以下の記事は、元動画のタイトル「高市トレードで株価急上昇!今後日本は円安株高。広がる格差・・」を基に作成しています。
結論
2025年10月6日、いわゆる高市トレードで日経平均は一時4万8000円台まで上昇しました。
市場は「積極財政の継続」「日銀の急な利上げは遠のく」という期待を織り込み、円安と株高が同時進行しています。
恩恵を受けやすいのは輸出や防衛、インフラ、エネルギー、半導体など。
一方で、輸入コスト上昇や価格転嫁が難しい内需小売には逆風が想定されます。インフレ環境では現金だけを持つ家計の実質価値が目減りしやすく、投資の有無で格差が広がりやすい構図です。長期の積立分散を早めに始めることが最大の防御であり攻めになります。
なぜ株が急騰したのかを3行で
- 積極財政の継続期待で公共投資や産業支援が増える見通し
- 利上げに慎重との見方が強まり、円安が進行
- 海外投資家が政策継続性と保守的安定を好感し日本株に資金流入
背景と直近の動き
- 2025年10月4日の自民党総裁選を経て、市場は週明け10月6日に急騰。一時4万8000円台、先週比で2000円超の上昇局面がありました。
- 為替は一時150円台まで円安が進行。米銀の一部見立てでは年末155円のシナリオも話題に。
- 「○○トレード」という呼称は、政権や政策の方向性を先回りして織り込むマーケットの動きを指します。アベノミクス初動の2012〜2013年にも類似の期待先行相場がありました。
政策と相場のつながりをやさしく
- 積極財政
国の支出は兆円単位。防衛、インフラ、エネルギー、産業育成に資金が回れば、関連企業の売上と利益が増えやすく、株価にプラスに働きます。 - 利上げに慎重
金利を急に上げにくいという見方が強ければ、円は売られやすく円安に。円安は輸出企業に有利です。 - 海外マネーの流入
政策の継続性や安定感、積極財政の方向性が明確だと、海外投資家の買いが入りやすくなります。
具体例で理解する円安メリット
トヨタが米国で3万ドルの車を1台販売したとします。
・1ドル=100円なら売上は300万円
・1ドル=150円なら売上は450万円
同じ3万ドルでも円安だと日本円の売上は大きくなります。為替が企業業績に直結するイメージが持てると思います。
セクター別の明暗を一覧で整理
下表は動画で語られた方向性をまとめ直したものです。個別銘柄の推奨ではありません。
方向 | セクター例 | 想定される理由 | 代表例のイメージ |
---|---|---|---|
追い風 | 防衛・安全保障 | 予算増と装備更新 | 三菱重工、IHI など |
追い風 | インフラ・建設・再開発 | 公共投資拡大 | 大成建設、鹿島建設 など |
追い風 | エネルギー・原子力 | 自給率向上、再稼働議論 | 電力各社 など |
追い風 | 半導体・ハイテク | 産業育成とAI投資 | アドバンテスト、東京エレクトロン など |
逆風 | 銀行・一部金融 | 利上げ遠のきで利ざや拡大にブレーキ | メガバンクなど |
逆風 | 輸入依存・円高メリット企業 | 円安で原材料コスト増 | 家具・衣料の輸入比率が高い企業 等 |
逆風 | 低価格帯中心の内需小売 | 物価高で家計が節約、価格転嫁が難しい | ディスカウント特化企業 等 |
- 「追い風」側は円安メリットや公的需要に支えられやすい分野。
- 「逆風」側はコスト上昇を価格に転嫁しにくい業態や、利上げ期待が後退して旨味が薄れる金融など。
- 同じ業種でもビジネスモデルや海外売上構成で受ける影響は変わります。
アベノミクスと今回の違いを歴史的に補足
- 2013年前後は東日本大震災からの復興が最優先。公共投資とデフレ脱却が柱でした。
- 2025年は地政学リスクの高まり、サプライ網の再構築、エネルギー安全保障、AI・半導体の覇権競争がテーマ。似ているようで「防衛・産業育成・エネルギー」がより前面に出やすい時代背景です。
家計の実質価値が減るメカニズム
インフレ率が年3%で続くと、名目は同じでもお金の購買力は下がります。動画では次のような目安が紹介されました。
・今1000万円の預金
・10年後の実質価値は約744万円相当
・20年後の実質価値は約553万円相当
名目の数字が変わらなくても、物価が上がれば実質的には目減りします。現金だけで守り切るのは難しいのがインフレ局面の現実です。
投資家がインフレに相対的に強い理由
- 価格転嫁で企業の売上・利益が伸びやすい
- 不動産やコモディティなど実物資産の価格が上がりやすい
- 円安が海外資産の円換算価値を押し上げる
特に為替ヘッジなしの海外株式インデックスを持つと、円安時には評価額が膨らみやすくなります。
ゴールドの動きにも注目
インフレや政策不確実性が意識される局面では金が買われやすい傾向があります。
10月6日時点の国内店頭価格は史上高値圏にあり、実物購入の需要が増えるといった話題も出てきました。長期の分散先として、株式比率が高い人のボラティリティ緩和や通貨分散の一助になりえます。
これから始める人のための実行プラン
- まずは家計の守りを固める
生活防衛資金を6〜12か月分目安で確保。変動金利の借入があれば繰上げ返済や固定化も検討。 - 積立分散を自動化する
新NISAの成長投資枠とつみたて投資枠を活用。全世界株や米国株などの低コストインデックスを軸に、為替ヘッジの有無も目的に応じて選ぶ。 - 日本株はテーマを意識しつつ過度に一点張りしない
防衛・エネルギー・半導体・インフラなどの構造テーマは有力ですが、個別の勝ち負けはあります。投信やETFでの分散も選択肢。 - インフレ・為替への備え
金やコモディティ関連、外貨建て資産を適度に組み入れて通貨と物価の両面に備える。 - タイミングより継続
高値不安でも少額から淡々と。下がったら買い増せる積立は、感情と逆行しやすい投資の味方です。
まとめ
・10月6日の急騰は「積極財政」と「利上げ慎重」というシナリオを同時に織り込んだ動き。
・円安株高では輸出・防衛・エネルギー・半導体・インフラが恩恵、輸入依存や低価格内需には逆風。
・物価上昇下では現金の実質価値が毀損しやすく、投資の有無で格差が拡大しやすい。
・家計の守りを整えつつ、積立分散を早く始めることが最大の自衛手段。
今日がいちばん若い日です。相場の見出しに振り回されず、仕組みと数字を味方に、コツコツ続けていきましょう。
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