本記事は「【賞味期限近づいてきてる】米国株一強時代の終焉に備えたポートフォリオ構築の基本と構築例を3パターン解説します」という動画をもとにまとめています。これまで米国株一本で投資してきた方に向けて、今後のリスクに備えた分散投資とポートフォリオ構築の考え方を解説します。
目次
結論:米国株一本はリスクが高い、分散が必須
ここ2年間で米国株は20%以上の上昇を繰り返し、「米国株最強」と思ってしまう人も少なくありません。
しかし歴史的に見て「一つの市場・セクターが永遠に上がり続けた例」はありません。米国株のみに集中するのは賞味期限が近づいている投資戦略であり、これからは地域や資産の分散が不可欠です。
ポートフォリオとは何か?
- 株式、債券、不動産、ゴールドなど「異なる資産の組み合わせ」のこと。
- 目的は「リスク分散」と「リターンの最適化」。
- 卵を一つのカゴに盛るな、という例えの通り、複数資産に分散して安定的なリターンを狙う。
1952年、経済学者ハリー・マコービッツが提唱した「現代ポートフォリオ理論(MPT)」では、リスクを最小化しながらリターンを最大化する最適な資産配分が導き出せるとされ、今もなお金融業界の基本理論となっています。
投資家が考えるべき3つのポイント
- 投資目的
老後資金、教育資金、住宅資金など、目的を明確にする。 - リスク許容度
どの程度の下落に耐えられるか。年齢や資産額によって大きく変わる。 - 投資期間
若い世代は長期でリスクを取れるが、50代以降は防御型にシフトが必要。
分散投資の基本
- 異なる資産クラス(株・債券・コモディティなど)を組み合わせる。
- 異なる地域(米国、日本、欧州、新興国)を組み合わせる。
- 相関係数が低い資産を組み合わせることでリスク軽減効果が高まる。
株と債券、株とゴールドなどは値動きのパターンが異なるため、長期的には安定性が高まります。
効率的フロンティアと最適ポートフォリオ
投資理論では「効率的フロンティア」という考え方があります。
- 横軸=リスク
- 縦軸=リターン
- その中で「最小リスクで最大リターン」を狙える資産配分が最適ポートフォリオとされます。
無リスク資産(例:国債)を組み入れることで、株式中心のリスクを和らげることも可能です。
現在の市場環境で考慮すべき要素
- 企業業績(特にAIやテクノロジー関連の成長性)
- 金融政策とインフレ(FRBの利下げやインフレ動向)
- 地政学リスク(米中関係、中東、ウクライナなど)
- サプライチェーン問題(コスト上昇、企業収益への影響)
具体的なポートフォリオ例 3パターン
① バランス型(中リスク・中リターン)
- 米国株:50%
- 日本株:10%
- 新興国株:10%
- 債券・ゴールド・現金:30%
長期的に安定した成長を目指しつつ、米国株を中心に据えるスタイル。
② 成長型(高リスク・高リターン)
- 米国株(ナスダック中心):60%
- 新興国株:15%
- 日本株:10%
- コモディティ:10%
- 現金:5%
若い世代やリスクを取れる投資家向け。大きなリターンを狙えるが変動も激しい。
③ 防御型(低リスク・低リターン)
- 米国株:30%
- 日本株:15%
- 債券:30%
- ゴールド・コモディティ:15%
- 現金:10%
資産保全を最優先。高齢層やリスクを取りたくない人に向く。
実践のポイント
- リバランス:年1〜2回、増えすぎた資産を売り、比率を戻す。
- ドルコスト平均法:毎月一定額を投資し、高値掴みを防ぐ。
- 市場環境の変化に応じて見直す:インフレや金利変動で資産クラスの優位性は変わる。
まとめ
- 米国株一強時代は永遠に続かない。
- 分散投資こそがリスク軽減と安定収益のカギ。
- 投資目的・リスク許容度・投資期間に応じてポートフォリオを作ることが大切。
- バランス型・成長型・防御型といったスタイルを理解し、自分に合った配分を選ぶ。
これから投資を始める人も、すでに運用している人も、定期的に見直しながら「賞味期限切れ」を避けることが重要です。
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