2026年は「耐える投資」が合言葉に|米国株ブームの変化兆候とオルカン一本の落とし穴を整理する

本記事は、YouTube動画『【2026年は耐える投資】米株ブームに変化の兆し?マネックス証券・執行役員に学ぶ資産運用の論点/期待から実力への転換期/EXITりんたろー。も戦々恐々…オルカン一本のリスク【マネースキルセット】』の内容を基に構成しています。

目次

2026年は「当てにいく」より「耐える」年になるのか

2026年の相場をひとことで言うなら何か。

番組の結論は意外にも「予測ではなく、耐える」でした。上がるか下がるかを当てにいくのではなく、上下に振れても壊れない運用設計を優先する。そんな姿勢が必要な年ではないか、という問題提起です。

トークの出発点には、視聴者側の実感があります。

米国株は強い、特にAI関連が盛り上がっている。しかし個別株は急に下がる。例えばNVidiaのような銘柄も、好調と言われた直後に値動きが荒くなる。こうした局面では「いつ売ればいいのか」「どこで利確するのか」が分からず、運用が感覚頼みになりやすい。

番組では、まさにその“分からなさ”を出発点にして、相場の現在地と、崩れにくい考え方を整理していきます。

ゲストは、マネックス証券の執行役員で投資戦略・ポートフォリオ分析の経験を持つ塚本氏。議論は「米国株ブームの現在地」「運用を始める前に知るべきこと」「ポートフォリオ構築と運用設計」という3本柱で進みます。

なぜ資産運用ブームが加速したのか

動画の前半で強調されるのは、新NISAの存在とインフレ環境の変化です。ただし、新NISAは「これをやれば投資がうまくいく」という魔法ではなく、税制上のメリットによって運用を後押しする制度に過ぎない、という整理が入ります。

制度を使うことと、成果が出ることは同義ではありません。

それでも運用への関心が高まる背景として、番組は「インフレ時代の到来」を挙げます。物価が上がるということは、現金の価値が相対的に下がるということです。ここで示される例が分かりやすいです。

日本で物価が前年より約3%上昇する状態が続くと、モノの値段は何年で倍になるのか。

答えは約24年です。つまり、24年かけてお金の価値は半分になり得る、という見立てになります。さらに「72の法則」が紹介され、年率3%なら「72÷3=24年」、年率6%なら「72÷6=12年」で倍になる、という目安が共有されます。

この流れの中で、デフレ環境では「現金で持っていれば実質的に価値が落ちにくかった」が、インフレ環境では「現金だけだと実質的な購買力が落ちていく」可能性が高まる、という転換点が語られます。

だからこそ株式などの運用がインフレ対策として語られやすい、という位置づけです。

米国株ブームの「現在地」をどう捉えるか

運用ブームの中身は「制度」と「環境」に支えられている

番組では、資産運用ブームは確かに起きているが、その理由は「投資が簡単になったから」だけではないと整理します。新NISAのような制度面の追い風に加えて、インフレ環境が「現金より運用」という意識を強めている。

さらに米国株も日本株もパフォーマンスが良かったことで、成功体験が生まれやすい。この複数の要因が重なり、ブームと呼べる状態になっている、という見立てです。

米国株は“業績”という土台の上に“期待”が乗る

株価は「業績×期待」で作られる、という説明が出ます。

これを国全体に置き換えると、業績に相当するものとして名目GDP(国内総生産)を見立て、米国株と名目GDPの関係を見ると、GDPの成長という土台の周りを株価が上下しているように見える、という話になります。

過去の局面として、2000年のITバブルでは期待が先行し、その後に大きな調整があった。2009年ごろの世界的金融危機の時期には、逆に株価が大きく下振れし、その後に回復した。つまり期待は上にも下にも振れ、株価は“土台”に対して行き過ぎたり、冷え込んだりする、というイメージです。

そして「今はどうか」という問いに対し、今はこの尺度でも期待が先行している可能性が否めない、バブルっぽさがある、という見方が示されます。ここが「2026年は耐える」の出発点になっています。

PERだけでなくCAPEで“割高感”を捉える:現在は低くない水準

もう1つの論点として、PER(株価収益率)が扱われます。株価は「EPS(1株当たり利益)×PER」で説明でき、PERが20倍なら利益の20年分、30倍なら利益の30年分に相当する価格が付いている、という基本が共有されます。

ただし通常のPERは景気循環の影響を受けやすい。

景気が良く利益が大きいとPERが低く見え、景気が悪く利益が小さいとPERが高く見える、というブレが出ます。そこで紹介されるのがCAPE(景気循環調整後PER)です。CAPEは利益の10年平均を使うことで景気の波をならし、より長期の割高・割安感を捉えやすい、という説明です。

このCAPEを見ると、現在はおおむね35〜40程度のレンジにあり、過去により高かった局面(例として2022年)があった一方、長期平均の目安としては20程度が中心に見える、と語られます。そこから「今は安くはない」という評価につながります。

ただし、ここで重要なのは「高い=天井が確定」という断定ではありません。

2000年を超えない理由はないし、50倍に行っても市場が受け入れればそれはそれで成立する。つまり、バブルを事前に当てて降りるのは難しく、音楽が鳴っている間は踊り続けるしかない、というたとえも出てきます。

問題は、音楽が止まった瞬間に降りられないことです。この“降りられなさ”を前提に、どう設計して耐えるかが後半のテーマに接続します。

2000年と違う点:AI銘柄は「業績がしっかりしている」

AIブームを語る際、番組は2000年との違いにも触れます。ドットコムバブルでは赤字のスタートアップが多かったのに対し、今のAI関連企業は業績が比較的しっかりしている。だから同じ轍を踏まない可能性もある、という含みが示されます。

それでも「熱狂が行き過ぎる」局面はあり得る。そこで次に出てくるのが、技術の普及における“期待のサイクル”です。

ガートナーの「ハイプ・サイクル」:熱狂の後に“幻滅期”が来る

新技術には期待の波があるとして、ガートナーのハイプ・サイクルが紹介されます。

縦軸が期待、横軸が時間で、新技術が登場すると一気に盛り上がり、過剰な期待がピークに達した後、幻滅期(厳滅期)を経て、回復・安定・普及に向かう、という曲線です。

ポイントは、「最終的に普及する可能性が高い技術でも、その途中で熱狂がしぼみ、評価が落ち込む時期が来やすい」という点です。制度や既存システム、ルールといった障害もあり、期待が一気に現実へ置き換わるわけではない。株価は特に期待の増幅装置になりやすく、その分だけ“幻滅期”の値動きも大きくなり得る、という含意です。

そしてここから「2026年は耐える」に結びつきます。

もし投資期間が長く、最終的に普及する未来を信じるなら、幻滅期に買い増すという戦略も成立する。しかし、ピーク付近で極端に偏ったポジションを取っていると、幻滅期の下落が致命傷になり得る。だから“波がある”こと自体を前提に、配分や運用期間を設計すべきだ、という話になります。

オルカン一本のリスクと「米国一強」の揺らぎ

米国は世界経済の約3割でも、株式市場では約6割超という偏り

番組が強調するのは、「世界株=分散」というイメージの落とし穴です。

米国経済の規模は世界の約3割程度でも、世界株式市場における米国の比率は約6割超と説明されます。

つまり、世界株に投資しているつもりでも、実態として米国比重が非常に大きく、米国株と世界株が似た動きになりやすい、という指摘です。テクノロジーセクターの比率が大きいことも相まって、分散のつもりが「米国+テック」に寄ってしまう構造がある、という論点です。

この流れの中で、オルカン(全世界株式)の話題が出ます。「分散はされているが、それでも米国が大半を占めてしまう」という問題意識が示され、タイトルにある「オルカン一本のリスク」は、まさにこの“見かけの分散”を指していると言えます。

グローバル化の頭打ち、関税、外貨準備のドル比率低下が示すもの

米国株優位が今後も続くのか、という論点として、いくつかのマクロの変化が紹介されます。

1つは関税です。米国が他国に関税をかける動きがあり、平均関税率が上昇しているという話が出ます。

もう1つは世界経済に占める貿易の割合で、金融危機以降、上昇トレンドが頭打ちになり、グローバル化が見えにくくなっている、保護主義的な状況が強まっている、という見立てが示されます。

さらに、各国の外貨準備における通貨構成では、ドル比率が長期的に徐々に低下しているという指摘があり、ドル以外の資産へ分散する動きが見られる象徴例として金が挙げられます。ここは番組内でも、以前の回で金を取り上げた流れとつながる場面です。

「米国株優位」と「ドル高」は連動してきたが、反転の可能性もある

もう1段踏み込んで、米国株の世界株に対する相対パフォーマンスとドルの強弱が、似た動きで推移してきたというチャートの説明が入ります。リーマンショック後(2010年前後以降)は米国が優位で、同時にドルも強い局面だった。

しかし2000年代前半には逆の動きもあった。ここにサイクル性が見えるので、米国株より世界株が優位になる局面、ドル高の巻き戻しが起きる局面があってもおかしくない、という“定性的な感覚”が語られます。

この結論は、「米国が悪い」という主張ではなく、「米国一辺倒が絶対に正しいと決め打ちしない」ための論点整理です。だからこそ、タイトルの通り2026年は“耐える投資”が重要になる、という話につながります。

債券という選択肢が戻ってきた理由

株式と債券の比較として、「株の利回り」と「債券金利」の差を見る考え方が紹介されます。そして番組内の説明では、その差が現在ほぼ0に近い、つまり株式と債券が同程度の利回りになっている、という状況が示されます。

ここから導かれる直感はシンプルです。

株は価格変動が大きい一方、債券は(基本的には)利回りが決まっていて相対的にブレが小さい。同じリターン水準なら、大きくリスクを取って株で狙うのか、より安全性を重視して債券で取りに行くのか、選択の意味合いが変わる。

リーマンショック後の超低金利環境では債券の金利がほとんどなく、株式へ資金が向かいやすかった。しかしインフレ時代の到来と金利上昇によって、債券の魅力が増してきた、という整理です。

もちろん、番組は「株はダメ」とは言いません。

債券はどれだけ背伸びしてもリターンが限定される一方、株は振れ幅の中でより大きなリターンを狙える可能性がある。最終的には「高いリターンを得るためにはリスクを取らないといけない」という原則に戻り、どのリスクを取り、どのリスクを避けるのかが運用設計だ、という結論へ向かいます。

まとめ

2026年は「期待から実力」への答え合わせ、だから“設計して耐える”

動画全体を通じて浮かび上がるのは、2026年を「予測で勝ちにいく年」として捉えるより、「波が来ても壊れない設計を先に作る年」として捉えた方が合理的ではないか、という視点です。

米国株は強く、AI関連は業績も比較的しっかりしているため、2000年と同じ結末になるとは限りません。

一方で、CAPEなどの指標からは割安とは言いにくく、期待が先行している可能性も残ります。新技術にはハイプ・サイクルがあり、熱狂の後に幻滅期が来ることも珍しくありません。さらに、関税やグローバル化の頭打ち、外貨準備におけるドル比率の低下といった論点は、米国一強・ドル高のトレンドが反転してもおかしくない、という“可能性”を示します。

そのとき、オルカン一本で「分散しているつもり」になっていると、実は米国比重が大きいという構造上のリスクを抱え続けることになります。また、金利が上がる世界では債券の魅力も戻り、株と債券の役割分担を改めて考える局面に入っています。

だからこそ、番組が掲げたキーワードが「耐える投資」です。どこが天井かを当てるのではなく、下がっても運用を継続できる配分、投資期間、利確ルールを設計する。2026年は、その“設計の差”が結果に表れやすい転換期として捉えるべきだ、というのが本動画の要点です。

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