米国株は今後10年低迷する?過去データと通貨動向から読み解く投資戦略

※この記事はYouTube動画「【第112回質問への回答】米国は今後10年低迷するのか?」をもとに執筆しています。


目次

結論:米国株が10年低迷する可能性はあるが、コア資産としての有効性は揺るがない

視聴者の「米国株は今後10年間低迷するのでは?」という質問に対して、投資家ナスビ氏は「半分正解で、半分間違い」と回答しています。

過去の事例や通貨の動向(特にドルインデックス)を見ると、米国株の低迷が起きる可能性は確かにありますが、長期スパンで見れば依然として有望な投資先であるというのが彼の結論です。


ドル安局面では「米国外ブーム」が起きやすい

過去の歴史を見てみましょう:

年代ブームになった資産その後の動き
1970年代約20年低迷
1980年代日本株約20年低迷
1990年代米国株約10年低迷(ITバブル後)
2000年代新興国株(BRICs)インド以外は低迷
2010年代米国株(GAFAMなど)次の10年が正念場?

これらのブームはドル安局面で発生しており、現在の為替動向を踏まえると「次は米国外(例:インド株)に注目が集まる時期」に差し掛かっている可能性があります。

ドルインデックスの動きと投資ブームの関係

  • ドル高局面:米国への投資が優勢
  • ドル安局面:金や新興国株に資金が流れる傾向

2023年中盤からドルインデックスは下降トレンドを示しており、ドリアス局面への転換が予想されます。これにより、インド株のような米国外投資への資金流入が加速する可能性があります。


10年低迷は「買い時」にもなり得る

ナスビ氏は、「10年低迷=チャンス」と捉えています。

株価が低迷している期間は、

  • 安く株を積み立てることができる
  • その後の上昇局面で資産が爆発的に増える可能性がある

という大きなメリットがあります。
もちろん、長期間積立を継続できる精神力と忍耐力が必要ですが、これは長期投資の基本です。


米国株インデックス投資のコア性は揺るがない

過去100年以上のデータを見ても、米国株は長期で最も高いパフォーマンスを出してきた資産クラスです。

したがって、コア資産は米国株でOK
そのうえで、サテライト(補助)投資としてインド株などの米国外資産を組み込む戦略が推奨されています。


他の質問にも注目!有益なポイントをピックアップ

4%ルールと現金・債券の組み合わせについて

  • 4%ルールはインフレ調整後の実質リターンが4%以上あれば、資産は枯渇しないという理論
  • 債券や現金を含めてもOK。ただし長期的には株100%の方が資産が持ちやすい
  • 逆に短期(30年以下)では債券を混ぜた方がリスク分散として有効

60代で新NISAを始めた場合の取り崩し

  • 積立期間が5年でも、運用はその後も続くため問題なし
  • 少しずつ取り崩すことで、残った資産は市場に残り長期リターンの恩恵を受け続ける

NYダウ vs S&P500の違い

指標リターン安定性計算方法
S&P500高いやや不安定時価総額加重平均
NYダウやや低い安定的単純平均

S&P500はリターンが高く、シャープレシオ(リスクあたりのリターン)も優秀
よって、資産形成にはS&P500が適しているとされています。


債券と金、どちらが守りの資産として優れているか?

ナスビ氏は債券派ですが、それぞれの特徴は以下の通りです。

債券の特徴

  • 確定リターンが得られる
  • 金利低下局面で価格上昇しやすい
  • 金融危機時にも安定資産として機能

金の特徴

  • 利息なし。価格上昇でのみ利益が出る
  • インフレヘッジとして機能
  • 金融危機時に安全資産として買われる
  • 過去に20年近く低迷したこともある

ナスビ氏は「インフレヘッジは株式で可能」として金には投資しておらず、債券の確実性を重視しています。


投資戦略まとめ

投資対象ナスビ氏の見解推奨スタンス
米国株長期では有望、短期では低迷の可能性コア資産として継続保有
インド株など新興国ドル安局面で注目サテライトとして一部保有
守りにはなるが不確実性あり必須ではない
債券確定リターン・安定性◎金より優先して保有
NYダウ安定性ありだがS&P500がより好ましい

まとめ:未来は読めないが「確率の高い選択」はできる

未来を完全に予測することはできません。
しかし、過去の傾向や相場のアノマリー、為替の流れから「確率の高い動き」を読み解くことは可能です。

  • 米国株が今後10年低迷する可能性はあるが、それをチャンスと捉えるべき
  • 長期投資の軸は揺るがず、分散や債券との組み合わせでリスクを抑えることができる
  • 投資は「予想」よりも「準備」がカギ。今のうちに備えておこう
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