2025年、日本は本格的に「金利のある世界」に突入します。これまで長く続いた低金利時代とは異なり、金利の上昇が私たちの資産形成や支出に大きな影響を及ぼすことになります。
本記事では、金利上昇の背景と、それに伴って絶対に避けるべき5つの危険な行動について詳しく解説します。
1. なぜ金利上昇が危険なのか?
金利が上昇すると、経済全体に以下のような影響を与えます。
- 企業の業績悪化: 設備投資や開発費用を抑える必要が生じ、景気が停滞する。
- 個人消費の減少: 借入金の利息が増え、支出を控える傾向が強まる。
- 物価への影響: インフレ抑制のための利上げが、結果として景気減速を引き起こす。
- 株価の下落: 企業の利益率が低下し、投資家がリスク資産を手放す。
- 住宅市場への影響: 住宅ローン金利の上昇により、新規購入者が減少。
特に、日本の低金利時代が異常だったことを考えると、金利のある世界への適応が必須です。
2. 絶対にやってはいけない危険な行動5選
① 貯金だけに頼る
一見すると、金利が上昇することで銀行預金の利率も上がるため、預金が有利に思えます。しかし、ここで考慮すべきは「物価上昇率(インフレ率)」との比較です。
- 過去のインフレ率
- 2022年:2.50%
- 2023年:3.27%
- 2024年:2.23%
- 2025年以降:2%以上(IMF予測)
一方、大手銀行(三菱UFJ、三井住友、みずほ)の普通預金金利は 0.2% 程度。つまり、インフレに追いつかず、実質的に資産は目減り します。
例えば、3%のインフレが続くと、 10年後にはお金の価値が約75% になってしまいます。したがって、資産運用を考えなければなりません。
② 変動金利の住宅ローンを放置する
住宅ローン金利は今後上昇すると予測されます。変動金利で借りている場合、金利上昇によって月々の返済額が増え、家計の負担が大きくなります。
【シミュレーション】
- 固定金利 1.76%(35年、4000万円借入): 総返済額 約6,950万円
- 変動金利(0.5% → 6年後1.5% → 11年後2.5%): 総返済額 約7,600万円
- 変動金利(最悪4.5%まで上昇): 総返済額 約9,000万円以上
対策として、以下の点を検討すべきです。
- 固定金利へ借り換え
- 繰り上げ返済を行い、元本を減らす
- 金利の推移を定期的にチェックする
③ 高金利の借金を増やす
金利が上昇すると、消費者金融やクレジットカードのリボ払いの金利も上がります。
【現状の消費者金融の金利】
- 下限金利:3.0%〜4.5%
- 上限金利:17.8%〜18%
例えば、リボ払いで年利15%の借金を100万円した場合、5年間で 約42万円の利息 を支払うことになります。
特に金利が上昇する局面では、借入額を増やすのは危険です。新たな借金をせず、返済計画を見直しましょう。
④ ハイリスク投資に手を出す
金利上昇時には、株式市場や仮想通貨市場が不安定になりやすく、特に短期投資が危険です。
- FXのハイレバレッジ取引
- レバレッジ型投資信託
- 仮想通貨の短期売買
金利が上がると、リスク資産が売られ、価格が乱高下しやすくなります。長期投資の視点で、安定した資産運用を心がけましょう。
⑤ 何もしない
金利上昇が怖いからといって、「何もしない」のも危険です。
【活用すべき資産運用の選択肢】
- 債券投資: 国債や社債など、金利上昇局面では魅力的な投資対象。
- ゴールド: インフレヘッジとしての価値が高まる。
- 新NISA: 長期積立投資に適しており、税制優遇がある。
金利の変化をチャンスと捉え、適切な資産運用を行うことが大切です。
3. 金利のある世界での正しいお金の戦い方
金利上昇局面で資産を守り、増やすための戦略を考えましょう。
【資産運用のポイント】
- 債券投資を活用
- 債券は金利が上昇すると価格が下がるが、利回りは上がる。
- 短期債(1〜3年)を中心に組み入れる。
- 新NISAを活用
- インデックス投資で長期的に資産形成。
- ゴールド投資を検討
- インフレ時のリスクヘッジとして有効。
- 住宅ローンの金利動向を把握
- 金利が急上昇する前に、固定金利への切り替えを検討。
まとめ
2025年以降、金利のある世界に適応するためには、慎重な資産運用が必要です。
絶対に避けるべき5つの危険な行動
- 貯金だけに頼る
- 変動金利の住宅ローンを放置する
- 高金利の借金を増やす
- ハイリスク投資に手を出す
- 何もしない
適切な知識を持ち、金利上昇に備えた行動を取ることで、将来的に資産を守り、増やすことが可能です。
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