(元動画「【英国不法移民問題】英国また不法移民が過去最高!日本人も知った方が良い欧州の現実!」を基に記事を書いています)
結論(先に要点)
2024年の総選挙で誕生した労働党政権は、不法移民の流入抑制を掲げつつも、前政権が進めていた「ルワンダ移送計画」を撤回しました。
その結果、抑止力が弱まり、今年に入ってからドーバー海峡経由でイギリスに渡る不法移民の数はすでに2万9000人を超え、過去最高ペースになっています。
さらに難民申請数も過去最高となり、受け入れ先のホテル滞在を巡って住民の反発や裁判が起き、政治的にも大きな問題に発展しています。今後も有効な対策が見つからず、移民問題は英国社会を揺さぶり続ける見通しです。
イギリスで今起きていること(数字で理解)
動画の内容を数字で整理すると以下のようになります。
指標 | 時期 | 数値・状況 |
---|---|---|
ドーバー海峡からの不法入国 | 2024年9月1日時点 | 2万9000人超、過去最高ペース |
難民申請者数 | 直近1年間(〜2024年6月) | 11万1000人、過去最高 |
ホテル滞在を巡る裁判 | 2024年8月29日 | 控訴院がホテル滞在を認める判断 |
地方選挙 | 2024年5月 | リフォームUKが約4割の議席、10自治体で過半数獲得 |
こうした数字から、不法移民の流入が止まらず、地域社会の不満も高まっていることが分かります。
政策転換の背景
保守党・スナク政権は「ルワンダ移送計画」を進め、不法移民をルワンダに送ることで渡航希望者に抑止効果を狙っていました。
一方、労働党・スターマー政権は国際法やEUとの協調を重視し、この計画を撤回しました。代わりに「不法移民を運ぶブローカーの取り締まり」などを進めていますが、抑止力は弱く、流入はむしろ加速しています。
現場で起きている摩擦
難民申請者は全国のホテルに滞在していますが、これが地域住民の大きな不満につながっています。
例えばエセックスのホテルでは、難民申請者が少女にキスをしたとされ、住民が激怒してデモを起こしました。
裁判でも一度は「立ち退き命令」が出ましたが、控訴審で覆り、ホテル滞在が認められました。政府はホテル利用の停止を打ち出しましたが、代替施設がなく、完全廃止は2029年まで先送りされています。
政治への影響:リフォームUKの台頭
労働党の支持率は総選挙後に下落し、代わって急伸しているのが「リフォームUK」です。
この党は「不法移民に厳しい姿勢」を明確にしており、消去法的に支持を集めています。2024年5月の地方選挙では1600議席のうち約4割を獲得し、10の自治体で過半数を取るなど、二大政党制を揺るがす存在になっています。
今後の見通し
労働党政権は「家族呼び寄せの一時停止」「上訴に対応する独立機関の設置」「収容・送還能力の拡充」などを発表しましたが、抜本的な解決にはつながっていません。
EUとの協調姿勢もあり、ルワンダ移送のような強硬策は取れないため、不法移民の流入が続く可能性が高いです。
イギリスだけでなく、ドイツやフランスなど他の欧州諸国も同じ問題を抱えており、ヨーロッパ全体で「移民問題」が大きな政治課題になっています。
まとめ
イギリスでは不法移民の流入が過去最高ペースとなり、受け入れ先や治安をめぐる不満が国民の間で高まっています。労働党政権の対応は「緩い」と批判され、反移民色の強いリフォームUKが勢力を伸ばしています。
今後も有効な抑制策は見つかっておらず、移民問題は英国社会の分断を深め、政治の大きな争点になり続けるでしょう。
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