高市政権は吉か凶か。積極財政で加速する格差と、庶民が今日から取るべき資産防衛術

このブログは元動画のタイトル「【吉か凶か?】高市政権で加速する格差社会〜積極財政で詰む末路〜」を基に作成しています。初心者でも理解しやすいように、動画の内容を可能な限り削らず、数字と具体例を交えて整理しました。

目次

結論

高市政権は緊縮から積極財政へ大きく舵を切った。

景気押し上げと構造改革には期待が持てる一方で、短中期的にはインフレと円安の副作用が強まる公算が大きく、現金中心の家計は実質的な購買力を削られる。

投資をしている層としていない層の格差は、片や登りエスカレーター、片や階段という構図で時間とともに拡大する。現金比率を下げ、外貨建てを含む成長資産へ計画的にシフトすることが、庶民の実質生活を守る唯一の現実解である。


高市政権の方向性と市場の受け止め

2025年10月の政権発足直後から、減税や暫定税率の廃止などスピード感ある政策が相次ぎ、内外からの期待が高まっている。

柱は次の五つ。経済成長、物価と所得の安定、外交と安保の強化、憲法改正、地方成長戦略。歴代も掲げてきたが、問題は実行力であり、今回は積極財政を明確に打ち出している点が決定的に違う。

積極財政と緊縮財政の違い

積極財政は政府支出を大胆に使い成長を先取りする方針。

メリットは景気浮揚と賃上げの後押し。

副作用はマネー量増による物価上昇と通貨価値の希薄化。緊縮は財政健全化を優先しインフレを抑えやすいが、需要不足が長引きやすい。いずれも万能ではなく、局面に応じたバランスが要る。

MMTに触れる文脈

自国通貨建てで借金をする限り、政府の資金繰り破綻は理論上起こらないというMMTの視点がSNSで浸透した。ただし現実面では通貨価値とインフレが制約となる。

日本が積極財政に踏み込むなら、物価と為替の副作用管理が最大の焦点になる。


なぜ投資の必要性が跳ね上がるのか

理由1 インフレが家計の購買力を削る

政府の需要押し上げは国内のマネー量を増やし、相対的に物価を押し上げる。

現金のままだと目減りする。試算は明快で、年率2パーセントのインフレが10年続けば現金100は実質約82、年率3パーセントなら実質約74.4まで低下する。貯金だけでは守れない時代に入った。

理由2 円安が続きやすい構造ができた

かつての110円前後の安定から、一時160円台、直近も155円付近という歴史的円安圏に滞留。単なる金利差では説明しきれない構造要因が積み上がっている。

円安を深掘りする五つの構造要因

一つ目は貿易の収益柱の劣化。輸出の稼ぐ力が弱まり、エネルギーや食料の輸入代金は重く残る。


二つ目はデジタル赤字。GPUはNVIDIA、クラウドやAI基盤は米巨大プラットフォームに依存し、継続的なドル払いが発生する。


三つ目は企業の外貨循環。海外で稼いだ利益を外貨のまま再投資する動きが強まり、円への還流が弱い。


四つ目は金融政策と国債増発の組み合わせ。インフレ抑制のための急速な利上げに消極的で、マネー供給が増えやすい。


五つ目は家計行動の変化。円安とインフレを経験した家計がNISAなどを通じて外貨建て資産へシフトし、資金が構造的に外へ流れやすい。

この五層構造が、円の下押し圧力とインフレの持続性を高める。現金比率が高いほど二重の打撃になる。


格差が広がるメカニズム

投資家は株式などのリスク資産でインフレ分を上回る名目成長を取りにいき、為替の外貨効果も得やすい。

一方、現金中心の家計は物価上昇と円安に同時被弾する。時間が経つほど差は自動的に広がる。まさにエスカレーター対階段で、後から追いつくのが難しくなる。


何をどう変えるか 実務的アクションプラン

ステップ1 口座と資金の土台を整える

ネット証券とネット銀行を中核に据える。生活防衛資金は6〜12カ月分を高流動の預金で確保し、それ以外を投資へ振り向ける。外貨の買付や為替手数料の低さも事前に確認する。

ステップ2 時間分散で投資を開始する

一括ではなく定期積立で。相場の上下を均して平均取得単価を平準化する。開始が早いほど複利の時間が味方になる。

ステップ3 コアは低コストの広範分散

全世界株やS&P500などのインデックスを軸に据える。信託報酬は可能な限り低いものを選び、購入手数料ゼロの商品を基本とする。テーマ型はサテライトの少額に限定する。

ステップ4 通貨分散を組み込む

外貨建て資産の比率を計画的に高める。為替ヘッジの有無は、長期ではコストとリターン影響を見て選ぶ。円高の揺り戻しは一時的な評価減に留まりやすく、構造円安の放置より家計ダメージは小さい。

ステップ5 リバランスと見直し

年に一回は資産配分の乖離を点検し、比率を元に戻す。市場イベントで感情的に動かず、ルールで戻すことが長期成績を安定させる。


比較で理解する 現金温存と投資分散の違い

観点現金中心投資分散中心
物価上昇時実質価値が目減り企業利益や配当に連動しやすい
円安時輸入物価の上昇直撃外貨建て資産の円換算で下支え
収益源金利のみ価格上昇と配当の二本立て
リスク管理価格変動は小さいが実質毀損変動はあるが長期で成長を取りにいく
必要行動銀行乗り換え程度積立とリバランスの継続

よくある疑問に短答

円高に戻ったら外貨資産が痛まないか

短期の評価減は起こり得るが、長期家計にとってはインフレと構造円安への無策の方が致命的。通貨分散は保険でもある。

何から始めればいいか

まずは全世界株やS&P500の低コストインデックスを毎月積立。分からないうちは商品数を増やさず、枠を増やす。慣れてきたら債券や不動産投信などでボラティリティを調整する。

テーマ株や個別株は

サテライトの範囲で少額に。情報の非対称性とタイミング難度が高い。まずはコアで土台を作る。


まとめ

日本が失われた30年を抜け出すために積極財政に踏み込むのは、大きな賭けであり同時に必然でもある。

だが賭けには副作用がある。

インフレと円安だ。現金のままでは静かに減っていく。投資をする人としていない人の格差は放置すると自動的に開く。だからこそ、今日といういちばん若い日に、現金比率を適正化し、外貨を含む成長資産へ時間分散で移す。難しいことは要らない。

口座を整え、低コストの広範インデックスに毎月積み立て、年に一度リバランスする。それだけで、積極財政の副作用に対して家計の盾を持てる。運命は選べる。準備した人から順に、インフレと円安を恐れなくなる。

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