結論:2025年以降、米国株は再びバブル的な上昇を見せた後に、歴史的な下落を迎える可能性がある。今はまだ「本格的なバブル崩壊」ではないが、その兆候は確実に進行している。
目次
2024年の米国株上昇はバブルだったのか?
2023年~2024年にかけて、S&P500は2年連続で20%以上の上昇を記録。ネット上では「米国株バブル」という声も増えており、2024年4月の「トランプショック」でその崩壊が始まったとも言われました。
しかし、動画内では以下のように分析されています:
- 2024年の相場は「バブル崩壊」ではなく「調整」
- S&P500は19%の下落で「弱気相場(20%以上の下落)」には達していない
- ナスダックは一時20%以上下げたが、全体としては崩壊ではなく過熱感の冷却
歴史から学ぶ「本当の大暴落」
米国株の過去の大暴落事例:
年度 | 名称 | 下落率 | 回復にかかった期間 |
---|---|---|---|
1929年 | 世界大恐慌 | ダウ -89% | 約15年 |
1987年 | ブラックマンデー | ダウ -22.6%(1日) | 数ヶ月で回復 |
2000年 | ITバブル崩壊 | ナスダック -78% | 約6年 |
2008年 | リーマンショック | S&P500 -57% | 約5年 |
2020年 | コロナショック | S&P500 -34% | 約2ヶ月で急回復 |
これらと比較すると、トランプショックは暴落とは言い難く、あくまで局所的な調整にすぎないというのが専門家の見解です。
バブル崩壊の兆候:過去の共通点から見る5つの要因
歴史的な暴落には共通する要因が存在しています:
- 過剰なバリエーション(PERやバフェット指標)
- 過剰な信用創造・借入
- 金融商品の過剰販売(例:サブプライムローン)
- 急激なインフレ・金融政策の失敗
- 地政学リスク・パンデミックなどの外的要因
特に、**FRBの金融政策の誤算(利上げしすぎ・引き締めタイミングの失敗)**は、リーマンショックやコロナ前の市場調整でも引き金となっています。
今はバブルなのか?データで見る現在の米国株
バフェット・インディケーター(株式時価総額 ÷ GDP)
この指標は、バリエーションの過熱度を測る有名な指標です。
- 2000年(ITバブル)→ 2σ(標準偏差)以上で暴落
- 2021年末 → 2σ超え、株価調整開始
- 2024年3月 → 再び高水準に接近
つまり、「今すでにバブルの手前にある」状態であり、ここからさらに株価が加熱すれば、本格的なバブルとされる領域に突入する可能性があるのです。
PER(株価収益率)
- 過去平均と比較しても、現在のPERは依然として割高圏
- 今後、企業業績が大幅に上がらない限り、この「割高感」は解消されにくい
今後予想されるシナリオ:2025~2027年に「最後の上昇」→歴史的下落?
動画では、今後の株価について以下のようなシナリオが想定されています。
- トランプショック後の短期的な回復が進行中
- あと1~3年かけて強烈な上昇局面(バブル)
- その後、歴史的な暴落に繋がる可能性
特に以下のリスク要因が今後の引き金になると警告されています:
- 2028~2030年:景気循環のピークアウト
- 金融政策の誤算(引き締めすぎ or 出動遅れ)
- 政治的不安(トランプ政権の政策不透明性)
投資家へのアドバイス:バブル崩壊への備え方
長期投資家:
- 今すぐ全てを売却する必要はないが、「数年以内に調整が起きる前提」で運用すること
- 高値圏でのポジション整理や、積立額の調整を検討する時期
シニア世代や運用期間の短い人:
- 暴落回復まで5〜10年かかる可能性もあるため、運用リスクの低い資産へのシフトが有効
- 株だけでなく「金」「債券」「インフラ関連」「外貨建て資産」などの分散戦略を意識すべき
まとめ:米国株は「バブル前夜」かもしれない。冷静な戦略で備えよう
- 2024年時点では「調整相場」であり、まだ本格的なバブル崩壊ではない
- しかし、バリエーション指標はすでに危険水域
- 数年以内に「強烈な上昇→急落」という流れが来る可能性が高い
- データと歴史から学び、感情的にならず淡々と準備することが重要
今後の米国株投資においては、上昇相場で「楽観しすぎず」、下落局面でも「悲観しすぎない」バランス感覚が求められます。特に新NISAや長期積立を活用している人にとって、今の動きが将来の資産形成に大きな影響を与える転換点になるかもしれません。
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