本記事は、YouTube動画『【株安】2026年の相場見通し』の内容を基に構成しています。
2026年の相場について、動画はかなりはっきりした見立てを示しています。キーワードは「中間選挙の年は株価が伸び悩みやすい」「失業率の上昇は景気後退のサインになりやすい」「利下げが進んでも株は下がり得る」「ドル円は円高方向」「金は長期有望だが短期は急落リスク」「ビットコインは最大80%下落も覚悟」といったものです。
結論から言うと、動画の主張は、2026年は米国株が弱気相場入りし、下落は2027年まで続く可能性がある、というかなり強い弱気シナリオです。
ただし、単に悲観して終わりではなく、いつ、どの資産が、どう動きやすいか、そして個人投資家がどう備えるべきかまで含めて整理されています。
以下、動画の内容をできるだけ削らず、初心者にも分かるように噛み砕いてまとめます。
1. 中間選挙の年はなぜ株が弱いのか:大統領サイクルの統計
動画の冒頭では、米国株の季節性として有名な「大統領サイクル」に触れます。4年周期の中で株価が伸び悩みやすいのが中間選挙の年だ、という主張です。
1950年から2025年までの76年間を振り返ると、年ごとの平均リターンは以下の通りだと説明されています。
- 選挙の翌年はプラス8.3%
- 中間選挙の年はプラス4.6%
- 選挙の前年はプラス17.2%
- 選挙の年はプラス8.1%
さらに、1年を通して株高になる確率も示されます。
- 選挙の翌年が63%
- 中間選挙の年が58%
- 選挙の前年が89%
- 選挙の年が84%
このデータから動画は、中間選挙の年は特段悪い傾向がある、と結論づけています。
では、なぜそうなるのか。説明は政治の行動パターンにあります。
政権与党は任期の前半に国民に嫌われやすい政策を実施し、後半は大統領選を意識して減税や規制緩和など支持されやすい政策を打ち出す傾向がある。だから、選挙前年は期待で買われやすい一方、中間選挙の年は失望で売られやすい、というロジックです。
2. 失業率が上がり始めると景気後退に入りやすい:負のスパイラルの説明
動画が2026年を弱気に見る最大の根拠の1つが「労働市場」です。足元で失業率がじわじわ上がり始めていることを重視しています。
過去の傾向として、失業率は一度上がり始めると景気後退まで上がり続ける傾向がある、と述べています。その理由は、失業者が増えると個人消費が冷え込む。消費が弱ると企業業績が悪化し、株価が下がる。株価が下がると企業は採用を控え、さらに失業が増える。こうして負のスパイラルに入りやすい、という説明です。
この流れを前提に、2026年は景気後退を伴う株安が予想される、というのが動画の立場です。
3. 2026年の株価の季節パターン:1月弱く、秋に急落、年末反発
動画は、中間選挙の年にありがちな月別の傾向も整理しています。
1月は株安になりやすい
2月と3月は短期反発が期待できる
4月以降は株安が続き、9月か10月頃に急落
その後、年末にかけて大きく反発しやすい
つまり、年末まで一直線に下げ続けるというより、途中に反発はあるが、基本は秋まで弱い、というイメージです。ここは投資判断に直結しやすい部分です。なぜなら、多くの個人投資家は「どの資産を買うか」より「いつ買うか」で損益が大きく変わることがあるからです。
4. 米国株だけでなく欧州株、新興国株も弱いが、下げ方は違う
動画は、米国株が弱いなら他地域に逃げればよい、と単純には言いません。欧州株や新興国株も同様の展開になり得るが、下げ幅は米国株ほど大きくない、と述べます。
理由は、長年、欧州株や新興国株が投資家に忘れられていたため、ポートフォリオへの組み入れが少なく、売り圧力が弱いから、という説明です。
また、新興国株の中でも差が出る可能性を指摘します。昨年はラテンアメリカが買われた一方、インド、インドネシア、フィリピンが軟調だった。こうした「出遅れ・不人気」だった地域は底堅く推移する可能性がある、という見立てです。
この部分は、今後が国際分散投資の時代になる、という後半の主張につながっていきます。
5. 長期国債ETF(TLT)は利下げでもすぐ上がらない:円キャリー巻き戻しの話
株が弱いなら債券では、という発想は自然です。動画でも、TLTなどの米国長期国債ETFに注目が集まっていることに触れます。
ただし結論は、秋以降に瞬間的に上昇する局面はあるかもしれないが、それまでは軟調、というものです。
ここで動画が出してくる重要な論点が「円キャリートレードの巻き戻し」です。仕組みはこうです。
世界の機関投資家は金利の低い円を借りて、利回りの高い米国債などに投資してきた
しかし借りた円は返さなければならない
米国が利下げして米国債の魅力が落ちるなら、米国債を売って円を買い戻す必要が出る
その結果、米国債が売られて長期債価格が下がりやすい
つまり、利下げは本来債券に追い風だが、その前にキャリーの巻き戻しがあると、債券が先に売られる局面が起こり得る、という整理です。
その上で、株式市場が急落した後には安全資産として国債に見直し買いが入りやすいので、TLTを狙うなら株の急落が起きやすい秋以降がよい、というタイミング論に落とし込んでいます。
6. ドル円は円高へ:ターゲットは1ドル139.89円
為替について動画は明確です。ドル円は円高方向に動き、ターゲットとして2025年4月の安値1ドル139.89円を挙げています。
理由は、景気後退を背景に、市場予想を上回る利下げが実施されると見ているからです。動画では、FRBが6回から8回分の追加利下げを実施すると予想しています。これはFRBが1回、市場参加者が2回を予想しているという前提に比べると少数派の見方だ、と語られます。
また、為替は2国間の金利差に影響されやすい。米国の政策金利が大幅に下がる一方で、日本の政策金利が上がるなら、ドルが売られて円が買われるのが自然、というロジックです。
そして、円安が加速して日本円の信用が失墜し、トルコリラやアルゼンチンペソのようになる、という見方については、その可能性は低いとしています。
7. 金は長期有望だが、短期は急落リスクもある
金については、基本はドル安が進むなら金は強くなりやすい、という王道の整理です。ドルと金が逆相関になりやすいという関係から、ドル安見通しなら金は有望に見える。
しかし動画は、金はすでに大きく買われていて加熱感がある点を重視します。月足チャートで上昇トレンドの一服、あるいは下落トレンド転換を示唆する上影陽線が出ているため、ドル安でも金が急落する可能性がある、と述べています。
つまり、長期では有望だが、2026年の1年に限っては楽観しすぎない、というスタンスです。
さらにドル指数について、10年弱で上昇と下落を交互に繰り返す傾向があり、2022年を起点に下落トレンドが始まったなら2030年頃までドル安基調が続く可能性がある、とも述べています。そうなら金は長期的には有望、という結論に再接続します。
8. ビットコインは最大80%下落も:10月から12月頃に底打ち予想
暗号資産についてはかなり厳しめです。ビットコインは長期上昇トレンドと50週移動平均線を割り込んでいる。さらに、半減期の4年サイクルの中で最もパフォーマンスが悪い年に当たる、という説明です。
過去の半減期の翌々年を見ると、2022年は最大78%安、2018年は最大84%安だった。だから今回も同程度の下げを覚悟すべきで、底打ちは10月から12月頃を予想する、という主張です。
株の急落タイミングと同じく、秋から年末が重要な時期だ、という話がここでも繰り返されます。
9. AIバブルは終わったのか:言葉の定義を変えているという説明
動画の中盤にはQ&Aが入り、AIバブルに関する質問に答えています。ここは投資家心理の整理として役に立ちます。
- 本人はAIバブルは終わったと考えている
- ただしS&P500が最高値圏にあるので、相場としては終わっていないと言える
- つまり「何を基準に終わったと言うか」で言葉の使い方が変わる
そしてAI投資が過剰である根拠として、OpenAIの2025年通年予想売上が130億ドル程度なのに対し、ハイパースケーラーのAIデータセンター投資が2030年までに累計4兆ドルと大きすぎる、という数字が示されます。投資遅延、縮小、撤回が起きてもおかしくない。
学習用半導体から推論用半導体へ需要がシフトし競争激化で収益性が低下し得る。こうしたシナリオをいつ相場が織り込むかは時間の問題で、NVIDIAやMicrosoftの株価が7月以降横ばいであることも踏まえると、AIバブルは終わっている、という主張です。
ただし、指数が高値圏で推移している以上、相場の言葉としては終わっていないとも言える。ここは、言葉の定義と相場の見方の違いを意識させるパートになっています。
10. 超大型IPOは株高の保証にならない:2008年ビザの例
SpaceXが上場するなら株高確約では、という質問に対しても、動画は否定的です。
SpaceX、OpenAI、Anthropicが上場する可能性がある
目標時価総額はそれぞれ8000億ドル、5000億ドル、3500億ドル
合計で1兆0000億ドル規模
ただし、超大型IPOが来ると機関投資家は現金を作る必要があり、既存株、特にマグニフィセント7が売られる可能性がある。相場環境が良ければ吸収できるが、悪ければ不安定化し、IPO自体が棚上げになる可能性もある。
さらに過去例として、2008年にビザがIPO後に急騰したが、その後金融危機で5ヶ月で63%暴落した、という事例を挙げ、IPOが株高の保証ではない、と結論づけています。
11. 最終結論:米国株は弱気相場入り、最大50%下落、現金比率を上げる
動画の終盤のアップデートが最も強いメッセージです。
- 2026年の米経済は労働市場の急激な悪化を背景に景気後退
- FRBは6回から8回分の追加利下げ
- 利下げサイクルが本格化する中で米国株は弱気相場入り
- 底打ちは2027年3月を予想。ただし2027年10月までずれ込む可能性もある
- S&P500の最大下落率は50%、円建てでは60%を予想
- 個人投資家は将来の下落に備えて現金比率を高めるべきで、本人は50%まで引き上げている
そして欧州株、新興国株も連れ安はあるが、米国株より売り圧力が弱いため、2026年の夏頃に底打ちを予想する、と述べます。
また、長期の大局観として、2026年から2040年頃にかけてS&P500の年平均リターンは1桁台前半にとどまる一方、欧州株、新興国株、コモディティ、暗号資産などが相対的に高いパフォーマンスになり、次の時代は国際分散投資の時代になる、という見通しで締めています。
まとめ:2026年はタイミングの年、備えの年
動画全体を通すと、2026年は一言でいえば、早く買う年ではなく、備える年、タイミングを待つ年という描き方です。
- 中間選挙の統計的な弱さ
- 失業率上昇から景気後退に入りやすい構造
- 春の反発を挟みつつ、秋に急落しやすい季節性
- 利下げでも債券がすぐ上がらないかもしれない円キャリー巻き戻し
- ドル円は円高方向、金は長期有望だが短期は急落も
- ビットコインは最大80%下落も覚悟
これらを前提に、本人は現金比率50%まで上げている、というのが具体的な行動の提示です。
この動画の見立てを採用するかどうかは別として、相場の下落局面では「何を買うか」だけでなく「いつ、どの順番で資産が動きやすいか」を整理しておくことが重要だ、という点は多くの個人投資家にとって参考になる部分だと言えます。


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