この記事はYouTube動画「銀行が前回同じことをしたとき…すべてがひっくり返った」を基に執筆しています。
目次
結論:銀行の融資引き締めは経済減速のシグナル
経済は「お金の動き=消費」で回っています。特にアメリカのような国は「現金」よりも「クレジット(信用)」に依存しているため、銀行が融資を厳しくする=クレジットが減ると、消費が冷え込みやすくなります。
過去の2000年代やリーマンショック前後の動きを見ると、銀行が貸し渋りを始めると数年内に景気後退が起きているのです。2025年現在、再び同じ兆候が見られています。
クレジット経済の仕組み
私たちが暮らす経済は「お金ベース」ではなく「クレジットベース」で動いています。
- 例えば財布に10ドルしかなくても、クレジットカードでさらに10ドル使える。
- つまり実際の残高以上に消費できることで、経済全体の支出は膨らむ。
- 企業は売上を伸ばし、雇用を増やし、賃金が上がり、株価も上がる。
この「信用の拡大」が好景気を作りますが、裏を返せば「信用の縮小」が不景気を呼び込みます。
2000年代と2008年リーマンショックの流れ
- 2000年代前半:住宅ローンの審査が非常に緩く、「誰でも借りられる」状態。これが住宅バブルを生んだ。
- 2005年の証言:「ほぼ誰でもローンが借りられる」と業界関係者が語るほど。
- 2007年以降:返済不能リスクを恐れた銀行が急に融資を引き締める。
- 結果:住宅購入が減り、価格が下落。資産価値が下がるとローンを抱えた人が「家の価値<借金」となり、破綻が連鎖。
- 2008年:住宅バブル崩壊から世界金融危機へ。第二次大戦後最大の不況が訪れた。
つまり「融資拡大→景気拡大→融資引き締め→景気後退」というサイクルが明確に見られました。
2025年の現状:再び貸し渋りが拡大中
- 2024年以降、銀行は融資基準を引き締め始めた。
- 2025年現在:米連邦準備制度(FRB)の調査によれば、銀行の12.5%が融資基準を厳格化。前期の4.8%から大幅に増加。
- 背景には「借り手が返済できなくなるリスク」への警戒がある。
一方でFRBは利下げを検討しており、銀行の貸し渋り(ブレーキ)と中央銀行の利下げ(アクセル)が同時に行われている「チグハグな状況」です。
今後のシナリオ:2025~2026年の経済は?
- 銀行が融資をさらに抑える → 消費が減り、景気減速へ。
- FRBが利下げして融資を促す → 短期的に景気を支えるが、バブル再燃リスクも。
つまり「引き締めれば景気が悪化」「緩めればバブル化」というジレンマに直面しています。
投資家にとっての教訓
- 現金を確保しておく:不況時は投資チャンスが訪れる。
- 長期的な投資戦略を持つ:短期の上下に振り回されず、自分のゴールに合った戦略を立てる。
- 過去のパターンを学ぶ:2008年のような金融危機がそのまま繰り返されるとは限らないが、歴史は「似たようなリズム」を持つ。
まとめ
- 経済は「現金」より「クレジット」で動く。
- 融資が拡大すれば景気は加速、引き締めれば減速する。
- 2008年の金融危機もこの流れで起きた。
- 2025年現在、銀行が再び融資を引き締めており、経済減速のシグナルになりうる。
- FRBの利下げと銀行の貸し渋りという矛盾した状況が続く中、投資家は「現金の確保」と「長期戦略」が重要。
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