選挙と株価は本当に連動する?アノマリーの真実と投資戦略を徹底解説

著:馬渕 治好
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※この記事はYouTube動画「【調査結果】選挙と株価のアノマリーって本当に当たるの?知らなきゃ損する投資のヒント」の内容を基に構成しています。


目次

結論:参院選は「選挙は買い」のアノマリーが効かない!むしろ警戒すべきは“ねじれ国会”

選挙前後に株価が動くというアノマリー(理論では説明できない経験則)はよく語られますが、特に参議院選挙(参院選)は「選挙は買い」とは言えないという調査結果が示されました。

1971年〜2013年のデータ、および直近の参院選を含めた検証によって見えてきたのは以下の3つのポイントです。

  • 参院選前の株価は上がりにくい(5分5分の確率)
  • 選挙後1ヶ月は下落しやすい
  • 「ねじれ国会」発生時は下落率が特に大きい

衆議院選とは違い、参院選は定期開催のためサプライズが少なく、変化への期待値が薄いことが株価への影響を限定的にしていると考えられます。


そもそも「アノマリー」ってなに?

アノマリーとは、明確な理論では説明できないが、経験則としてよく起こる現象のことです。株式市場では以下のようなアノマリーが有名です。

  • セル・イン・メイ(Sell in May)
  • 大統領選挙サイクル
  • 月別リターンの傾向(季節アノマリー)

これらは人間の行動習慣やスケジュールに基づくものであり、今回の「選挙アノマリー」もその一つです。


【検証1】1971〜2013年 参院選データ分析

まずは過去の参院選について、「選挙前」「選挙後」の日経平均株価リターンを調べたところ、次のような結果が出ています。

選挙前1ヶ月間の株価推移(投票日直前の金曜日まで)

  • 上昇:6回
  • 下落:6回
  • 平均リターン:-0.29%

ほぼ五分五分。選挙前に株価が上がるとは言えない。

選挙後1ヶ月間の株価推移(投票日翌月曜〜1ヶ月後)

  • 上昇:5回
  • 下落:7回
  • 平均リターン:-0.95%

むしろ下落傾向が強い。


【検証2】選挙直後の「1営業日」に注目

選挙翌営業日(月曜)の株価動向にも着目したところ、意外にも:

  • 上昇:8回
  • 下落:4回

短期的には上がりやすい傾向もあるが、持続性には疑問。

例:2023年の「石破ショック」ではたった1日で日経平均が2000円下落というように、逆方向に大きく動くリスクもあります。


【検証3】「ねじれ国会」と株価の関係

もっとも注目すべきアノマリーが「ねじれ国会」の影響です。

ねじれ国会が起きた4回の選挙後リターン:

  • 1989年(例外:バブル期) → 上昇
  • 1998年、2007年、2010年 → いずれも下落
  • 4回の平均リターン(選挙後1ヶ月):-4.3%

バブルを除く3回は全て大きく下落。

このことから、「ねじれ」が発生した場合は政権の不安定さが市場の不安につながる可能性が高いと考えられます。


【検証4】その後の回復シナリオと季節性

意外にも、選挙後3ヶ月・年末までの期間では株価が回復している傾向が見られました。

期間平均リターン
選挙後3ヶ月(〜10月)+2.5%
年末まで(〜12月)+4.59%
※ねじれ国会なし年末+7.59%
※ねじれ国会あり年末-1.3%

→ 夏に下がっても秋〜冬にかけて回復する「季節アノマリー」の影響が大きいことが分かります。


【補足】季節性アノマリー(月別リターン)

筆者独自の1980年〜2024年データでも、次のような傾向が確認されています。

  • 11〜12月は最もリターンが高い
  • 1〜2月もプラス
  • 5〜9月は低調(特に6〜8月の夏枯れ)

これらは、パンローリングの『アノマリー投資』でも触れられている有名な傾向です。


結論まとめ

タイミング株価の傾向
参院選前1ヶ月微妙(上下五分)
選挙直後1日やや上昇傾向
選挙後1ヶ月下落しやすい(特にねじれ時)
選挙後3ヶ月・年末回復傾向(季節性アノマリーが強く影響)

投資戦略のヒント

  • ねじれ国会の可能性がある年は要警戒!
    • 選挙後の1ヶ月は株価が大きく下がる可能性
  • 夏の参院選は「夏枯れ」と重なりやすい
    • タイミング的に弱い相場になりやすい
  • 年末や年初にかけては回復期待
    • 長期目線ならチャンスとも言える

最後に:積立投資と特定口座は分けて考えよう

動画でも語られていた通り、「NISAなどの積立投資」はアノマリーに関係なく継続するのが基本です。一方で、特定口座での個別株投資などは、こういったアノマリーや市場サイクルを参考に「買い時・売り時」を調整しても良いでしょう。

今後の選挙や相場動向を見据えた中長期戦略に、今回のアノマリー知識を活用してみてください。

著:馬渕 治好
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