過去20年の米国市場の闇に学ぶ:S&P500の積立投資、本当に今も続けるべきか?

※この記事はYouTube動画「【まじやばい。米国20年の闇】まだS&P500を積立しても大丈夫?長期投資、実は怖い。分散投資は本当に大切」を基に作成しています。

結論:積立投資は継続が基本、でも「何を」「いつまで」続けるかは年齢と目的で変えるべき

S&P500や全世界株式(オルカン)への積立投資は基本的には正しい選択とされていますが、それが常に万人にとって正しいわけではありません。特に40代以上で資産形成のゴールが見えてきた人にとっては、無計画にS&P500一本に頼ることはリスクになりかねません。

以下では、過去の米国市場の歴史や大統領ごとの市場パフォーマンスを踏まえながら、積立投資のリスクとその対策としての「リスク調整型積立投資」「分散投資」の重要性について解説します。


目次

トランプ政権2期目、S&P500は“最悪のスタート”?

トランプ氏が再登板した2024年、株式市場への期待とは裏腹に、S&P500は就任からわずか5ヶ月で-8.4%というワースト記録を更新しています。これは歴代大統領の中でも最悪のスタートであり、1980年代のレーガン政権(-5.5%)をも下回る水準です。

これまでの積立投資のセオリーでは、「どんな暴落でも続けろ」が定説でした。しかし、スタートから大きく転んでいる現在のS&P500を見ると、本当にこのまま続けて良いのか疑問に感じる人も多いでしょう。


世界恐慌とS&P500の“暗黒時代”に学ぶ

歴史的に見ても、S&P500は常に右肩上がりではありませんでした。特に1929年の世界恐慌から1945年までの16年間、S&P500はほぼ成長が止まり、横ばいのレンジが続きました。

この時代にもし毎月1万円ずつ積立していたら、15年以上も含み損状態が続き、1945年12月時点で198万円の投資額に対し評価額は108万円と、大きなマイナスを抱えたままという結果になります。

こうした過去の実例からも、「いつかは報われる」と信じる長期積立にも、報われるまでに10年以上かかるリスクがあることは知っておくべきです。


年齢別の積立戦略:「アクセル」と「ブレーキ」のバランスをとる

動画内では、「S&P500の投資信託=ベース」「ゴールド=ブレーキ」「レバレッジ型ETF=アクセル」として、年齢に応じた投資戦略を次のように提案しています。

年代積立戦略投資商品例
20代株式中心+アクセル強めS&P500、トレサーズS&P500プラス
30代株式多め+一部アクセルS&P500、オルカン、レバレッジETF
40代アクセル抑制+分散開始ゴールド、バランスファンド
50代リスク抑制+守り中心ゴールド中心、株式比率引き下げ
60代切り崩し開始+安全第一レバ商品売却、ゴールド多め

分散投資の2つの軸:アセット×時間

動画では、リスク管理として「2つの分散」を提案しています。

  1. アセットの分散
    ゴールドやリート、不動産、コモディティなど、株式以外の資産もポートフォリオに加えることで、インフレや景気後退時のダメージを軽減します。
  2. 時間の分散
    若い時はリスクを取って資産を増やす一方で、歳を重ねたらリスクを減らして守りを重視するという「ライフサイクル投資術」を取り入れましょう。

レバレッジの使い方:「若いうちの味方」「老後の敵」

若い頃の資産は少額のため、レバレッジ商品(S&P500プラスなど)で加速するのは合理的です。一方、資産が大きくなった50代以降では、レバレッジは逆にリスク要因になります。

つまり、若いうちはアクセル、老後はブレーキを使い分けることが、資産寿命を伸ばす鍵です。


投資シミュレーションで自分に合った戦略を

野村アセットの「NISA応援宣言」などのサイトでは、積立投資枠と成長投資枠を別々にシミュレーションできるツールがあります。

たとえば、以下のような設定でシミュレーション可能です:

  • 積立投資枠:毎月10万円、年利4%、10年間
  • 成長投資枠:毎月5万円、年利8%、5年間

→この条件で30年間運用すれば、非課税効果含めて総額2,780万円〜3,000万円前後になるケースも。

このようなシミュレーションを活用して、「リスクを取りすぎない」「目的に応じた資産形成」を行うことが重要です。


まとめ:積立は「戦略的に」継続すべき

  • 積立投資は基本的には正しい戦略だが、過去には15年報われなかった時期もある
  • 「何を積立てるか」「どのタイミングでアクセルとブレーキを切り替えるか」が重要
  • ゴールが近い人ほど、分散とリスク調整を優先しよう
  • 若年層はレバレッジでブースト、中年層以降はゴールドなどでブレーキ

積立は盲信するものではなく、計画を持って活用すべき投資戦略です。

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