金も仮想通貨も急落。逃げ場なしの相場で流れを変えるのは何か

11月18日の相場は、株式、金、銀、プラチナ、そしてビットコインまで、ほぼ全ての資産が同時に売られる「逃げ場なし」の1日でした。

ただし、今週はNvidiaの決算と雇用統計という2つの大型イベントが控えているため、これらが相場のムードを反転させる可能性があります。特にNvidiaの決算は、市場センチメントをひっくり返す最大のカタリストになり得るため、投資家にとって最重要イベントになります。

ここからは、動画内容をかみ砕いて、数字や背景を交えながら詳しく説明していきます。


目次

1 株式からコモディティまで広範囲で下落

株価指数の動き

この日は日中の下げが非常にきつく、引けの30分でやや戻したものの、主要指数は軒並み下落しました。

  • NSA 0.84%の下落
  • S&P500 0.92%下落
  • ダウ 1.18%下落
  • ラッセル2000 大きく下落
  • VIX指数 22.38(上昇したものの、急騰と言うほどではない)

特にS&P500とナスダック100は、かなり長い間守ってきた50日移動平均線を終値で割ってしまった点が重要です。

S&P500が50日移動平均線を割ったのは138日ぶりで、今世紀2番目に長い上昇トレンドが終わった可能性があります。このラインを割ると機械的な売りが出やすく、「下落の入り口」と受け取る市場参加者も増えます。

ただし、過去にも「1日割れて戻る」というパターンは何度もあるため、この割れだけで暴落確定とは言えません。


2 金、銀、プラチナ、銅、パラジウムまで全面安

コモディティ市場でも、ほぼすべてが売られました。

  • 金 1.28%下落
  • 銀、銅、プラチナ、パラジウム すべて1%以上下落
  • 原油 下落
  • 天然ガス 大幅下落

前日まで反発しそうだった金も下落に転じており、3,913ドル付近のサポートを割ると、次の3,915ドルが重要なラインになります。


3 暗号資産も急落で「フリーフォール状態」

暗号資産も逃げ場はありませんでした。

  • ビットコイン 2.74%下落
  • イーサリアム 3.08%下落

ビットコインは10万ドルを長く維持していましたが、ついに割れ始め、9万ドル台への突入が現実味を帯びてきました。

特に「Fear & Greed Index(恐怖と欲望指数)」が10という極端な恐怖レベルに落ちたことは注目ポイントです。
この数値は滅多に見られず、底打ちのシグナルとして機能することもあります。


4 ドル高と円安。ユーロ円は180円台へ

為替市場ではドル高・円安がさらに進行しました。

  • ドル円 155.23円
  • ユーロ円 180円台に乗せる

対ドルだけでなく、対ユーロでも急激に円安が進み、ヨーロッパ旅行がほぼ不可能な価格帯に突入しています。

動画内のコメントでも
「ドイツ在住ですが、インフレはやや落ち着いてきたものの、生活はまだ厳しい」
といった声があり、現地物価の高さと円安のダブルパンチが浮き彫りになっています。


5 市場の恐怖指標はまだ「本気のパニック」ではない

いくつかの代表的な指標を整理すると次のようになります。

  • VIX指数 22.39付近
  • プットコールレシオ 0.831
  • Fear & Greed Index(株式) 15(Extreme Fear)

VIXが40に近づいてくると、本格的なパニック水準ですが、現時点ではそこまで行っていません。
つまり、今は「かなり悪いけれど、まだ完全な総投げではない」という状態です。


6 今週の相場を左右する2つのイベント

ここまでの下げの流れを変えるための候補イベントが2つあります。

6-1 Nvidiaの決算(米国時間 水曜日)

CEOのジェンスン・ファン氏は、2025〜2026年の受注額が合計5,000億ドル規模になると発言しており、アナリスト予想を大きく上回る数字をすでに匂わせています。

前提
受注自体はすでに巨額
あとは生産と出荷がどれだけスムーズか

これが順調であれば、
コンセンサス超えの決算が出る可能性は高い
という見方ができます。

市場の分岐はシンプルで、

  • 良い決算 → センチメントが一気に好転する可能性
  • 良い決算でも売られる → 「材料出尽くし」で本格下落シナリオ

どちらに転ぶかで、今後数カ月の株式相場の方向性が決まると言っても過言ではありません。

6-2 雇用統計(9月分)

もう1つのカギは雇用統計です。
悪い数字が出れば利下げの可能性が高まり、株式市場にとってはプラス要因になります。

直近では、FRB要人から以下のようなハト派寄りコメントが出ています。

  • ウォーラー理事
  • ジェファーソン副議長

彼らは
公式統計だけでなく、失業保険申請件数
地区連銀が持っている雇用データ
その他の内部データ
など、我々が見ている以上の情報をもとに発言しています。

その彼らが「雇用の下振れリスク」に言及し始めていることから、
表向きの数字よりも、裏側でじわじわと悪化している可能性があります。


7 「強い決算」と「弱い生活実感」のギャップ

動画では、アメリカ経済をざっくり次の3層に分けて考えています。

1 大企業・テック企業
決算だけを見ると非常に好調。AI関連投資も活発。

2 ミドルクラス
物価高と金利高のダブルパンチで、生活に余裕があまりない。

3 ローアー層
自動車サブプライムローンの延滞や破綻が増加。家計はかなり苦しい。

さらに、公的部門や政府関係者の給与遅配・一時的な支払い停止などもあり、
「マクロ数字は強いが、生活者の実感は弱い」
というアンバランスな状況になっています。

FRBはマクロの平均値を見て政策を判断しますが、
内部では「実はかなりヤバい部分があるのではないか」という意識も強まっている可能性があります。


8 個別株とセクターの動き

動画内で触れられていた主な銘柄は次の通りです。

Google(アルファベット)
バークシャー・ハサウェイが買い増ししたとのニュースで2.8%上昇。

Nvidia
ピーター・ティールのヘッジファンドが売却。
一方で、受注の強さから決算への期待も大きい。

テスラ
米国向けに「中国製部品の使用禁止」に舵を切る方針が好材料となり、小幅上昇。

ディズニー
ESPNやABCなどディズニー系列チャンネルを、YouTube TVの約1,000万人のユーザー向けに再開することで合意。15日間の対立に終止符を打ち、株価は小幅上昇。

一方、半導体全体やAI関連メガテックは総じて弱く、
「Nvidiaの決算で雰囲気が変わるかどうか」が焦点となっています。


9 まとめ:逃げ場なしの下げの中で何を見るべきか

11月18日は、

  • 株式
  • 金・銀・プラチナ・パラジウム
  • 原油・天然ガス
  • ビットコイン・イーサリアム

と、ほぼすべてのリスク資産が一斉に売られる厳しい1日でした。

ただし、市場は今後のカギとして、次の2つのイベントに注目しています。

1 Nvidiaの決算(米国時間・水曜日)
2 雇用統計(9月分)

短期的にはまだボラティリティの高い展開が続きそうですが、
極端な恐怖の裏側で「将来のリターンの源泉」が生まれている可能性もあります。

長期投資家目線では、
・どの資産クラスがどこまで売られているか
・Nvidiaと雇用統計が出た後、市場の反応がどう変わるか

この2点を冷静に見ていくことが大切だと言えます。

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