このブログは「Banks Are Hiding the Real Economic Crisis – And No One’s Paying Attention」という元動画のタイトルを基に記事を書いています。
結論:問題の中心は“銀行”ではなく“影の金融機関(NBFI)”
IMFは「米英の銀行は、規制のゆるいノンバンク金融機関(NBFI)に4.5兆ドルも貸し出しており、その返済リスクを過小評価している」と警告しています。
すでに破綻が増え始めているため、このままデフォルトが連鎖すれば銀行側が損失を吸収できず、市場全体に危機が波及する可能性があります。
しかし、これは同時に大きな投資チャンスでもあります。
NBFIとは何か?なぜ銀行にとって危険なのか
NBFI(ノンバンク金融機関)は、預金を受け入れない代わりに、自由度の高い“影の金融”としてローンを発行する組織です。
- ヘッジファンド
- プライベートクレジットファンド
- サブプライム向け貸し手
などが含まれます。
銀行はNBFIに資金を貸し、NBFIが個人や企業へローンを出します。
つまり、NBFIが飛べば銀行が直接被弾します。
IMFによれば
「NBFI向けエクスポージャーが自己資本を上回る銀行が、銀行資産の40%を占める」
という非常に危険な状態です。
すでに
・サブプライム自動車ローン会社 Tricolor
・First Brand Group
などが破綻し、銀行に2億ドル級の損失が出ています。
危機が深まる理由:金利上昇と“利回り追求バブル”
NBFIに問題が出ている背景には2つあります。
1. 高金利で借り手が返済できなくなっている
インフレ残存+景気減速+金利高止まり
→ 延滞・破綻が急増
→ NBFIの損失が拡大
→ 資金を出している銀行へ波及
2. 低金利時代の“利回り探し”で基準が緩んだ
銀行も投資家も高利回りを求めてNBFIに資金を投じすぎた
→ 審査が甘くなり、リスクの高いローンが大量に積み上がった
IMFは「与信基準が明らかに緩んでいる」と指摘しています。
個人投資家はどうすればよいか?
重要なのは次の2点です。
1. ボラティリティ(価格変動)が急上昇する可能性
NBFI破綻 → 銀行株急落 → 金融セクター全体がパニック売り
という流れが起きれば、健全な銀行株まで売られる可能性があります。
2. その混乱は“絶好の買い場”にもなる
ウォーレン・バフェット曰く
「他人が恐れているときに貪欲であれ」
歴史的に、
・2008
・2020
・2022
など、恐怖の中で買った投資家が最も大きく資産を増やしています。
今回のNBFI問題は、銀行株・金融ETF・S&P500などの“優良資産が叩き売りされる可能性がある局面”
を生むかもしれません。
まとめ
IMFは、銀行が抱える“影の金融への過剰依存”を強く警告しています。
・NBFIの破綻が連鎖すれば銀行に直撃
・規制のギャップが問題を増幅
・高金利が「返せない人」を増やす
・パニックが起きれば市場全体が荒れる
しかし同時に、
そのパニックは長期投資家にとって大きなチャンスでもあります。
市場が恐怖に包まれ、優良資産が不当に売られたとき、
“冷静に買える人”が大きな果実を得る、
これは過去100年ずっと変わらない投資の真理です。


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