※本記事は、YouTube動画「【第110回質問への回答】高配当VS債券どちらがCFがいいのか?」をもとに執筆しています。
結論:キャッシュフローだけでなく「将来の資産成長性」も含めれば高配当株が優勢
高配当株と債券のいずれもキャッシュフロー(CF)を生み出す投資先ですが、長期的なリターンとインフレ耐性を考えると高配当株に軍配が上がるというのがナスビさんの結論です。ただし、目的や年齢、資産状況によっては債券の重要性も見逃せません。
目次
高配当株と債券の本質的な違い
項目 | 高配当株 | 債券 |
---|---|---|
リターン源泉 | 配当+株価上昇 | 利子収入 |
キャッシュフロー | 増配により増加可能 | 固定(インフレに弱い) |
値動き | 大きい(株式) | 小さい(満期保有で元本返却) |
インフレ耐性 | 強い(企業収益に連動) | 弱い(固定金利) |
リスク | 元本割れのリスクあり | 原則、金利上限まで |
例えば、債券の金利が3%なら将来のリターンは3%に収束しますが、高配当株は3%の利回りに加えて、企業成長による株価上昇と増配が見込めます。
高配当ETFと債券ETFの資産成長比較
動画では以下のETFを例に資産推移が比較されています。
- 高配当ETF:VYMやSCHD → 株価右肩上がり+増配傾向
- 債券ETF:TLT → 短期では値動きがあるが、長期では横ばい
この比較では、配当+株価の両面で成長する高配当ETFが明らかに資産増加効果が高いとされています。
じゃあ債券は不要?→そんなことはない!
債券にも以下のようなメリットがあります。
- 資産が多く「守り」に入るフェーズでは、価格変動の小さい債券が安定収入源に
- 金融ショック時には債券価格が上昇し、売却益で安くなった株を買い増すチャンスにも
- 利子収入が固定であるため、安定したCFが得られる
投資目的が「守り重視」なら債券も大事な役割を果たします。
実例:配当利回り3%、年7%増配を10年続けた場合
年数 | 年間配当額 | 実質利回り(対初期投資) |
---|---|---|
初年 | 3万円 | 3.0% |
10年後 | 5.9万円 | 5.9% |
- 株価も増配に連動して上昇するため、100万円が約196万円に資産成長
- よって、「10年後に買う」より「今買う」方が圧倒的に有利
投資対象別の推奨ケース
投資対象 | 向いている人 | 理由 |
---|---|---|
高配当株 | 長期で資産形成したい人 | インフレ耐性、増配、株価成長の3拍子揃い |
債券 | 定期収入を安定して得たい人、資産防衛重視の人 | 値動きが少なく、予測可能な利子収入が得られる |
まとめ:目的別で高配当と債券を使い分けよう
- 資産を増やしたいなら高配当株
- 資産を守りたいなら債券
- 両方の特性を理解して組み合わせることが重要
特に定年退職前後の世代や、資産規模が大きくなってくる投資家には、**高配当と債券の「ミックス型ポートフォリオ」**が最適といえるかもしれません。
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