にどこまで深刻な影響を与えるのか」に注目が集まっています。今回の動画では、トランプ大統領が対イラン軍事作戦の終了を模索しているとされる報道を出発点に、米国が撤退しても進んでも苦しい状況に置かれていること、さらにホルムズ海峡の封鎖問題、原油高、インフレ、景気後退、株安へとつながる一連の流れが解説されていました。

動画の主張を一言でまとめれば、米国は今、戦争をやめても負け、続けても負担が膨らむという厳しい局面にあり、そのしわ寄せが金融市場と実体経済の双方に及ぶということです。特に重要なのは、これは単なる地政学ニュースではなく、投資家にとって資産配分を見直すべき局面かどうかに直結するテーマだという点です。

今回は、動画の内容をもとに、なぜ米国が「詰んでいる」と言えるのか、なぜホルムズ海峡の問題が世界景気の下押し要因になるのか、さらに株式市場、金、半導体、不動産クラウドファンディングに対する考え方まで、初心者にも分かるように順を追って整理していきます。

背景説明

ホルムズ海峡が世界経済にとってなぜ重要なのか

今回の議論の中心にあるのがホルムズ海峡です。ホルムズ海峡は中東の産油国から世界へ原油や天然ガスが運ばれる上で極めて重要な海上輸送ルートであり、ここが封鎖されたり、通行に大きな支障が出たりすると、原油供給への不安が一気に高まります。原油価格が上がれば、ガソリン代や電気代、輸送コスト、製造コストまで広く押し上げられ、企業の利益や家計の負担に波及します。

つまり、ホルムズ海峡の問題は中東の地域紛争にとどまらず、世界のインフレ率、中央銀行の金融政策、株価、為替、さらには消費者の生活コストにまで影響する極めて大きなテーマです。動画では、米軍が軍事作戦を終了したとしても海峡封鎖が解消される保証はなく、むしろ問題が長引く可能性があると指摘されていました。

戦争と市場の関係は単純ではない

一般に、戦争が起きると安全資産が買われ、株が売られるというイメージを持つ人は多いかもしれません。しかし現実には、どの戦争なのか、どこまで長期化するのか、エネルギー供給に影響するのか、各国の財政負担はどうなるのかによって市場の反応は変わります。

今回の動画で強調されていたのは、今回の戦争は単なる軍事衝突ではなく、原油高を通じて高インフレを長引かせ、さらに金融政策の自由度まで奪うという点です。もし物価が高止まりすれば、中央銀行は景気を支えるために簡単には利下げできません。一方で、戦争の長期化が景気や雇用を悪化させても、インフレが残っていれば金融緩和も難しい。こうした状況は、景気にも物価にも悪影響が出る「スタグフレーション」に近い性質を持ちます。

この点こそが、動画全体を貫く最大の危機認識だったと言えます。

トランプ大統領が撤退しても問題は終わらない理由

動画冒頭では、ウォール・ストリート・ジャーナルが、トランプ大統領はホルムズ海峡が封鎖されたままでも対イラン軍事作戦を終了する用意があると伝えたと紹介されていました。この報道が事実であれば、米国は海峡を完全に正常化できないまま軍事作戦を打ち切る可能性があるということになります。

しかし動画では、それは単なる作戦終了ではなく、実質的な敗北を意味すると論じています。なぜなら、もし米軍が撤退したにもかかわらずホルムズ海峡の状況が改善しなければ、世界は「この海域の実効的な支配権はイラン側にある」と認識することになるからです。つまり、軍事力を行使したにもかかわらず、最重要課題である海上輸送の正常化を実現できなかったことになります。

さらに厄介なのは、米軍が撤退したからといって、イラン側がすぐに封鎖を解除するとは限らない点です。動画内では、イランが掲げる複数の戦略目標を米政府が認めていない以上、イランにとって譲歩する理由は乏しいと説明されていました。ここで重要なのは、戦争において「戦闘をやめること」と「政治的な問題が解決すること」は同じではないということです。軍事作戦が一旦終わっても、海峡を巡る対立や緊張は残り続ける可能性があります。

イラン側の被害と今後の行動の変化

動画では、今回の米国とイスラエルによる攻撃によって、イランのミサイル戦力の約3分の2が破壊または損傷した可能性があると説明されていました。一方で、民間人の死傷者や避難民、損傷した建物や教育施設の数も示され、イラン国内の人的・物的被害の大きさが強調されていました。

このような被害を受けた国が、その後どう動くのかを考えると、単に「戦争が終わったから平常に戻る」とは考えにくいものがあります。動画では、むしろイランにとっては、再び攻撃されるリスクに備えて軍事力を強化し、復興資金も確保しなければならず、そのためにホルムズ海峡を通過する船舶への通行料徴収を強化する可能性が高いと見ていました。

つまり、海峡封鎖が解除されなくてもおかしくないどころか、イランにとっては封鎖や通行管理を強化する経済的・戦略的な動機が高まっているというのが動画の見立てです。ここから見えてくるのは、米軍の撤退が平和への入り口ではなく、むしろ新しい不安定化の始まりになり得るという構図です。

欧州や湾岸諸国に責任を押し付けるのは難しいという見方

動画では、トランプ大統領がホルムズ海峡の通行再開に向けた主導権を欧州や湾岸諸国に担わせようとしているとの報道にも触れていました。しかし、この点についてはかなり厳しい見方が示されています。

まず前提として、今回の戦争は米国とイスラエルが主導して始めたものであり、欧州や湾岸諸国には直接的な責任がないというのが動画の立場です。しかも欧州はウクライナ戦争への対応ですでに財政的な余裕を失いつつあり、湾岸諸国も今回の戦争でイランから攻撃を受けているため、自ら積極的に矢面に立つ合理性は乏しいとされます。

これは非常に現実的な指摘です。外交や安全保障の世界では、表向きは同盟国同士でも、コストとリスクの負担になると話は別です。自国の利益や安全が直接かかっていない限り、他国が始めた戦争の後始末を全面的に引き受けることは簡単ではありません。動画は、そうした国際政治の現実を踏まえた上で、米国が責任を外に逃がすのは難しいと見ています。

地上戦に踏み込めば、さらに深い泥沼に入る可能性

一方で、撤退できないなら攻勢を強めればよいのかといえば、動画はそれもまた危険だと論じます。その象徴として挙げられていたのが、イランの原油輸出の9割を占めるとされるハルグ島をめぐる問題です。

トランプ大統領は、ホルムズ海峡が通行可能にならない場合、イランの発電所や石油施設、ハルグ島を破壊するという趣旨の強硬な発信を行ったと紹介されていました。しかし動画では、仮に地上戦に踏み込んでハルグ島のような重要拠点を制圧しようとしても、それは戦争の長期化を意味するだけでなく、軍事的にも非常に難しいと解説されています。

その理由として、周辺にはドローンや精密誘導兵器が多数配備されていること、平坦な地形で部隊が身を隠しにくいこと、強固な防衛陣地を構築しにくいこと、さらに補給路がイラン本土からの攻撃にさらされやすいことが挙げられていました。要するに、制圧すること自体も難しいうえに、占領を維持するのはもっと難しいということです。

ここで重要なのは、軍事的な「破壊」と政治的な「解決」は違うという点です。施設を爆破することはできても、その後の安定を作れなければ、結局は混乱を拡大させるだけになります。しかも原油施設や輸出拠点を破壊すれば、供給不安が一段と強まり、原油価格はさらに上昇する可能性があります。そうなれば世界経済への悪影響は避けられません。

「逃げてもだめ、戦ってもだめ」という構図

動画が「トランプ大統領は完全に詰んでいる」とまで表現したのは、この二重の苦しさにあります。撤退すれば敗北と見なされ、ホルムズ海峡の問題も解決しない。他方で戦争を続ければ、戦費も拡大し、原油高も進み、米軍の損害も大きくなり、経済的・政治的コストが膨らんでいく。この構図では、どちらを選んでも代償が大きいのです。

しかも、戦争が長引けば長引くほど、金融市場は「短期的な混乱」ではなく「構造的な悪化」として認識し始めます。株式市場が最も嫌うのは、不確実性が長期間続くことです。動画はまさにその点を警告していました。

戦費拡大が米国財政を悪化させる可能性

戦争の長期化で次に問題となるのが戦費です。動画では、米国防総省の情報として、攻撃開始後の1週間で110億ドル、約1兆8000億円を使ったとされ、さらにホワイトハウスに2000億ドルの追加予算案を組むよう求めているとの話が紹介されていました。戦争が5週目に入っていることを考えると、累計で440億ドル、約7兆2000億円を使った可能性があるとも述べられていました。

これは1990年代の湾岸戦争でかかった500億ドルから600億ドルに近い水準であり、決して軽い負担ではありません。当時は湾岸諸国や日本、ドイツなどが多くの費用を負担しましたが、今回は事情が異なります。1991年当時は、イラクによるクウェート侵攻に対抗する形で、湾岸諸国は「守ってもらう側」でした。しかし今回は、米国とイスラエルが先に動いた側であり、湾岸諸国も被害を受けています。

そのため、当時と同じように他国が巨額の戦費を肩代わりしてくれるとは考えにくいというのが動画の見方です。これは米国の財政赤字や国債発行増加への懸念につながります。すでに米国は巨額の債務を抱えており、ここに戦争負担が重なれば、金利やドル、株式市場にもじわじわと悪影響が及ぶ可能性があります。

FRBは動きたくても動きにくい

動画の中盤では、パウエルFRB議長の発言にも触れられていました。パウエル議長は、イラン戦争が経済に与える影響は不確実であり、金融政策は様子見が可能な位置にあると述べたとされます。一見すると冷静な発言に見えますが、動画ではこれを「期待外れ」と評価しています。

その理由は、FRBが今、極めて難しい板挟みの状態にあるからです。労働市場には下振れリスクがあり、本来なら景気を支えるために金利を引き下げたい。一方で、原油高を通じてインフレには上振れリスクがあり、こちらは利下げをしにくくします。つまり、景気を守ろうとすると物価が悪化し、物価を抑えようとすると雇用が傷むという構図です。

これは中央銀行にとって最も厄介な状況の1つです。景気後退だけなら利下げ、インフレだけなら利上げという対応ができますが、両方が同時に問題になると政策の自由度が著しく落ちます。動画では、FRBは結局、実体経済に悪影響がはっきり出てからでないと動けず、金融政策が後手に回る可能性が高いと述べていました。

この考え方に立つと、現在の株安は単なるセンチメント悪化ではなく、今後の景気後退を市場が先回りして織り込み始めた動きだということになります。

景気後退と株安の見通し

動画の終盤では、バフェット太郎氏の相場観がより明確に示されていました。結論としては、米国とイランの戦争長期化、トランプ政権の泥沼化、高インフレ、消費の冷え込み、企業業績と雇用の悪化、さらにプライベートクレジット市場の信用不安やAIデータセンター投資の縮小が重なり、世界の株式市場は景気後退を伴う弱気相場に入る可能性が高いという見方です。

この見通しの中で特に印象的なのは、株安の背景を単一要因ではなく複数の連鎖として捉えていることです。原油高がインフレを押し上げる。インフレが消費を圧迫する。消費の鈍化が企業業績を悪化させる。業績悪化が雇用を弱める。金融政策は動きにくく、信用不安が広がる。さらに、AIバブル崩壊によるバリュエーション縮小も重なる。このように、1つのショックが多方面に波及する全体像が描かれていました。

その上で、今はリターンの最大化を狙うよりも、リスク最小化を重視し、現金比率を高める方が望ましいというスタンスが示されます。ただし、新NISAでの積み立て投資は継続すべきとも述べられており、短期的な防御と長期的な積み立てを分けて考える姿勢がうかがえます。

底打ち時期の予想

動画では、S&P500の景気後退を伴う下落相場は、天井をつけてから平均15か月後に底打ちする傾向があること、さらに3月と10月が相場の転換期になりやすいことを踏まえ、2027年3月か10月頃に底打ちする可能性があると予想していました。

また、S&P500の最大下落率は50%、円建てでは60%を想定し、欧州株や新興国株、ビットコインは米国株よりも早い段階で底打ちする可能性があるとも語られていました。さらに、2025年末を起点に2040年までの長期では、S&P500の年平均リターンは1桁台前半にとどまる一方、欧州株や新興国株、コモディティ、暗号資産の方が相対的に高いパフォーマンスになる可能性があるとしています。

これは、今後の世界が「米国一強」から「国際分散投資」の時代へ移るという、大きなテーマの提起でもあります。

不動産クラウドファンディングを評価する理由

動画では視聴者からの質問に答える形で、不動産クラウドファンディングへの投資についても考え方が示されていました。バフェット太郎氏は、継続して投資しており、今後も買い増しを考えていると述べています。特に、5か月ものと10か月ものがあれば、基本的には5か月ものを優先するが、利回り次第では10か月ものでもよいという柔軟な見方でした。

その理由として挙げられていたのが、2026年は景気後退を伴う下落相場が本格化し、「キャッシュ・イズ・キング」の年になるという見通しです。ただし、インフレが高止まりするなら、現金をそのまま持つだけでは実質価値が目減りします。そこで、株式やコモディティのように価格変動が大きくなく、かつインフレを上回るリターンが期待できる投資先として、不動産クラウドファンディングに注目しているという説明でした。

この考え方は、守りを重視する局面での資産運用としては理解しやすいものです。大きな値上がりは狙わず、短期間で比較的安定した利回りを確保したいという発想です。ただし、動画でも分散投資の重要性が強調されており、どれか1つに集中するのではなく、複数ファンドへの分散が基本だと整理されていました。

半導体ETF「SMH」に厳しい見方を示した理由

動画では、半導体ETFのSMHについても見通しが語られていました。結論はかなり弱気で、AIバブルが終わった可能性が高いことを考えると、今後大きく下げる可能性があるという内容です。

その論拠として、まずAI関連の中心銘柄であるNVIDIAやBroadcomが、50日移動平均線や200日移動平均線を下回り、モメンタムを失っていることが挙げられていました。さらに、メモリーや半導体製造装置の関連企業についても、需要期待が後退しつつあるとされます。GoogleがAI運用に必要な半導体メモリー量の削減につながる技術を発表したことで、「思ったほど半導体が必要ではないのではないか」という警戒感が広がっている、というのが動画の見立てです。

加えて、プライベートクレジット市場における信用不安や解約制限の話も紹介され、AIデータセンターへの投資規模が今後縮小する可能性があると論じられていました。これが本当であれば、AI需要拡大を前提に高い期待で買われてきた半導体株は、現実とのギャップが意識されやすくなります。動画は、その失望が今後の株価下落要因になると見ています。

金はまだ買い場ではないという考え方

一般に、有事の金という言葉がありますが、動画では「金が急落しているが、まだ買い場ではない」との見方が示されていました。ここは初心者にとって少し意外に感じる部分かもしれません。

その理由として説明されていたのは、今回の戦争が原油高を通じてインフレ率を押し上げ、長期金利の上昇につながっているからです。米10年債利回りが高水準にある中では、利息のつかない金の魅力が相対的に低下しやすくなります。つまり、有事だから金が必ず上がるのではなく、その有事が長期金利を押し上げるタイプなら、金には逆風が吹くこともあるわけです。

さらにテクニカル面でも、200日移動平均線では反発した一方で、50日移動平均線を下回っていることから、しばらくは揉み合い相場が続く可能性が高いと説明されていました。そして、本格的な買い場と判断するのは、2026年1月につけた高値を明確に上抜くような「新波動入り」の確認後だというスタンスでした。

これは「安く見えたらすぐ買う」のではなく、「本当に上昇トレンドが再開したと確認できてから買う」という慎重な考え方です。過去にも金は高値更新後に長い揉み合い期間を経てから再び上昇した例があるため、焦って飛びつかない方がよいというメッセージになっています。

まとめ

今回の動画では、米国とイランの戦争をめぐって、トランプ大統領が進んでも退いても苦しい状況にあること、そしてそのしわ寄せが世界経済と金融市場に広がる可能性があることが詳しく語られていました。

ポイントを整理すると、まず米軍が軍事作戦を終えたとしても、ホルムズ海峡の封鎖問題が解決するとは限らず、むしろそれは米国の敗北認識につながる恐れがあります。一方で、戦争を続けて地上戦や施設破壊に踏み込めば、原油高、戦費拡大、財政悪化、米軍被害の増加という新たな問題が拡大します。まさに「逃げてもだめ、戦ってもだめ」というのが動画の中核的な見立てでした。

そのうえで、原油高はインフレを押し上げ、FRBの政策余地を狭め、景気後退を深刻化させる可能性があります。株式市場はその先を見て動くため、いま起きている株安は単なる一時的な動揺ではなく、景気後退の前兆である可能性があるというのが動画の主張です。

投資戦略としては、今は無理にリターン最大化を狙う局面ではなく、現金比率を高めて守りを重視することが望ましいとされました。ただし、新NISAによる積み立て投資は継続し、長期視点は失わないことも同時に強調されています。また、不動産クラウドファンディングのような比較的安定収益を狙う資産への注目、半導体株や金への慎重な見方など、個別資産ごとの姿勢も示されていました。

全体として今回の動画は、単なる戦争解説ではなく、地政学リスクがインフレ、金融政策、信用不安、株価下落へとどう連鎖していくのかを投資家目線で整理した内容だったと言えます。今後の相場を考えるうえでは、「戦争そのもの」だけでなく、「それがエネルギー価格や金融政策にどうつながるのか」を見ることが、これまで以上に重要になりそうです。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする

CAPTCHA


目次