【9433 KDDI】不適切会計による株価下落はどこまで?理論株価から見る「織り込み十分」の水準とは

本記事は、YouTube動画
『【9433 KDDI】不適切会計での株価下がり幅はズバリ!この水準なら織り込み十分で狙っていけ!』
の内容を基に構成しています。


目次

KDDIの決算延期が市場に与えたインパクト

通信大手KDDIが決算発表を延期すると発表したことで、市場では同社株への影響を懸念する声が広がっています。KDDIはこれまで安定株、かつ株主還元に積極的な銘柄として、多くの投資家に保有されてきました。そのため、今回の不適切会計問題がどこまで株価に影響するのかは、特に中長期投資家にとって重要な論点となっています。

本記事では、動画内で解説されている数値や独自モデルを基に、KDDIの不適切会計が企業価値や株価にどの程度の影響を与えるのかを、初心者にも分かりやすく整理していきます。


決算延期に至った不適切会計の概要

KDDIが決算発表を延期した理由は、子会社における売上高の過大計上、いわゆる不適切会計が判明したためです。問題の発覚は先月14日に公表されており、その後、第3四半期決算の発表を予定していた金曜日に、決算の延期が正式に発表されました。

会社側は、第三者委員会の調査報告書を3月末に提出し、その結果とあわせて第3四半期決算を公表する方針を示しています。

不適切会計の内容を整理すると、売上高の取り消し対象は2018年3月期以降の約9年間にわたり、累計で約2460億円に上ります。そのうち、今期分は約680億円です。また、営業利益の過大計上は約500億円で、その半分が今期に該当します。さらに、循環取引により外部へ流出した金額は約330億円とされています。


不適切会計はなぜ発生したのか

今回の問題の中心は、KDDI子会社であるビッグローブおよびGプランにおける広告取引です。広告事業において、複数の会社間で実態のない取引を循環させることで、売上を水増ししていたとされています。

循環取引自体は、グループ内だけで行われていれば帳簿上の数字が膨らむだけですが、外部の広告代理店を介することで、手数料分がグループ外へ流出します。今回の330億円という外部流出額は、この手数料の積み重ねによるものです。

発覚のきっかけは、一部の代理店で支払いが滞ったことでした。もしこの支払い遅延がなければ、問題がさらに長期間見過ごされていた可能性もあり、ガバナンス体制への不安が市場で意識される要因となっています。


決算数字への影響と本業の実態

不適切会計の影響として、今期の利益に対するインパクトは約420億円とされています。内訳は、営業利益の修正分と損失引当金の合計です。

一方で、参考値として公表されている第3四半期決算を見ると、売上高は前年同期比で約4%増、営業利益も約1%増と、本業自体は堅調に推移していることが分かります。つまり、通信事業そのものの競争力や収益基盤が崩れているわけではありません。


過去データから見るKDDIの成長力

動画では、KDDIの過去5年間の売上高、営業利益、純利益の推移が示されています。これらのデータを見ると、KDDIは急成長企業ではないものの、安定的に成長を続けてきた企業であることが確認できます。

特に注目されているのがEPSです。5年前には145円前後だったEPSは、途中で一時的な落ち込みがあったものの、直近では170円近くまで成長しています。この間の年平均成長率は約4.6%と算出されています。

また、ROEは12%から13%台を維持しており、資本効率の面でも良好な水準を保ってきました。


不適切会計を反映したEPS修正の影響

今回の不適切会計による420億円の影響を1株当たり利益に換算すると、EPSは約10円低下する計算になります。これにより、従来想定していた170円前後のEPSを起点とする成長シナリオは修正が必要となります。

動画内のモデルでは、EPSが10円下がった状態から成長を再スタートさせると、年平均成長率は従来の4.6%から約3%程度まで低下すると試算されています。これはかなり保守的な前提ではありますが、ガバナンス不安や信頼回復に時間がかかる可能性を考慮した設定です。


理論株価モデルから見る適正水準

動画では、ディスカウントキャッシュフローの考え方をベースに、理論株価が算出されています。

不適切会計が発覚する前の前提では、EPSが年率4.6%で成長し、その後は成長率0%で永続すると仮定した場合、株価2800円前後はほぼ理論値と一致していました。

一方で、不適切会計を反映し、EPSを10円下げ、成長率を3%に引き下げたシナリオでは、理論株価は約2340円と計算されています。この水準は、過去のレンジ下限である2300円前後と重なります。


株価がどこまで下がれば「織り込み十分」か

以上の分析を踏まえると、今回の不適切会計をかなり保守的に織り込んだ場合の株価水準は2400円前後から2300円台と考えられます。

もし株価が2500円を明確に割り込み、2400円付近まで下落する局面があれば、理論的には今回の悪材料を十分に織り込んだ水準と判断できます。一方で、2700円や2600円程度で下げ止まる場合、市場は成長率の低下をそこまで深刻に見ていない可能性があります。


株主還元という視点からの注意点

KDDIは自社株買いを含めた総還元性向が100%に達しており、非常に株主還元意識の高い企業です。ただし、これは利益の変動がそのまま還元額に影響するという側面も持ちます。

利益が減少した場合、還元余力も同時に低下するため、今回の不適切会計は株主還元面ではネガティブな要素と捉える必要があります。それでも長期的に安定した配当や還元を重視する投資家にとっては、引き続き検討対象となり得る銘柄です。


まとめ:KDDI株はどの水準で検討すべきか

今回のKDDIの不適切会計は、短期的には株価に下押し圧力を与える可能性がありますが、本業の競争力が大きく損なわれたわけではありません。動画内の理論モデルを基にすると、2400円から2300円台は、かなり保守的に悪材料を織り込んだ水準と考えられます。

KDDIを安定株、株主還元目的で中長期保有したい投資家にとっては、どの水準まで下がれば納得して買えるのかを明確にしたうえで、市場の反応を冷静に見極める姿勢が重要です。今回の事案をどう評価するかは投資スタンス次第ですが、理論値を理解したうえで判断することが、後悔の少ない投資につながると言えるでしょう。

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