本記事は、YouTube動画『2026年以降、米国株はオワコン!?』の内容を基に構成しています。
新NISAの2年目を終え、S&P500で積み立てを続けるべきか、それともオルカンへ変更すべきか。こうした悩みは、2025年に米国株が大きく揺れたこと、そして著名な運用会社や投資銀行が「今後は米国以外が有利」と示唆するレポートを出したことが重なり、いっそう現実味を帯びています。
本動画では、まず2025年の実績を数字で比較し、次にゴールドマン・サックスやバンガードの見通しを紹介した上で、S&P500ホルダーの不安の正体を整理し、長期投資家が本当に大事にすべき軸を提示します。最後に、どちらかを決めきれない人が「将来の後悔を減らす」ための考え方として、S&P500とオルカンの2つ持ちという選択肢まで踏み込みます。
ここからは、動画の流れに沿って、できるだけ内容を削らずに整理していきます。
導入:2026年からS&P500をやめてオルカンに変えるべきか
動画の出発点は、多くの新NISAユーザーが抱えやすい感情です。2024年はS&P500がオルカンより約7%良かったので、2025年にS&P500へ寄せた。しかし2025年は途中で「関税ショック」で約20%下落する局面もあり、振り返るとオルカンの方が良かったのではないか、という不安が生まれる。
さらに「今後10年は米国大型株より他の先進国や新興国の方が良い」という話まで出てくると、S&P500ホルダーほど心が揺れやすくなります。
一方で動画は、早い段階で重要な前提も置いています。今のオルカンは約6割が米国株で構成されているため、オルカンに変更しても「米国への不安」がゼロになるわけではない、という点です。つまり、このテーマは単純な銘柄変更の話ではなく、投資家自身の不安との向き合い方の話でもあります。
過去にも「米国の時代は終わる」が語られてきた
動画では、2008年のリーマンショック以降にも「これからは新興国の時代」「米国は終わる」といった見立てが繰り返し語られてきたことに触れています。しかし現実の結果として、2008年以降の比較ではS&P500がオルカン(MSCI ACWI)に対して指数ベースで2倍以上の差をつけた、というグラフが示されます。
ここで強調されるのは、未来を正確に当てることは不可能だという点です。
動画内では、映画の例えとして「タイムマシンで未来を当てられる人はいない」という話が出てきます。投資の利益を事前に確定させることはできない以上、重要なのは「当てること」ではなく「後悔を最小化すること」だ、という問題設定へ移っていきます。
この前提があるからこそ、動画は前半で米国にとってマイナスに見える情報を並べつつも、その情報だけで「すぐ乗り換え」を決めるのは早い、と釘を刺します。
2025年はオルカン優勢、米国株が相対的に苦戦
2025年の実績比較:オルカンがS&P500を上回った
動画の1つ目の柱は、2025年のパフォーマンス比較です。ここでは投信の純資産と、リターンの数字が具体的に出てきます。
まず純資産の推移として、2024年末時点ではS&P500系(eMAXIS Slim 米国株式(S&P500))が約6.5兆円、オルカンが約5兆円で差があったものの、2026年1月時点ではS&P500側が約10兆(動画内では「10兆1億円」と表現)、オルカン側が約9634億円となり、差が約3600億円程度まで縮まった、という説明がされています。短期間でオルカンが勢いを増し、追い上げた構図です。
次にリターン比較です。動画では、2025年1月6日からの1年間で、オルカンがプラス約21.96%、S&P500がプラス約16.30%で、差が約5%あったと述べられます。
指数ベースでも、S&P500とMSCI ACWI(オルカンの代表的な元指数)の比較で、2025年はオルカンの方が優勢だった、という形です。
米国を除いた世界の方が伸びたという示唆:ACWXが強かった
さらに動画では、MSCI ACWIから米国を除いた指数(ACWX)にも触れます。2025年の直近1年比較では、この「米国を除いた世界」が3つの指数の中で最も伸び、約31%だった、という説明です。これは、直近の1年という短い切り取りでは「米国以外でも十分伸びた」ことを意味します。
ただし同じ動画の中で、その後に重要な補足が続きます。2008年(またはACWIが実質的に参照される期間)から長期で見ると、米国を除いた指数は横ばいに近い一方、S&P500は大きく上昇し続けてきた、という長期グラフも提示されます。
つまり、短期では米国以外が強い局面があり得るが、長期での歴史は米国が強かった、という二面性を示しているわけです。
国別比較:2025年は中国・日本などが強く、米国が相対的に低かった
動画では国別リターンのイメージ比較も出てきます。2025年の結果として、米国(S&P500)が約15%程度で相対的に低く、中国が約34%、日本が約33%、ドイツやイギリスが約17%や約19%と紹介され、米国が最も苦戦した年だった、という見立てが語られます。
ここまでの流れで、視聴者が抱きがちな感情は整理されます。つまり「2025年はオルカンが勝った」「米国以外も伸びている」「だから米国株は終わりなのでは」という不安が自然に生まれる土台が、数字として示される構成です。
今後10年は米国よりオルカン?衝撃レポートの中身
ゴールドマン・サックスの予想:今後10年の年率リターン見通し
動画の2つ目の柱は、レポートの紹介です。まず取り上げられるのが、ゴールドマン・サックスの見通しです。動画では、2025年11月にブルームバーグで報じられた予想として、今後10年の年率リターン見通しが語られます。
内容としては、米国が最も低い年率で約6.5%、一方で新興国が約10.9%と最も高い、という見立てです。ここで動画は、米国が「最下位」という言葉のインパクトは強いが、それでも年率6.5%はインデックスの平均(一般に年率5%程度と言われがち)と比べれば悪くない、と冷静な目線も添えています。ただ、それ以上に新興国10.9%という数字が大きく見え、心理的に「米国以外へ移した方がいいのでは」と思わせる材料になり得る、という流れです。
さらに、米国以外(ACWX)が2009年以来最大級のアウトパフォームになった、という資料の紹介もあり、2025年の結果とレポートが重なったことで「転換点かもしれない」という不安が強まっている、と説明されます。
バンガードの見通し:米国以外先進国や米国バリューが有望という整理
次に動画では、世界最大級の資産運用会社としてバンガードのレポート概要が紹介されます。要点は、今後10年は米国のグロース(AI関連株のような成長株)一辺倒ではなく、米国バリュー株、あるいは米国以外の先進国が有望ではないか、という整理です。
ここで動画が挙げる理由はシンプルで、米国大型株が割高な状態にある、という点です。PERなどの評価指標が高止まりしていると、いつか適正な水準に戻る、つまり下落や伸び悩みが起きる可能性がある。投資の世界で言われる「平均回帰(上がりすぎたものは戻り、出遅れが追い上げる)」という考え方が、ここで説明されます。
このパートの役割は、視聴者が感じているモヤモヤに「理屈」を与えることです。成績が負けた、という事実に加え、頭の良い機関が米国以外を示唆し、しかも平均回帰というもっともらしい理屈がある。だから不安になる、という心理の構造が整います。
S&P500不安派の不安の正体を分解する
動画の3つ目は、不安の中身を言語化するパートです。ここが本質的で、単に「米国が強い弱い」ではなく、投資家が何を怖がっているのかを整理します。
不安1:米国1国集中がリスキーに感じる
S&P500は米国企業だけで構成されているため、1国集中が怖いという不安が生まれます。確かに、S&P500上位には世界中で稼ぐ企業が多く、海外売上比率が高い企業もありますが、それでも投資対象の国としては米国のみです。
一方のオルカンは、米国を含む約47カ国が組み入れられている(動画内の表現)ため、国の分散が効く。現時点で米国比率が約6割だとしても、将来ほかの国が伸びれば比率が変わり、自然に取り込めるのではないか、という期待が生まれます。
不安2:米国以外が伸びたときに取り残される恐怖
これは1つ目と近いですが、より感情的です。もし今後、米国よりも他国が伸びたら、S&P500だけだと取り残されるのではないか、という焦りです。特に2025年のように中国や日本が強い年があると、この不安は増幅しやすくなります。
不安3:10年後・20年後に選択を後悔したくない
最後が最も根深い不安です。S&P500かオルカンかは、短期で答えが出ません。だからこそ「将来の自分が後悔するのが怖い」という形で、不安が残り続けます。動画では、この不安に対する処方箋が最後に用意されます。
長期投資家が最も大事にすべき投資の軸とは
動画の4つ目は、ここまでの不安を「投資の本質」に引き戻すパートです。
結論として語られるのは、S&P500かオルカンかという商品選びに見えて、実は重要なのは「自分の投資方針が決まっているかどうか」だという点です。
S&P500を選ぶ人は、本来、1国集中であること、価格変動の振れ幅が大きくなりやすいことを理解した上で選んでいるはずです。ところが、2025年の成績や、有名機関の発言を理由に乗り換えると、行動がブレます。もしオルカンに変えて、その後S&P500が再び強くなれば、また戻したくなる。こうして行動が揺れると、長期投資の最大の武器である継続が崩れやすくなります。
また動画では、投資は実際にやってみないと分からない面がある、という現実も認めています。リスク許容度は机上では判断しにくく、値動きを体感して初めて「自分がどこまで耐えられるか」が分かることも多い。だからこそ、外部の声ではなく、自分の内なる声を聞くべきだ、というメッセージになります。
そして、もし不安が強すぎて眠れないほどなら、それは商品以前に投資額がリスク許容度を超えている可能性があるため、商品変更より投資金額の見直しを勧める、という流れです。ここは、初心者にとって特に重要な視点です。銘柄の正解探しに見えて、実は「自分が継続できる設計になっているか」が勝負を分ける、という話だからです。
平均回帰・分散・心理という3つの補足で理解を深める
動画の内容を踏まえつつ、初心者向けに補足しておきたい論点があります。ここは動画が触れたテーマを、もう少し噛み砕いて整理します。
平均回帰は必ず起きるわけではないが、割高はリスク要因になり得る
平均回帰という言葉は便利ですが、「必ずそうなる」という意味ではありません。ただ、評価指標(PERなど)が高い状態が続くと、将来のリターンが伸びにくくなる可能性は理屈として説明しやすい、という性質があります。
重要なのは、平均回帰を信じ切って売買することではなく、「割高かもしれない」という状況が不安を生み、投資行動を乱しやすいという点です。つまり、投資家にとっての敵は、予想が外れることより、ブレて継続できなくなることです。
分散は万能ではないが、継続できるなら武器になる
オルカンは国が分散されているため安心感が出やすい一方、米国比率が高い現実もあります。完全に米国リスクを消す商品ではありません。それでも「分散されている」という納得感が、長期で持ち続ける握力につながるなら、その価値は大きいという考え方になります。
長期投資は、結局は心理戦になりやすい
動画が一貫して強調するのはここです。ニュースやSNS、有名機関の予想、短期の成績は、投資家の心を揺らします。揺らされた結果、積立停止、売却、乗り換えを繰り返すと、高値掴み・安値売りになりやすく、ほったらかしより成績が悪くなることすらあり得ます。
この意味で、投資商品そのものより、投資家の心を安定させる設計が重要になります。
どちらか選べない人へ、後悔を最小化する方法
最後のパートは、動画の結論部分です。ここで登場するのが、Amazon創業者ジェフ・ベゾスの「後悔最小化理論」です。
内容はシンプルで、80歳になって人生を振り返ったとき、後悔の数が最小になる選択をすべき、という考え方です。動画では、ベゾスがヘッジファンドで幹部まで上り詰めながら、オンラインで本を売る会社を作る決断を迫られ、短期間で意思決定した逸話が紹介されます。
資産運用に置き換えると、65歳になった自分が「あのとき迷っていなければ」と後悔しないために、今どんな選択をするか、という視点になります。
そしてこのフレームワークをS&P500とオルカン問題に当てはめたとき、動画が提示する答えが「2つ持ち」です。
S&P500とオルカンの2つ持ちが後悔を減らす理由
動画では賛成理由が3つ語られます。ここは内容を流れのまま整理します。
1つ目は、中間の成績を狙えることです。S&P500は高いリターンが期待できる一方で、振れ幅のリスクがやや高い。オルカンは平均点を安定的に取りやすいが、全世界に投資する以上、常にナンバー1になり続けるのは難しい。そこで2つを持てば、どちらかが強い局面でも極端に取り残されにくく、中間的な成績になりやすい、という考え方です。動画内では、比率は人によるが例として1対1のイメージが語られ、緑色の線で中間の推移が示されます。
2つ目は、長期投資で目移りしにくくなることです。米国が悪いニュースのときに不安で売ってしまう、逆に良いニュースで慌てて買い増す、といった行動は、結果として高値掴みを誘発しやすい。2つ持ちで「どっちに転んでも大丈夫」という感覚を作れるなら、日々のニュースや値動きへの過剰反応を減らせる、という説明です。新NISAは非課税期間や投資可能期間が実質的に長く、長期でストレスを抱え続けるのは避けたい、という文脈ともつながります。
3つ目は、結果として長期投資の成果につながりやすいことです。商品理解が進み、どんなニュースでも落ち着いて積立を継続できる心理状態を作れれば、それが資産形成のプラス要因になる。長期投資は結局、愚直に積み立て続けられるかどうかが大きいので、心理面を整えることに意味がある、という締め方です。
この結論は「どちらが正解か」を断定するものではありません。動画でも、S&P500もオルカンも超優秀なファンドであり、投資に正解はない、と語られます。その上で、後悔を減らし、継続できる設計として2つ持ちが有力だ、という提案になります。
まとめ
2025年の実績では、オルカンがS&P500を上回る局面があり、指数や国別の比較でも米国以外が強かったという材料が示されました。さらにゴールドマン・サックスやバンガードのレポートでは、今後10年は米国大型株より米国以外やバリュー、新興国が有利かもしれないという見通しが紹介され、S&P500ホルダーの不安が強まりやすい状況が整理されました。
ただし動画が一貫して強調するのは、未来を当てることは不可能であり、短期の成績や外部の声で方針を変えると投資行動がブレてしまう、という点です。大切なのは、S&P500かオルカンかという表面的な選択ではなく、自分の投資の軸とリスク許容度を把握し、継続できる形を作ることでした。
そして、どうしても選べず「将来後悔したくない」という不安が強い人に対しては、後悔最小化理論の考え方を使い、S&P500とオルカンの2つ持ちで中間的な成績と心理的安定を狙う、という現実的な結論が提示されました。最終的に重要なのは、どれが最強かではなく、あなたが長期で握り続けられる設計を選び、積立を続けることです。


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