本記事は、YouTube動画『【週刊アクティブ】強気にテーマ株を仕込んでいく某ファンド戦略!AI・半導体テーマはまだまだ終わらないのか?ズボラ株投資』の内容を基に構成しています。
導入
今週の日本株市場は、外部ニュースや相場環境の変化に振り回される形で、非常に値動きの荒い1週間となりました。日経平均が乱高下するなかで、個人投資家として気になるのは、こうした不安定な局面でプロの投資家がどのように売買しているのかという点です。
今回の動画では、野村の成長株アクティブファンドの売買動向を観察しながら、実際にプロの運用現場でどのような判断が行われているのかを読み解いています。
いわば、プロの投資家の売買記録をのぞき見しながら、相場の考え方やテーマ株の見方を学ぼうという内容です。
特に注目されたのは、AIや半導体関連株への再接近です。3月以降の相場では、これまで強かったテーマ株が大きく調整する場面も目立っていましたが、このファンドは、下がったところで再び仕込み始めている様子を見せています。動画全体を通じて浮かび上がるのは、「テーマ株相場はまだ終わっていないのではないか」という強気の視点です。
背景説明
投資信託やアクティブファンドは、単に株を長く持ち続けるだけではなく、その時々の相場環境や業績期待、バリュエーション、テーマ性などを加味しながら銘柄を入れ替えています。
個人投資家にとっては、日々の値動きを追うだけでも大変ですが、プロはその裏で「何を売って、何を買ったのか」という明確な意思決定をしています。
今回取り上げられた野村の成長株アクティブファンドは、成長性の高い銘柄を中心に組み入れているファンドです。そのため、相場の中心テーマがどこにあるのか、どのテーマが再評価されているのかを知るうえで、売買動向は非常に参考になります。
特に2026年春時点の日本株市場では、AI、半導体、電線、商社、金融、医薬品など、複数のテーマが同時進行で物色されていました。
その一方で、急騰していた銘柄の反動安や、ディフェンシブ株から成長株への資金シフトも起きており、相場のローテーションが激しくなっていました。
こうした局面では、単に上がっている株を追いかけるのではなく、「どの銘柄がどこまで下がったのか」「下落は調整なのか、それともトレンド転換なのか」「どの分野に再び資金が戻りつつあるのか」を見極めることが大切になります。今回の動画は、まさにその視点を、実際のファンド売買から読み解いていく構成になっています。
動画内容の詳細解説
先週の売買の答え合わせから見えた半導体への関心
まず動画では、前週の3月26日時点でこのファンドがどのような売買をしていたのか、その答え合わせから始まります。
前週は東京エレクトロンを大きく買い増しており、保有割合で3.2%分を一気に買っていました。そのほか、ディスコや中外製薬、ラサ工業なども買っており、全体として見ると、半導体を中心とした成長株を再び組み入れ始めたことがうかがえます。
東京エレクトロンについては、株価自体は今週横ばい圏にとどまっていたものの、チャート上ではかなりの調整を経た水準にありました。
見た目には大きく下がっていないように見えても、実際には高値から20%前後下がっており、押し目としてはそれなりに大きな調整です。動画では、こうした下落がテクニカル的に見て「仕込みを考えてもおかしくない水準」だったと整理されています。
ディスコについても似たような見方で、下がってきたところを拾っている様子が見て取れます。
ただし、東京エレクトロンと違って、その後もやや下落が続いており、まだ底打ち感は強くない状況です。それでも、ある程度下がった水準から買いを入れていること自体が、ファンドの強気姿勢を示しているといえます。
中外製薬は3月に入って急落していた銘柄ですが、先週仕込んだことで今週はリバウンドを取れていたようです。このあたりは、下げた銘柄の反発をしっかり拾うというアクティブファンドらしい運用が見えます。ラサ工業も買い増し後は横ばいでしたが、ここで底固めができるかを見ている段階と捉えられていました。
今週の成績はマイナスだったが、売買はかなり積極的だった
先週から今週にかけての資産変動を見ると、このファンドの保有銘柄のうち上昇したものは全体の約3割程度しかなく、相場環境としてはかなり厳しい週だったことがわかります。資産全体では約4300万円のマイナスで、総資産比では1.7%の下落だったとされています。
個別に見ると、藤倉や村田製作所が大きく足を引っ張っていました。
一方で、リクルートは大きく上昇し、資産プラスに貢献しています。中外製薬も先週の仕込みがうまくはまり、しっかり戻した銘柄として紹介されていました。
つまり、ファンド全体としてはマイナスになっているものの、中身を見ると、すべてが悪かったわけではありません。相場の風向きが定まらないなかでも、個別にはしっかり機能しているトレードもあり、むしろこうした混乱相場でどこに資金を向けるかが重要になっていることが伝わります。
今週の新規追加はアドバンテスト 半導体テーマへの回帰が鮮明に
今週の操作で最も目を引くのは、新規追加銘柄としてアドバンテストが入ってきたことです。新規追加は1件だけでしたが、その1件が半導体関連の代表格であるアドバンテストだったことは象徴的です。
買い付け量自体は保有割合で0.5%分と小さく、動画でも「様子見の0.5%買い」と表現されていました。つまり、まだ全力で買っているわけではありません。しかし、完全に無視するのではなく、まず少し入れておく。これは、AI・半導体テーマが再び有望になる可能性を意識している動きだと考えられます。
半導体関連は、相場全体の調整局面で大きく下げやすい一方、再上昇の局面では市場を引っ張る存在にもなりやすい分野です。特にAI関連投資が続く限り、半導体製造装置や検査装置、先端部材への期待は完全には消えません。その意味で、アドバンテストを新規に入れてきたことは、ファンドの中でこのテーマがまだ生きていることを示唆しています。
買い増し銘柄から見えるファンドの狙い
今週は新規追加以上に、既存保有銘柄の売買が非常に活発でした。動画では、保有割合の変化ではなく、実際に何株増減したかという「保有株数の増減」を重視して分析しています。これは、株価変動の影響を除いた純粋な売買意図を読み取るためです。
買い増し銘柄としては、ラサ工業、第1工業製薬、住友電工、富士電機、荏原製作所、ゆうちょ銀行、いすゞ、住友商事、藤倉、ファナックなどが挙げられていました。かなり幅広い分野に資金を振り向けているように見えますが、そこにはいくつか共通点があります。
1つ目は、「下がったところを拾う」姿勢です。ファナックは最近新規追加した銘柄ですが、下落してきたところでさらに仕込んでいます。動画では、ファナックを「フィジカルAIの代表格」と表現しており、今後の期待を込めて押し目買いしていると見ています。まだ下落途中ではあるものの、ある程度安くなったと判断したのでしょう。
2つ目は、「出遅れ銘柄へのシフト」です。たとえば電線株では、フルカワ電工を売る一方で、住友電工を買い増しています。フルカワ電工は今年に入ってからかなり上がっていたのに対し、住友電工は相対的に出遅れていました。PRでも住友電工が約28倍、フルカワ電工や藤倉が約50倍とされており、割高感の出てきた銘柄から、まだ見直し余地のある銘柄へ資金を移す意図がうかがえます。
3つ目は、「押し目とみなせるチャート形状への反応」です。住友商事については、100日移動平均線に支えられて上昇トレンドを維持しているとされ、その押し目で買い増しが行われました。単なる逆張りではなく、上昇トレンド継続を前提にした押し目買いと見られます。
4つ目は、「急落後のリバウンド期待」です。第1工業製薬は3月に入って大きく下落しており、フィーバーが剥がれた銘柄として紹介されています。まだ底打ち感は乏しく、仕込むにはやや早い印象もあるものの、それなりに安くなったため買いを入れたのでしょう。PRが15倍程度であることも、下値余地の判断材料になっているようです。
なかでも特に印象的なのは、ゆうちょ銀行の買い増しです。動画では、保有株数を一気に3倍超に膨らませたと説明されています。急騰後の調整局面を「押し目」と見て、思い切って仕込んだ形です。テーマ株一辺倒ではなく、金融のような大型株にも資金を振っている点は、このファンドが単純なハイテク集中型ではないことを示しています。
売却銘柄から見える利益確定と見切りの判断
一方で、今週は売却もかなり積極的でした。日立、キーエンス、セブン、三井製薬、フルカワ電工、パンパシフィック、マニー、朝日インテック、住友不動産、KDDI、IHI、電通などが売られています。
このうち特に大きく売られていたのがフルカワ電工です。先ほど触れたように、これは住友電工との入れ替えが意識されていると考えられます。すでに上がり切った銘柄を利確し、まだ出遅れている同業種銘柄に乗り換えるというのは、非常にプロらしい動きです。
住友不動産の売却も興味深いポイントです。チャートだけ見れば、3月に入って大きく下落したあとで、他の買い増し銘柄と似たような形にも見えます。それでもこのファンドは、住友不動産を買うのではなく売っています。動画では、これは単なる利確ではなく、むしろ損切りに近い判断ではないかと見ています。不動産セクターには今後の期待が持ちにくいと判断したため、同じような下落形でも「買う銘柄」と「切る銘柄」を分けているわけです。
セブンについても、押し目買いが失敗し、下値ラインを割ったあとの反発局面で売っている可能性があると指摘されていました。つまり、最初は押し目として仕込んだものの、思惑どおりにいかず、戻したところで撤退したという見方です。プロの売買というとすべてが成功しているように見えますが、実際には失敗トレードもあり、その際にどう処理するかが重要だということがよくわかります。
キーエンスの売却もまた印象的です。3月の下落局面にほぼ無風で、高値を保っていた強い銘柄でしたが、それでも半分以上売っています。これは「強いからさらに買う」のではなく、「下がらなかったからこそ利益を確定する」という発想に近いでしょう。逆に、このファンドは「下がって安くなった銘柄を買う」傾向が強いため、下がらずに高値を維持している銘柄は、ここからの上昇余地よりも利益確定のタイミングと見ているのかもしれません。
トップ保有銘柄に大きな変化はないが、中身は着実に入れ替わっている
保有銘柄トップ20を見ると、順位には多少の上下があったものの、全体像が一変するほどの大きな変化はありませんでした。しかし、その内側ではかなり積極的な入れ替えが行われており、ゆうちょ銀行や中外製薬が新規ランクインしています。
これは、ファンド全体の基本方針が急に変わったわけではないものの、細かなポジション調整を通じて、今後上がる可能性の高い銘柄に少しずつ重心を移していることを意味します。大きなテーマは維持しつつ、銘柄の鮮度を入れ替えているようなイメージです。
追加解説
今回の動画を通じて非常に興味深いのは、ファンドが明らかに「安くなったテーマ株」を再評価している点です。特にアドバンテスト、東京エレクトロン、ディスコ、ファナックなどに見られるように、AI・半導体・自動化・先端製造といったテーマへの視線は依然として強いままです。
これは、単に短期の値動きを追っているというより、中長期で成長期待のある分野は、下がった局面で拾う価値があるという考え方に基づいていると見られます。AI関連は2025年から2026年にかけて市場の中心テーマであり続けており、半導体需要も構造的には底堅いと見られています。そのため、調整局面は「終わりの始まり」ではなく、「再仕込みの機会」と捉えられている可能性があります。
一方で、すべての下落銘柄を無差別に買っているわけではありません。不動産のように期待が薄いと判断した分野は売却し、ディフェンシブ銘柄も一部減らしています。つまり、このファンドは「安いから買う」のではなく、「今後のテーマ性が残っているのに安くなったから買う」というスタンスで動いているといえます。
個人投資家にとって、ここから学べることは少なくありません。多くの人は上がっている株を見ると買いたくなり、下がっている株を見ると不安になります。しかし、プロの売買を見ると、むしろ大事なのは「なぜ下がったのか」「テーマはまだ生きているのか」「同業の中でどれが出遅れているのか」といった視点です。単純な順張りでも、単純な逆張りでもなく、テーマ・需給・バリュエーション・チャートを総合して判断していることがわかります。
また、今回のようなファンド分析には、個人投資家が陥りやすい思い込みを修正してくれる効果もあります。たとえば、強い銘柄は持ち続ければよいと考えがちですが、実際にはキーエンスのように高値圏で売ることもある。逆に、弱く見える銘柄でも、今後のテーマ性があればあえて買っていく。こうした柔軟な考え方が、相場で生き残るためには欠かせません。
まとめ
今回の動画では、野村の成長株アクティブファンドの売買動向を通じて、プロ投資家が今の相場をどう見ているのかが具体的に示されていました。
全体として見えてきたのは、AI・半導体を中心とするテーマ株が、まだ完全には終わっていないという見方です。東京エレクトロン、ディスコ、アドバンテスト、ファナックといった関連銘柄に再び資金を向けていることからも、調整後の再上昇に期待している様子がうかがえます。
その一方で、ただテーマ株を買い続けているわけではなく、フルカワ電工から住友電工へ、ディフェンシブ株から成長株へと、相対的に有利なポジションへ細かく資金を動かしていました。住友不動産やセブンのように、見切るべきところは見切る姿勢も印象的です。
つまり、今回のファンド戦略は「全面強気」ではなく、「テーマ性のある銘柄を、下がった局面で選別して拾う」という、かなり実戦的なものでした。個人投資家にとっても、相場が不安定なときこそ、ただ怖がるのではなく、どのテーマが生きていて、どの銘柄が出遅れているのかを冷静に見極めることの重要性を教えてくれる内容だったといえます。
動画タイトルやトランスクリプトを続けて送っていただければ、この形式でそのまま記事化します


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