今回は「新NISAで毎月いくら積み立てれば老後資金として安心できるのか?」という多くの人が悩むテーマについて、YouTubeチャンネル「トシさん」の動画をもとに超具体的に、数字を使って分かりやすく解説していきます。
特に、
- 「月1万円、3万円ととりあえず積み立てているけど、このままでいいのか不安」
- 「老後に必要な金額がいまいちピンと来ない」
- 「物価上昇もあるっていうけど、何をどのくらい考えたらいいの?」
といった方におすすめの内容です。物価上昇率2%を想定したリアルな試算結果や、「スタートベース」「ゴールベース」の考え方の違いまで、しっかり掘り下げていきます!
■スタートベース vs ゴールベース 2つの考え方
積立額を決めるときに使えるアプローチには2つの考え方があります。
①スタートベースのアプローチ(今から考える方法)
これは多くの人が自然にやっている方法で、「今の収入や支出から、無理のない金額を設定して投資する」考え方です。
例えば:
- 月3万円を20年間積み立て
- 年利5%で運用
- → 約1,200万円に成長
これを30年間にわたって取り崩すと…
- 月6万4,000円受け取れる
- 総額では約2,300万円
✅ この方法のメリット:
- 始めやすく、分かりやすい
- 無理なく続けられる
❌ デメリット:
- 結果が「行き当たりばったり」になる可能性
- 最終的に「その金額で足りるのか」が不明瞭
②ゴールベースのアプローチ(将来から逆算する方法)
こちらは「老後に毎月どのくらいのお金が必要か?」というゴールを先に決めて、そこから逆算して今いくら積み立てるべきかを考える方法です。
✅ メリット:
- 意味のある積立額が明確になる
- 計画的で安心感がある
❌ デメリット:
- 計算がやや複雑
- 高額になることも多く、気分が落ちることも…
でもこのゴールベースの考え方こそが、「本当に必要な資産形成」を実現する第一歩なのです。
■6万4,000円で安心できる?物価上昇を加味すると…
さて、スタートベースで「毎月6万4,000円もらえたら安心」と思っていても、それが20年後、30年後も同じ価値を持つとは限りません。
物価上昇率が2%だった場合
- 20年後の6万4,000円の価値は「9万7,000円」
- 50年後では「17万2,262円」
つまり、今の6万4,000円が将来は「半分以下の価値」になるということです。
これは、たとえば現在Nintendo Switchが3.3万円程度で、2台で6.6万円としましょう。現在の6.4万円でギリギリ買える価格です。しかし、20年後も同じ価格とは限りません。インフレで商品価格が上がると、同じ6.4万円では「Switchが1台しか買えない」なんてこともあり得ます。
■ゴールベースで考える「本当に必要な金額」
では、実際にどのくらい積み立てが必要になるのか?をステップで考えていきましょう。
【ステップ1】毎月いくら必要かを決める
例として、老後に毎月6万4,000円相当の価値を維持したいと仮定します。
【ステップ2】物価上昇率を設定
日本政府は2%の物価上昇を目指す政策を取っています。
過去30年は「失われた30年」とも呼ばれ、年平均+0.8%程度でしたが、最近は3~4%の上昇が見られる年もあります。
今回はシミュレーションとして年2%の物価上昇を採用。
【ステップ3】20年後・50年後の受取額を計算
複利計算サイトを使うと、次のことが分かります。
- 今の6万4,000円は、20年後には9万7,000円
- 50年後には17万2,000円相当
つまり、6万4,000円で30年間受け取りたいなら、その間の平均値は13万1174円となります。
【ステップ4】30年間、毎月13万円を受け取るための資産は?
「金融電卓」というツールを使って計算すると、
- 年利5%で運用しながら、毎月13万円を30年受け取るには
- ⇒ 必要資産は 2,452万円
【ステップ5】2,452万円を20年間で貯めるには?
同じく金融電卓で積立額を逆算すると、
- 月6万円の積立が必要(年利5%、20年間で)
■スタートベースとゴールベースの差は「倍以上」になることも!
ここまでの内容をまとめると…
観点 | スタートベース | ゴールベース |
---|---|---|
毎月の積立額 | 3万円 | 6万円 |
最終資産 | 約1,200万円 | 約2,452万円 |
毎月の受取額 | 6万4,000円(名目) | 実質6万4,000円(現在価値換算で) |
同じように「6万4,000円ほしい」と思っても、スタートとゴールどちらを基準にするかで最終的な必要額は大きく変わります。
■ゴールベースアプローチを使いこなすコツ
✅ 注意点1:思ったより高い金額が出る → テンション下がる可能性アリ…
✅ 注意点2:悲観的な計算になりがち → でもそれが「現実の物価上昇」を踏まえた正しい姿
✅ おすすめ対応策:固定費や生活習慣を見直す → 家計を見直せば、積立額を確保できる可能性も!
■まとめ:積立額は「逆算」が重要!
新NISAでの資産形成を真剣に考えるなら、「とりあえず毎月3万円」で安心するのではなく、「自分が必要とする生活を実現するにはいくら必要なのか?」をゴールから逆算することが大切です。
とはいえ、毎月6万円の積立は簡単ではない人も多いでしょう。ですが、その現実を知ることが、資産形成の第一歩になります。
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