※本記事は、YouTube動画「5/11含み損−581万。米国生債券(米国債/社債)を買うときの注意点。」の内容を基にまとめたものです。
はじめに:まず結論から
米国債や米国社債などの「生債券」を購入する際、表面的には「手数料無料」に見えても、実はスプレッド(価格差)という形で高額なコストがかかっている可能性があります。
とくに対面証券とネット証券では売却時の条件が大きく異なり、資産評価額に重大な影響を与えることも。
本記事では、実際に581万円の含み損を抱えてしまった投資家の体験談から、債券購入前にぜひ知っておきたい5つのポイントを詳しく解説します。
含み損518万円から見えた「生債券」の5つの注意点
1. 債券購入は「含み損」からスタートする
米国債や社債を購入するといきなり数%の含み損から始まることがあります。これは「スプレッド」と呼ばれるもので、実質的な手数料です。
- 対面証券:往復で2~6%のスプレッド
- ネット証券:往復で7~8%とも言われる
- 購入時:対面・ネットともに2~3%台が一般的
- 売却時:対面なら0.5%前後、ネットでは5%以上のケースも
この「ブラックボックス化」された手数料は、ネット証券では時価情報すら確認できず、価格が非公開という不透明さもあるのが実情です。
例:
・利率4.75%、残存30年、単価114 → スプレッド3.6%
・利率6%、残存6年、単価114 → スプレッド1%弱
2. IFA(独立系ファイナンシャルアドバイザー)経由なら安く買える可能性あり
動画の発信者は、2本目の債券をIFA経由で購入。SBI証券の提示価格よりも安く、手数料ゼロ&単価割引で提案されたとのことです。
- IFA経由で購入 → 現在の証券会社に移管(手数料1,000円)可能
- ただし「移管可能な銘柄かどうか」は要確認
3. 表示利率と「実際の利回り」は異なる
例えば「利率3%・単価77」の債券があった場合、「利率3%」=「3%の利子がもらえる」わけではありません。
正確には以下のように計算します:
3 ÷ 77 × 100 = 3.89%(最終利回り)
つまり購入単価が額面より高い(=オーバーパー)場合、実質利回りは下がるということです。
発信者は単価114で購入 → 実質利回りは約4.1%と試算。
4. 電話注文で価格交渉できることもある
驚きですが、まとまった金額であれば電話注文時に単価の「値引き交渉」が可能とのこと。
- 対面証券なら「0.○円」単位での値引きに応じてくれることも
- IFA経由より安くなる可能性もある
5. 社債の方が購入単価が大きい=先に買うべきだった
- 米国債:1000ドル単位で購入可能(対面証券)
- 社債:企業によるが最低15万ドル以上(1万ドル単位)が多い
社債の方がクレジットリスクはありますが、利回りが高いことが多く、タイミングによっては社債だけで十分だったかもしれないと発信者は語っています。
生債券投資のコスト構造まとめ(図)
項目 | ネット証券(例:SBI) | 対面証券(例:大手) |
---|---|---|
購入スプレッド | 2~3% | 2~5% |
売却スプレッド | 5%以上 | 約0.5% |
時価情報 | 非公開が多い | 電話で確認可能 |
手数料の透明性 | 低い | やや高い(説明あり) |
移管の可否 | 外国債券は不可が多い | 対応可能 |
利子(リバライ日)の楽しみ方
米国債の利払い(クーポン)は年2回。
2つの銘柄の利払い月をずらして購入すれば3ヶ月に1回利息を受け取ることも可能です。
- 例:5月・8月・11月・2月のように分散
最後に:半年間調べても見落としていた「落とし穴」
発信者は米国債を購入するまでに半年間調査し、YouTubeも大量に視聴していたとのこと。しかし実際に買ってみて初めてわかる落とし穴が多く存在していたと述べています。
「知っていれば選ばなかったかもしれない」
「でも利回りが4%を超えているので諦めもつく」
というリアルな感想は、これから生債券を検討する人にとって非常に参考になるはずです。
まとめ:米国債・社債購入前に確認すべき5つのポイント
- 購入直後は含み損から始まる(手数料=スプレッドが大きい)
- IFA経由なら手数料ゼロ&割安単価の可能性あり
- 表示利率だけでなく「投資額に対する実利回り」を計算すべき
- 電話注文なら単価を割り引いてもらえる可能性がある
- 社債の方が単価が高く、先に購入すべき戦略もアリ
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