本記事は、YouTube動画『【為替介入でも円安は止まらない】佐々木融×木野内栄治/2026年、1ドル=165円へ/日銀利上げは2回、FRB利下げは1回/為替介入で株は下がる/円安とインフレで日経平均15万円へ【マーケット超分析】』の内容を基に構成しています。
2026年の金融市場を考えるうえで、最大の焦点の1つがドル円相場です。動画では、2026年中に1ドル=165円近辺まで円安が進む可能性が示される一方で、たとえ為替介入が行われても、円安の大きな流れそのものは止まりにくいという見方が語られていました。
さらに興味深いのは、円安が日本経済にとって単純に悪い話だけではないという点です。生活者にとっては物価上昇という重い負担になりますが、企業業績や株価という面では追い風になりやすく、長期的には日経平均が15万円に到達する可能性まで議論されていました。
この記事では、動画の内容を初心者にも分かりやすいように整理しながら、なぜ円安が止まりにくいのか、日銀とFRBの金融政策はどう影響するのか、為替介入が株式市場にどのような影響を与えるのか、そして円安とインフレが日本株を押し上げる仕組みまで、順を追って丁寧に解説します。
2026年のドル円相場で注目すべき4つのポイント
動画では、2026年のドル円相場を見るうえで重要なテーマとして、大きく4つの要素が挙げられていました。具体的には、イラン情勢、日銀の利上げ、FRBの利下げ、そして為替介入です。
この4つはそれぞれ独立しているように見えて、実際には密接につながっています。中東情勢が悪化すれば原油価格が上がり、日本の輸入額が増え、貿易赤字が拡大しやすくなります。そうなると円が売られやすくなります。さらに、日銀が十分に利上げできない一方で、米国の利下げが思ったほど進まなければ、日米金利差は大きく縮まりません。その結果、円安圧力が残り続けます。
このように、2026年の円安は単に投機的な動きや一時的な材料だけで起きるものではなく、エネルギー価格、地政学リスク、金融政策、資本の流れといった複数の要因が重なって進む可能性がある、というのが動画全体の基本的な見立てでした。
イラン情勢と原油高が円安を加速させる理由
まず大きなテーマとして語られていたのが、イラン情勢と原油価格の関係です。動画では、中東情勢の悪化によってドバイ原油やオマーン原油の価格が大きく上昇していることが指摘されていました。
ここで重要なのは、原油価格をドル建てで見るだけでは不十分だという点です。日本が実際に負担するのは円建ての輸入価格です。仮にドル建て原油価格が過去の高値圏と同じ水準だとしても、ドル円が106円だった2008年と、159円前後まで円安が進んだ現在とでは、日本が支払う円ベースの負担は大きく異なります。つまり、原油高と円安が同時に進むと、日本にとっては二重の打撃になります。
動画では、このまま高水準の原油価格が続けば、日本の原油輸入額が年間20兆円規模に膨らむ可能性があると語られていました。過去最高だった2008年の約16兆円を上回る水準であり、貿易赤字の拡大要因として非常に重い数字です。
また、ガソリン価格への影響も無視できません。補助金がなければ、1Lあたり220円程度まで上がるイメージが示されていました。ガソリン代の上昇は家計に直結するだけでなく、物流コストや生産コストの上昇を通じて、食品や日用品など幅広い物価上昇につながります。つまり、原油高は日本にとって輸入額増加とインフレ加速の両面から円安要因になりやすいのです。
ホルムズ海峡リスクが日本経済に与える影響
動画では、ホルムズ海峡の問題にも触れられていました。日本は中東からのエネルギー輸入への依存度が高く、ホルムズ海峡を通る輸送が滞ると、原油や天然ガスの調達に大きな支障が出ます。
仮に船が十分に入ってこない状況が続けば、日本は備蓄の取り崩しに頼らざるを得ません。しかし備蓄にも限界があり、長期化すれば供給不安そのものが現実味を帯びてきます。市場はこうしたリスクを先回りして織り込むため、実際に供給が止まる前から原油価格が上昇し、円安圧力が強まる可能性があります。
天然ガスについても、現時点では2022年ほどの急騰ではないものの、じわじわ上昇していると説明されていました。エネルギー市場は一度不安が高まると、原油だけでなくLNGなど他のエネルギー価格にも波及しやすいため、今後の物価と為替の両方を見るうえで非常に重要なポイントです。
日銀は2026年に何回利上げできるのか
次に大きな焦点となるのが、日本銀行の利上げです。動画では、市場が2026年中に2回程度の利上げをある程度織り込んでいるとの見方が示されていました。一方で、その利上げが本当に予定通り実行できるかどうかはかなり不透明だとされています。
その理由の1つが、先ほど見た中東情勢やエネルギー価格の上昇です。景気の先行き不透明感が強まると、日銀は利上げに慎重になりやすくなります。企業や家計への負担が大きい局面で、金融引き締めを急ぐことは難しいためです。
しかし、もし市場が期待しているほど利上げができなければ、それ自体が円安材料になります。市場はすでに「ある程度は日銀が動くはずだ」と考えているため、実際の利上げ回数がそれを下回れば、失望から円が売られやすくなります。
利上げしても円高にならないという考え方
ここで動画の中で特に印象的だったのは、「日銀が2回利上げしても、それだけで円高トレンドには変わらないだろう」という見方です。
その理由は、実質金利にあります。実質金利とは、名目金利からインフレ率を差し引いたものです。仮に政策金利が1.25%になったとしても、インフレ率が2%を上回っていれば、実質金利は依然としてマイナスです。つまり、円を持っていても実質的には資産価値が目減りする状態が続きます。
投資家は、価値が減りやすい通貨を積極的には持ちたがりません。そのため、少し利上げした程度では円の魅力が大きく改善せず、円安の流れを根本的に変えるのは難しいというわけです。
FRBの利下げが進まないと円安はさらに止まりにくい
一方、米国の金融政策もドル円相場に大きな影響を与えます。動画では、当初市場が想定していたよりもFRBの利下げ期待が後退しており、2026年中の利下げは1回程度にとどまる可能性があると説明されていました。
これは円安にとって重要です。なぜなら、円安が進んだ大きな背景には日米金利差があるからです。米国の金利が高く、日本の金利が低いと、投資家はより高い利回りを求めてドルを買いやすくなります。もしFRBが何度も利下げをすれば、この金利差は縮まり、円高方向への圧力が強まる可能性があります。しかし、利下げが1回程度にとどまれば、金利差はなお大きく残ります。
動画ではさらに、米国だけでなく欧州など他国の中央銀行も、インフレ再燃によって利下げどころか利上げ方向を織り込み始めている可能性があると語られていました。もし世界の主要中銀が再び引き締め方向に傾くのに、日本だけが慎重姿勢を続けるなら、日本の金利だけが相対的に低いまま取り残されることになります。そうなれば、円売り圧力はさらに強まりやすくなります。
為替介入はどこで入るのか、そして本当に効くのか
市場参加者が最も気にしやすいテーマの1つが、為替介入です。動画では、1ドル=165円前後まで円安が進めば、1回介入が入る可能性があるとの見方が示されていました。
ただし、ここで重要なのは、介入は「円安を完全に止める手段」ではないということです。日本は変動相場制を採用しているため、政府・財務省が為替水準を恒常的に固定するような介入は基本的にできません。介入の目的は、急激で投機的な動きを抑えることにあります。
そのため、仮に165円で介入が入り、一時的に円高方向へ戻したとしても、その後に再び円安基調へ戻る可能性は十分にあります。動画でも、年末時点では160円台前半から半ばあたりで推移しながら年を終えるイメージが語られていましたが、これは「介入でいったん押し戻しても、大きな円安トレンドまでは変えられない」という前提に基づいています。
なぜ介入は効きにくいのか
介入が効きにくい理由は、為替相場の大きな流れを決めているのが、単発の売買ではなく、金利差や貿易収支、資本移動といった構造的な要因だからです。
動画では、過去の介入局面を振り返りながら、ドル高主導で円安が進んでいる場面では介入の効果が限られていたことが説明されていました。実際、介入後にドル円が下がったように見える局面でも、その背景には米国CPIの下振れや米金利低下があり、介入だけで大きく円高になったわけではないと整理されていました。
つまり、介入は短期的な値動きには影響を与えても、金利差やインフレ格差、資本流出といった土台が変わらない限り、長期的な流れを反転させる力は弱いということです。
為替介入が入ると日本株は下がりやすい
為替介入について、株式投資家にとって特に重要なのが「介入時には株が下がりやすい」という点です。動画では、過去の事例として、介入が行われた局面で日経平均が10日から11日程度の短期間で9%から10%前後下落したケースが紹介されていました。
なぜこうしたことが起きるのでしょうか。理由は比較的シンプルです。日本株、とくに輸出企業の株価は円安メリットを織り込んで上がっていることが多いため、介入によって円高方向に振れると、その期待がいったん剥がれやすいのです。また、介入が入るということ自体が「当局が円安を問題視している」というメッセージになるため、市場心理が冷え込みやすい面もあります。
したがって、円安局面で株高が続いているときほど、介入のニュースは株式市場にとって短期的な悪材料になりやすいと考えられます。
介入局面では食品株が強い可能性
動画では、介入局面で相対的に強くなりやすいセクターとして食品株にも言及がありました。円高になると、原材料や食料品の輸入コストが下がりやすくなるため、食品関連企業にとっては追い風になりやすいからです。
日本の食料自給率は高くないため、円高による輸入コスト低下の恩恵は思った以上に大きくなります。また、仮に物価対策として消費税減税などの政策が絡んでくるような局面になれば、食品関連の需要にも注目が集まりやすくなる可能性があります。
もちろん、すべての食品株が一律に上がるわけではありませんが、為替介入による円高局面では、輸出株だけではなく内需ディフェンシブ銘柄にも目を向ける必要がある、という示唆として興味深いポイントでした。
そもそも、なぜここまで円が弱いのか
動画の中心テーマは、単なる2026年の相場予想だけではなく、「なぜ円安がここまで長引いているのか」という構造分析にもありました。
そこで示されていた大きな理由は2つです。1つ目は、日本の実質金利が大幅なマイナスであること。2つ目は、日本から海外へお金が流出しやすい構造になっていることです。
この2つは非常に重要です。通常、通貨の強さはその国の金利水準や経済の魅力と密接に関係しています。しかし日本は、インフレ率に対して金利が低すぎるため、通貨としての魅力が弱くなっています。さらに、企業や投資マネーが国内ではなく海外に向かいやすいため、円が継続的に売られやすい構造ができています。
実質実効為替レートで見ると円は歴史的な安値圏
動画では、実質実効為替レートの観点からも、今の円が極めて弱い水準にあることが説明されていました。実質実効為替レートとは、単にドル円だけを見るのではなく、日本が貿易している各国通貨との関係やインフレ差を織り込んで、円の総合的な強さを見る指標です。
この指標で見ると、現在の円は1970年以降で最も弱い水準に近い、あるいは最安値を更新しているという整理でした。つまり、1ドル=360円だった固定相場制時代よりも、実質的な意味では今の円のほうが弱い可能性があるということです。
これは初心者の方には少し意外に感じるかもしれません。ドル円の数字だけを見ると、360円より160円のほうが円高に見えるからです。しかし、各国との物価差や購買力を考慮すると、今の円は実質的に非常に弱くなっている、というのがポイントです。
購買力平価から見ても円は売られすぎ
動画では、購買力平価との比較も取り上げられていました。購買力平価とは、簡単にいえば「物価水準から考えた理論上の為替レート」です。
説明では、消費者物価や企業物価などで計算した複数の購買力平価と比べても、現在のドル円はそれらの上限を大きく上回っており、仮に109円まで円高が進んだとしても、それでもなお歴史的には円安水準だという見方が示されていました。
これはかなり強いメッセージです。多くの人は、150円台や160円台が異常な円安であり、120円台や110円台に戻ればもう十分円高だと感じるでしょう。しかし、購買力平価の考え方に立てば、110円前後ですらなお円安であり、今の水準は相当な売られすぎだということになります。
日本はなぜ金利を大きく上げられないのか
では、ここまで円が弱いなら、なぜ日銀はもっと大きく利上げしないのでしょうか。この点について、動画では日本国債の利払い負担が大きな制約になると説明されていました。
日本は長年の低金利環境のもとで国債残高を大きく積み上げてきました。金利が極めて低かったため、借金が増えても利払い費はそれほど膨らまずに済んでいました。しかし今後、長期金利が上昇し、さらに政策金利も上がるようになると、国の利払い負担は急増しやすくなります。
動画では、10年金利が今後2年かけて2.5%程度まで上昇し、その後は横ばいという比較的控えめな前提でも、将来的な利払い費が25兆円規模まで増える可能性があると説明されていました。これは現在の消費税収に匹敵する規模です。
この数字を見ると、利上げが単なる金融政策の問題ではなく、日本の財政問題と深く結びついていることが分かります。金利を上げれば円安には歯止めがかかりやすくなりますが、その一方で国の財政負担が増え、景気にも重しがかかります。だからこそ、日本は欧米のように大胆な利上げをしにくいのです。
日銀の当座預金への利払いも重い負担になる
さらに動画では、日銀が保有する国債から得られる利息がそのまま国に戻るから問題ない、という単純な話ではないことも指摘されていました。
日銀は量的緩和の過程で大量の国債を買い入れてきました。その結果、民間金融機関が日銀に持つ当座預金残高も巨額になっています。政策金利を上げるということは、この当座預金にも利息を支払う必要が出てくるということです。
つまり、国債利払いだけでなく、日銀の金融調節に伴う支払いも増えていきます。これにより、「利上げすれば簡単に円安が止まる」というほど単純ではなくなります。日本が過去の超低金利政策のつけを今になって払わされている、という構図がよく分かる部分です。
人手不足と賃上げが日本のインフレを下がりにくくしている
円安が止まりにくい背景として、動画では日本のインフレが思ったほど下がらない構造にも触れられていました。
日本では少子高齢化が進み、労働力人口の伸びが鈍化しています。就業率の上昇にも限界が見え始めており、企業は人手を確保するために賃上げせざるを得ない状況です。ここで重要なのは、企業が賃金を上げるのは単に「物価が上がったから従業員に還元している」という美しい話ではなく、人を確保できなければ事業が続けられないからだという点です。
賃金が上がれば、企業はそのコストを価格転嫁しやすくなります。価格が上がれば、家計負担が増し、さらに賃上げ圧力が強まるという循環も生まれます。また、人手不足についていけない企業は淘汰されやすくなり、競争が弱まれば生き残った企業はさらに値上げしやすくなります。
このため、日本では一時的なエネルギー価格の上昇だけでなく、構造的な人手不足を背景に、インフレ率が簡単には低下しにくい可能性があります。そうなると、実質金利のマイナスも長引きやすく、円安も止まりにくくなります。
円安とインフレで日経平均15万円はあり得るのか
動画で最もインパクトの強い話題の1つが、「日経平均15万円」という長期シナリオでした。これは一見すると非常に大胆な数字に感じますが、動画では名目GDPとの相関から説明されていました。
ポイントは、株価が基本的に名目の世界で動くということです。円安が進み、インフレが続けば、企業の売上や利益は金額ベースで膨らみやすくなります。たとえ実質的な豊かさが大きく伸びていなくても、名目GDPが拡大すれば、株価も上がりやすいのです。
説明では、日本の名目GDPが2037年度ごろに1000兆円規模へ到達すれば、日経平均15万円という水準も理論上は見えてくるという話がありました。これは、今の日本が経済的に非常に豊かになるからというより、インフレと円安によって名目値が押し上げられるからという意味合いが強いシナリオです。
株高と生活の豊かさは同じではない
ここで動画が強調していたのは、株価が上がることと生活が楽になることは別問題だという点です。これは非常に大切な視点です。
たとえば、トルコやアルゼンチンのように高インフレが続く国では、株価指数が名目ベースで大きく上昇することがあります。しかし、それは通貨価値の下落や物価上昇の裏返しでもあり、必ずしも国民生活が豊かになっているわけではありません。
日本でも同じで、円安とインフレが進めば企業の名目利益は増え、税収も増え、株価も上がりやすくなります。しかし、家計にとっては輸入物価高や生活コスト増加という厳しさが増す可能性があります。つまり、「株高=日本全体が好調」とは単純に言えないのです。
日本経済が本当に良くなるために必要なこと
動画の終盤では、円安構造から抜け出すために何が必要かという、より本質的な議論も行われていました。
1つは、国内生産を増やすことです。食料や医薬品、エネルギーなど、海外依存が強い分野で自給力を高めることができれば、円安による輸入コスト上昇の影響を和らげやすくなります。たとえば、農業の大規模化や医薬品原料の国内生産支援、再生可能エネルギーの拡充などは、その一例として挙げられていました。
もう1つは、日本への投資を増やすことです。今の日本は、海外への直接投資は活発なのに、海外から日本への直接投資が少ないという構造があります。日本企業が国内ではなく海外へ投資し、海外企業も日本に大きく投資しないとなると、円が買われにくくなるのは当然です。
この状況を変えるには、単に予算を積むだけでなく、規制緩和や労働市場改革、既得権との調整など、本当に投資が回る仕組みを作る必要があります。動画では、金額の大きさよりも、何をボトルネックとして捉え、どう改革していくかというアイデアと実行力が重要だと語られていました。
政策がうまく回れば日本株にはより大きな上昇余地もある
動画では、インフレだけで名目GDPが押し上がるケースとは別に、もし政策がうまく機能して、日本の実質成長率まで高まれば、日経平均は15万円を超えるようなさらに強いシナリオもあり得るのではないか、という前向きな見方も示されていました。
つまり、単なる円安インフレによる名目株高ではなく、研究開発投資や設備投資が進み、生産性が高まり、日本そのものの成長力が高まるなら、株高の質が変わってくるということです。
この場合は、海外から日本への投資も増えやすくなり、円安にも一定の歯止めがかかる可能性があります。今の日本が新興国的な通貨安インフレに傾くのか、それとも投資と成長で本当に強い経済へ転換できるのか。その分かれ道に立っているというのが、動画全体から伝わってくる大きなメッセージでした。
日本から海外へお金が流れやすい構造とは何か
円安構造を理解するうえで、動画では資金フローの話も重要な論点として扱われていました。
かつての日本は貿易黒字国であり、輸出で稼いだ外貨が円買いにつながりやすい構造を持っていました。しかし現在は、電気機械などの生産移管が進み、昔ほど財の貿易黒字を稼げなくなっています。さらに、エネルギー輸入額は円安の影響で膨らみやすくなっており、貿易収支は以前ほど円高要因ではなくなりました。
サービス収支でも、インバウンドがプラス要因である一方、デジタル赤字が重くなっています。海外の動画配信サービス、クラウドサービス、ITプラットフォームへの支払いが増えれば、それだけ海外へ資金が流れます。動画では、侍ジャパンの試合を見るのにも海外系サービスを経由しなければならないという例が出され、身近な生活の中でもデジタル収支の赤字が広がっていることが語られていました。
さらに大きいのが、対外直接投資です。日本企業は海外で積極的に投資し、そこから収益も得ていますが、その利益が日本に戻ってこないケースも多いとされます。加えて、日本への対内直接投資は相対的に少ないため、総合すると日本から海外へ資金が出ていきやすい構造が続いているわけです。
まとめ
今回の動画では、2026年のドル円相場について、1ドル=165円近辺まで円安が進む可能性がある一方、為替介入があってもその流れを完全に止めるのは難しい、という見方が示されていました。
その背景には、イラン情勢を起点とする原油高、日本の実質金利の大幅なマイナス、日銀の利上げ余地の小ささ、FRBの利下げ回数の限定、そして日本から海外へ資金が流出しやすい構造など、複数の要因が重なっています。つまり、今の円安は一時的なノイズではなく、かなり根深い問題だということです。
また、為替介入は短期的な急騰を抑える効果はあっても、構造的な円安を反転させる力は弱く、しかも介入局面では日本株が下がりやすいという点も重要な示唆でした。とくに輸出株中心に上昇している場面では、介入が大きな調整のきっかけになり得ます。
一方で、円安とインフレは企業の名目利益を押し上げ、日本株の長期的な上昇要因にもなり得ます。その延長線上で、名目GDPの拡大とともに日経平均15万円という大胆なシナリオも語られていました。ただし、それは必ずしも家計の豊かさと一致するわけではなく、「株高でも生活は苦しい」という状態も十分にあり得ます。
本当に日本経済が強くなるためには、単なる円安株高ではなく、国内投資の活性化、生産性向上、規制改革、エネルギーや食料の安定供給体制づくりなど、実体経済の底上げが必要です。今後の日本が、通貨安インフレに苦しむ国へ傾くのか、それとも投資と成長で新たなステージへ進むのか。2026年の為替と株式市場は、その分岐点を映す重要な鏡になりそうです。


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