2026年の国策投資は「リスクの裏側」に本命がいるのか。トランプ、チャイナリスク、台湾有事、高市政策から有望株を読む

本記事は、YouTube動画『【リスクから考える国策×有望株】トランプ米大統領の2026年/チャイナリスク&台湾有事・高市政策で株価は/商社株・防衛株・半導体株…本命は大型株?│森永康平の注目投資テーマ│後編【森永’s view】』の内容を基に構成しています。

目次

2026年は「テーマが大きいほど、数字で検証する年」になる

動画の後編では、2026年の投資シナリオを「リスクから逆算する」という視点で整理し、どの分野が国策として追い風を受けやすいのか、そして実際に買うならどのような銘柄群が候補になりやすいのかが語られています。

議論の中心は、トランプ政権の政策継続、台湾有事を含むチャイナリスク、そして高市政策を軸にした国内の国策テーマという3本柱です。

印象的なのは、テーマの話は壮大になりがちですが、最終的には決算資料に出てくるKPIで追える領域が多いという指摘です。つまり、雰囲気やニュースの刺激で飛びつくのではなく、数字で検証しながらリスクを抑える投資行動が2026年の鍵になる、というメッセージが全編を貫いています。

2025年は関税とAIが相場を動かしたが、2026年は「同じ話の続き」になりやすい

まず前提として、2025年は関税が大きなテーマになった年だと語られます。

関税そのものだけでなく、迂回輸出を封じるための原産地規制の強化など、いわば「関税を回避しようとする動き」を潰す規制が追加され、もぐら叩きのようにルールが積み上がっていく構図が説明されます。

そして2026年も、これが続く可能性が高いとされます。

理由はシンプルで、トランプ政権の政策が国際取引や為替、企業のサプライチェーンに直接影響するからです。さらに中間選挙の存在もあり、発言や政策の揺れで市場が振り回される前提で構える必要がある、という流れになっています。

一方で、2025年の主役はAI・半導体であり、ソフトバンクグループやアドバンテストのような「ど真ん中銘柄」が注目されたという認識も示されます。ただ、2026年に同じテーマを追うにしても、評価が過熱している部分は慎重に見たいという空気があり、動画後半では「ど真ん中は怖い」という発言につながっていきます。

トランプ2026の核心は「関税強化・減税志向・エネルギー回帰・規制の揺れ」

関税と原産地規制の強化は、企業にとってコストと手間の両面で重い

トランプ2026のポイントとしてまず挙げられるのが、関税強化と原産地規制の強化です。関税が上がると、企業は生産拠点を迂回させて輸出しようとしますが、そこを封じるために「原産地がここならダメ」といった規制が追加される。つまり、単に税率が上がるだけでなく、輸出入の実務やサプライチェーンの組み替えが加速し、企業の負担が増える構図です。

この流れは、貿易関連の企業だけでなく、部品調達や原材料の輸入に依存する企業にも波及します。投資家が企業を見るとき、売上の地域構成だけでなく、調達ルートや代替手段の有無まで意識する必要がある、という後半のチャイナリスクの話にもつながっていきます。

減税志向はドル高にもドル安にもなり得る。カギは「良い金利高」か「悪い金利高」か

次に語られるのが、トランプの減税志向です。減税は「アメリカ人を豊かにしたい」というアメリカファーストの文脈で分かりやすい一方、財政拡大につながりやすいという懸念もあります。

ここで面白いのは、金利と為替の関係が単純ではないという説明です。一般に金利が上がれば高金利通貨が買われてドル高になりやすいと言われます。

しかし、利下げ局面にもかかわらず金利が上がる場合、それは景気が良いからではなく、財政への不安が背景にある可能性がある。その場合は「悪い金利高」であり、むしろドル安につながるのではないか、という見立てが提示されます。

ドル高なら円安になりやすく、輸出企業が有利という発想になります。逆にドル安なら円高で、内需株や輸入関連が有利になるかもしれません。

つまり、同じ金利上昇でもシナリオ次第で投資の選択が真逆になるため、日本の投資家は為替と金利をセットで追う必要がある、という指摘です。

エネルギーは「化石燃料回帰」と「同盟国への回帰」が同時進行する

続いて「世界的な流行」として説明されるのが、化石燃料への回帰です。

バイデン政権期は再エネ・ESGの流れが強かったものの、現実問題としてエネルギー供給の安定が重要になり、トランプ政権では化石燃料を掘って掘って掘りまくれという方向に振れやすいという趣旨です。

もう1つが、エネルギーや重要物資の調達を「自国または同盟国」に寄せる動きです。ロシア産ガスに依存していたドイツが、ウクライナ戦争と制裁で困った事例が引き合いに出され、日本も中国依存のレアアースなどで同じリスクを抱えていると語られます。

サプライチェーンの安全保障が国策として強まると、資源・エネルギー・素材関連への追い風が生まれやすい、という整理です。

規制は緩和も強化も起こる。米国の規制変化が日本企業にどう波及するかが重要

トランプ政権下では、テック企業が規制緩和を期待して「トランプ詣で」をしているという話も出てきます。

一方で、規制が緩む領域があるなら、逆に規制が厳しくなる領域も出てくる。ここは「アメリカで何が規制され、何が緩むのか」を把握し、それが日本のどの業種に影響するかまで考える必要がある、という結論になります。

台湾有事は半導体だけでなく「海上輸送」と「輸出管理強化」が本丸になり得る

台湾有事が現実味を帯びるほど、半導体の多拠点化は加速する

台湾が中国に狙われる理由として、現在は半導体が最大の焦点であると語られます。

米国がアジアの国を守ろうとする理由の1つも、台湾の半導体技術が中国に掌握されると米国のテック産業に致命的だから、という説明です。

そのヘッジとして、日本ではTSMCの熊本進出やラピダスの強化が進むとされます。

半導体を国内で作れる体制を整えることが、地政学リスク対応として後押しされる、という流れです。ただし台湾側は「最先端は出したくない」という本音もあり、どこまで技術を移転するかは外交と交渉のバランスになる、という現実的な視点も加えられます。

なぜ台湾有事が日本有事と言われるのか。答えはシーレーンと海上輸送の遮断リスク

台湾有事が起きても、直接東京にミサイルが飛ぶとは限らない。それでも日本有事になるのは、海上輸送が止まると日本は輸入に依存しているため経済が機能不全になり得るからだ、という説明がされます。

ここでは海運の話が出てきます。保険料が上がってコストが増す可能性もあれば、迂回ルートが必要になって逆に儲かる可能性もある。

つまり、同じニュースでも企業によって打撃にも追い風にもなり得るため、シナリオを複数持ちながら企業の立ち位置を見ることが重要だという論点です。

中国の「輸出管理強化」は外交カードとして機能し、日本の産業に直接刺さる

台湾有事の延長線で、チャイナリスクとして語られるのが輸出管理強化です。

レアアースを出さない、という分かりやすいカードだけでなく、肥料など農業分野でも中国依存があるため、供給が止まれば食料生産にも響き得るという指摘が出ます。

これは「米の値段が上がる」といった話ではなく、農業の基盤が揺らぐ可能性があるという意味で、経済への影響が大きいという文脈です。

また、企業の中国リスクは「中国で売上を上げているか」だけではありません。

部品を中国から輸入しているか、代替調達ルートがあるか、どの程度の影響で収まるか。最近は決算説明会でそのあたりを語る企業も増えているため、投資家は耳を大きくして聞いてほしい、という助言につながります。

経済安全保障は前倒しされ、防衛・サイバー・宇宙・国内供給の国策が強まる

仮に軍事的緊張が高まれば、経済安全保障の対策は前倒しになる可能性があるとされます。軍事費増額だけでなく、防衛関連、サイバーセキュリティ、宇宙開発、そして国内で供給できる体制づくりが国策として加速する。ここで「国策に売りなし」という言葉が再び出てくるのが象徴的です。

さらにレアアースについては、深海からの採掘といった海洋資源のプロジェクトが動き始める可能性が触れられます。ど真ん中の採掘企業だけでなく、掘削機器など周辺企業にも関連銘柄があり得る、という視点が提示されます。

-高市政策は「半導体エコシステム」「原発・電力」「通信・サイバー」「規制と還元」で読み解く

半導体は「工場ができれば終わり」ではなく、町ごと儲かるエコシステムになる

高市政策の文脈では、国策として半導体が強いテーマであり、ラピダスが象徴として挙げられます。ただし重要なのは、半導体を雑に一括りにせず、前工程・後工程、装置、素材、人材育成など、産業の連なりとして見ることです。

さらに、半導体工場ができると周辺産業も儲かるという話が具体例で語られます。熊本のTSMC工場進出が呼び水となり、地元銀行の融資需要が増え、九州の他の銀行と共同融資をするケースが出ているという例です。つまり、半導体関連だけでなく金融などにも波及し、エコシステムとして地域経済が動く。投資家はこの連鎖まで想像して銘柄選定の幅を広げる必要がある、という結論になります。

きれいごとでは電力を賄えない。原発と送電インフラが再評価される

次に出てくるのが電力です。2025年の電力株の動きはAI文脈もあったが、日本固有の事情として、再エネ一辺倒では供給とコストの現実に耐えにくいという問題があります。その結果、原発再稼働の議論が進む可能性があるという趣旨です。

加えて、HVDCと呼ばれる高電圧直流送電が注目される可能性も示されます。ここはマニアックだが、インフラ投資や電力網整備の流れが強まるなら関連銘柄の候補になり得る、という位置づけです。

通信とサイバーは表裏一体。国策としての投資対象になり得る

現代社会はDXだAIだと言われますが、結局は通信インフラがなければ成り立たない、という話がされます。実際にケーブル関連で株価が動いた例も触れられます。

そして高市色として強いのがサイバーセキュリティです。

企業がサイバー障害で業績に打撃を受ける例もあり、国策としてセキュリティ投資が進む可能性が語られます。さらに政治・行政の領域ではガバメントクラウドが話題になり、クラウド基盤を海外依存にしてよいのかという議論から、国内ベンダーや国内データセンター関連が国策テーマになるかもしれない、という見立ても示されます。桜インターネットのような銘柄名が連想されるのも、この文脈です。

規制と還元の両輪。逆風銘柄か追い風銘柄かを見極める

高市政策は規制を強める部分もあれば、還元する部分もあると整理されます。

例えばガソリン暫定税率の廃止や年収の壁の引き上げなど、家計に還元する政策が話題になります。一方で、規制が強まる領域も出てくるため、自分が持つ銘柄がどちら側にいるのかを常に点検する必要がある、というまとめになっています。

さらに政治の世界は「机の上で握手しつつ、机の下で蹴り合っている」という比喩で説明され、連立の組み替えなども含め、政策が固定されていると思い込まない姿勢が重要だと語られます。維新と組んでいても未来永劫続くとは限らず、別の政党との連携が強まる可能性もある。

投資家は日々のニュースを政策の変化として追う必要がある、という現実的な結論です。

-2026年に狙うのは「ど真ん中」より「実物資産と現物の強さ」か

動画の終盤で印象的なのが、あるファンドマネージャーとの雑談の話です。2026年に来るのは結局2025年と同じではないか、という感覚が共有されます。AI・半導体はオーバーバリュー気味で怖い。ただ、だからといって全く新しいテーマに大きく資金を振るのも怖い。

その結果として浮上するのが、実物資産やコモディティに近い領域を持つ企業、エネルギー、そして実際に物を作れる企業の強さです。具体的な銘柄例として、三菱商事、関西電力、INPEX、東京エレクトロンといった大型株が挙げられます。派手さはないかもしれないが、現物の強さがあるという評価です。

また、ソフトバンクグループのような投資会社は「何かを作っているわけではない」という見方が示され、ど真ん中のストーリー銘柄は怖いという感覚が語られます。結局、2026年も大型主導の相場になるのではないか、という着地になっています。

利確はルール化しないと欲に負ける。経験則として「含み益に意味はない」

最後の雑談パートでは、利確の難しさが語られます。損切りはルール化すれば誰でもできるが、利確は欲が出て先延ばしになりがちで、結果的に利益を失う経験を何度もしてきたという話です。

ここで出てくるのが目標株価の設定です。目標株価に近づいたら一度利確し、さらに上がるならまた買い直す。含み益は確定しない限り幻だという感覚が、経験則として共有されます。2026年はボラティリティが高くなる可能性があるという文脈とも重なり、行動ルールを先に決めておく重要性が補強されます。

まとめ:2026年は国策テーマを「数字で測り、KPIで外さない」年にする

動画後編の結論は、2026年の投資テーマは大きく見えるが、実はKPIで管理できる領域が多いという点に集約されます。トランプ政策は関税と規制、減税による財政と金利、ドル高かドル安かという為替シナリオに直結し、台湾有事とチャイナリスクは半導体の多拠点化、シーレーン、輸出管理強化として日本経済に刺さり得ます。高市政策は半導体エコシステム、電力と原発、通信とサイバー、規制と還元の両輪として国策テーマを形成しやすい構図です。

ただし、テーマに酔って雰囲気で買うと高値掴みになりやすい。だからこそ、決算説明会資料やKPIを追い、四半期ごとの進捗を確認しながら、リスクを抑えて積み上げる投資が求められます。2026年は、壮大な物語を語る年であると同時に、細かな数字を確認して外さない年でもある。動画はその現実的な姿勢を、国策と有望株の両面から示していました。

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