本記事は、YouTube動画『【2026年相場予想】BlackRock/JPモルガン/IMF/モルスタ/BofAが読む投資環境とは』の内容を基に構成しています。
大手機関が一斉に出し始めた「2026年アウトルック」とは
2025年も年末が近づき、世界の大手運用会社や国際機関が相次いで「2026年アウトルック(見通し)」を公表し始めています。今回の動画では、
- IMF(国際通貨基金)
- BlackRock(ブラックロック)
- JPモルガン
- フィデリティ
- モルガン・スタンレー
- バンク・オブ・アメリカ(BofA)
といった巨大プレーヤーが公表したレポートを横断的にチェックし、
「2026年の世界経済はどう動きそうか」
「インフレと金利はどうなりそうか」
「株式・債券・コモディティ・ゴールド・AI関連銘柄・日本株をどう見るか」
といったポイントを整理しています。
本記事では、動画の内容をできるだけ削らずにまとめつつ、必要な背景情報も補足しながら、2026年の投資環境を初心者でも理解しやすい形で解説します。
IMFが示す「世界経済は楽観でも悲観でもない」ベースシナリオ
まず前提となるのが、IMFが公表した「World Economic Outlook(世界経済見通し)」です。
このレポートでは、2026年までの世界の成長率のベースシナリオが示されています。
IMFによる世界実質成長率の見通しは、概ね次のような流れです。
- 2024年:3.3%
- 2025年:3.2%
- 2026年:3.1%
数字だけを見ると、成長率は少しずつ減速していく形です。ただし、ここで重要なのは「急ブレーキではない」という点です。
動画内でも強調されていたように、このシナリオは「楽観でも悲観でもない、中庸寄り」の前提と言えます。
先進国と新興国のコントラスト
IMFは地域別の成長率にも言及しています。
- 先進国(アメリカ・欧州・日本など):成長率はおおよそ1.5%程度
- 新興国(インドなどを含む):おおよそ4%前後の成長
先進国は成熟経済であり、高成長は見込みにくい一方、新興国は構造的なキャッチアップによる成長余地がある、という従来の構図が続く見通しです。
一方で、IMFのシナリオは「リーマンショック級の崩壊」や「世界的な大不況」を前提としていません。
つまり「世界経済の土台は維持される」という前提に立った上で、各運用会社が個別の投資戦略を組み立てていることになります。
BlackRockの2026年アウトルック:AI革命と日本株オーバーウェイト
続いて取り上げられているのが、世界最大級の資産運用会社BlackRockの「2026 Investment Outlook」です。
動画の印象としては、BlackRockは「AI(人工知能)」の影響についてかなり強気であることが、はっきりと伝わってきます。
AI関連設備投資が成長を下支えする
BlackRockは、2026年にかけてもAI関連の設備投資がアメリカ経済の成長を下支えすると見ています。
単に「テーマ株として人気がある」という話ではなく、
- 実際の企業の設備投資
- 生産性向上
- GDP成長への貢献
といった実体経済面でのインパクトを重視している点が特徴です。
動画では、BlackRockのレポートに載っている印象的な図表が紹介されていました。
それは「歴史的な技術革新がGDP成長にどれだけ貢献し、どれくらいの期間続いたか」を示す図です。
AI革命は「短期集中型だがインパクト大」
その図では、縦軸が「GDP成長への貢献度」、横軸が「技術革命が続いた年数」とされています。
- かつてのIT革命は、GDPへの貢献が非常に大きかった
- 18〜19世紀の蒸気機関などの産業革命は、100年単位で長く続いた
- 一方で、IT革命や電化・モーター化、そしてAI革命は「比較的短期間に起こる革命」と位置づけられている
AIについては、「続く年数は短いが、インパクトは大きい」という見立てが示されていました。
つまり、AIの波は
- 急激で
- 短期集中的で
- それなりに大きな押し上げをもたらす
と予想されているのです。
これは、過去のイノベーションと比べても「変化のスピードがかつてないほど早い可能性がある」という意味でもあります。
AIブームの裏側にあるレバレッジと集中リスク
一方で、BlackRockはAI関連の投資について、
- レバレッジ(借入による投資)
- 特定銘柄やセクターへの過度な集中
といったリスクにも言及しています。
つまり「AIは構造的なテーマとして強気だが、投資行動そのものが過熱しすぎるリスク」は警戒している、というスタンスです。
短期戦術:AI米国株、日本株オーバーウェイト、新興国債
BlackRockのレポートでは、「6〜12か月」という短期的な戦術(タクティカル)と、「より長期的な戦略(ストラテジー)」が分けて整理されています。
短期戦術として挙げられている主なポイントは次のような内容です。
- AI関連の米国株に対しては引き続き強気
- 株式の地域配分では、日本株をオーバーウェイト(基準より多めに保有)
- 欧州株については、金融・公益・ヘルスケアなど、一部のセクターを選別して評価
- 債券では、新興国の米ドル建て債券(ハードカレンシー債)をオーバーウェイト
ゴールドについては、「長期的なメイン資産」というよりも、
- あくまで戦術的ポジション
- 一定の評価はするが、ポートフォリオの中心ではない
といったニュアンスで捉えられています。
もともとBlackRockなどの機関投資家はゴールドへのエクスポージャーが小さいこともあり、ここは大きなサプライズではありません。
長期戦略:AIの勝ち組・負け組を選別、日本株は長期でも好意的
長期的な戦略部分では、
- AIであれば何でも良いわけではなく、「勝ち組」と「負け組」の選別が重要
- テーマブーム時にありがちな「何でも買われる状態」に乗るのではなく、ITバブルの教訓を踏まえた銘柄選別が必要
という点が強調されています。
また、
- プライベートマーケット
- ヘッジファンド
- プライベートクレジット
- インフラ関連株
など、機関投資家向きのオルタナティブ資産への構造的な追い風にも言及されています。
地域別では、
- 米国以外の先進国国債を重視
- 株式では先進国よりも新興国株をやや優先
- 新興国の中ではインドを有望視
- 先進国の中では日本株を長期的にも好意的に評価(穏やかなインフレと企業ガバナンス改革の進展を理由に日本を選好)
といった見解が示されています。
興味深いのは、
- 「日本株」は短期・長期ともにプラス評価
- 「日本国債」は世界的にも際立ってアンダーウェイト
という対照的な扱いになっている点です。
要するに、
- インフレとガバナンス改革で日本企業の名目成長は期待できる
- しかし、その裏返しとして「日本円や日本国債の実質価値は目減りしやすい」
という見方が透けて見えます。
JPモルガン:緩やかな利下げ、国際分散、オルタナ投資の重要性
次に紹介されていたのが、JPモルガンの「2026年インベストメントアウトルック」です。
こちらも基本線としては「AIが経済を押し上げる」という認識を持ちながら、
- 米国の大型グロース株からの「分散」
- オルタナティブ投資の活用
などをテーマに据えた内容になっています。
2026年序盤:インフレ・成長が一時的に加速、その後は減速
JPモルガンのレポートの要約として、動画では次のようなポイントが挙げられていました。
- 2026年初頭は、インフレと成長が一時的に加速する局面が想定されている
- その後は、財政政策の影響や移民の減少などにより、成長は鈍化し、インフレも落ち着いていく方向
つまり、2026年は「前半やや熱く、後半やや落ち着く」ような形を想定していると解釈できます。
FRBは年2〜3回の緩やかな利下げか
金融政策については、
- FRB(米連邦準備制度理事会)の利下げは年2〜3回程度、緩やかなペースになる可能性が高い
と見られています。
これは「急激な利下げで景気を無理に支える局面」というよりも、
- インフレをにらみながら慎重に金利を下げていく
というスタンスが続くという予想です。
債券は「米国債一辺倒」から「グローバル債・地方債」へ
固定収益(債券)投資について、JPモルガンは、
- 米国債だけでなく、グローバル債券や地方債のような選択肢を重視
- インカム(利息収入)を確保しながら、地域・通貨・クレジットリスクを分散する
といった考え方を示しています。
AIは「バブルではなく構造変化の始まり」の可能性
JPモルガンも、AIについては「バブルの可能性は否定できないが、中身も伴っている」というトーンです。
- 株価は割高に見える部分もある
- しかし、利益やキャッシュフローがしっかり伴ってきている
- テクノロジー企業は単なる人気テーマではなく、実際に経済にイノベーションをもたらしている
そのため、AIを「一時的なブーム」と見るのではなく、
- 構造的な変化の始まり
として長期で向き合うべきだとする姿勢がにじみ出ています。
米国一極から「国際分散」へ
JPモルガンが特に強調しているのは、
- 米国以外の市場での収益成長が進み、米国と海外の成長格差が縮む可能性
- 「米国株一極集中」から「国際分散投資」へシフトすべきではないか
という点です。
同時に、
- オルタナティブ投資
- 従来の60:40型の伝統的ポートフォリオ+αの分散
といったポートフォリオ設計の変化にも触れています。
フィデリティ:インデックス一辺倒から「アルファ」を取りに行く時代へ
フィデリティ・インターナショナルの「2026年アウトルック」も、動画の中で詳しく取り上げられました。
全体トーンとしては、
- 基本は「リスクオン寄り」
- ただし、インフレ懸念・ドル安懸念・AI集中リスクを意識しつつ、「インデックスではなくアルファで勝負」という流れ
という内容になっています。
インデックス投資ブームの裏で「アルファ重視」へ
世界的にインデックス投資への資金流入が続く中、
- フィデリティやBlackRockのようなアクティブ運用主体の機関は、「今後はアルファ(ベンチマーク超過リターン)が重要だ」と強調
- ただし、これは「個人投資家にインデックス投資を否定しているわけではない」
という点は、動画内でも丁寧に整理されていました。
つまり、
- プロはプロなりに「指数を上回るリターン」を求める
- 個人の長期積立においてインデックスが有効である事実は変わらない
という前提を押さえたうえで、プロ側の視点が語られている、という構図です。
注目トレンド:ドルの目減り、新興国株・現地通貨建て債券、ゴールド
フィデリティのマクロ・マルチアセットのパートでは、
- ドルの目減り(ドル安)リスク
- 政策支援を受ける新興国市場の株式
- 現地通貨建て債券
- ゴールドや絶対リターン戦略(ヘッジファンド的なリターン)
などが「ウォッチすべきテーマ」として挙げられています。
ゴールドについては、個人投資家もアクセスしやすい資産であるため、
- 「ドル安・インフレ・地政学リスクへの備え」として、一定のエクスポージャーを持つ選択肢
として紹介されています。
株式:AIは引き続き主役、日本・欧州・中国も候補
株式パートでは、
- 2026年もAIが市場を定義する中心テーマになる
- 「AIブームは終わった」のではなく、まだ「主役の座」にいるとみる
というスタンスが示されています。
ただし、
- 投資先はアメリカ一択ではなく、ヨーロッパ、日本、中国など、他地域のAI関連・テクノロジー企業にも目を向けるべき
という点にも言及があります。
特にアジアでは、
- 2025年にかけて、AIエコシステムが発展
- 2026年もその恩恵を受ける可能性がある
- その中でも、韓国と日本の株式が魅力的に見える
という記述があり、日本株が再び注目されていることが強調されました。
債券:インフレが市場予想より高くなるリスクとクレジット人気
債券に関しては、
- 2026年のアメリカのインフレは、市場の予測より高くなる可能性がある
- その場合、政府債(国債)よりも、クレジット(社債やローンなど)が人気を集めやすい
とされています。
機関投資家の間では、こうした「クレジット商品」が構造的に支持される流れが続きそうだという見方が示されています。
モルガン・スタンレー:米国株には依然として強気、「強気相場終盤=即終了ではない」
モルガン・スタンレーの「BEAT 2026 Outlook」も、動画で取り上げられました。
BEATとは、
- Bond(債券)
- Equity(株式)
- Alternatives(オルタナティブ)
- Transition
といった市場全体の視点を総合したレポートです。
2026年は「中だるみを抜けた有望な回復局面」
モルガン・スタンレーは、
- 2026年は「中だるみを抜けた有望な回復局面」である
- 政策も追い風となり、AIと財政拡大で景気と株価が伸びる可能性がある
- AIによる生産性が「ブレイクアウト」する年になるかもしれない
という、比較的強気な見通しを示しています。
株式全体としても、
- リスク評価はおおむねポジティブ
というスタンスが取られています。
地域別・スタイル別の見方:米国オーバーウェイト、クオリティ大型株、シクリカル重視
地域別の株式配分では、
- 米国株をオーバーウェイト
- ヨーロッパ・日本・新興国はニュートラル(中立)
という評価になっています。
他のレポートが「国際分散」を強調する中で、モルガン・スタンレーは比較的「米国優位」をはっきり打ち出している点が特徴です。
スタイル別では、
- バリューとグロースは中立
- 企業の質が高い大型株を重視
- ディフェンシブ(防御的銘柄)よりも、景気敏感(シクリカル)に強気
という方針が示されています。
「強気相場の後半=すぐ崩れるわけではない」
興味深いのは、「ブルマーケットの最終局面」に対するモルガン・スタンレーの見方です。
- 強気相場には、おおよそ4年サイクルのようなパターンがある
- 4年目は意外とリターンが出ることが多い
- 4年目以降もプラスリターンで推移するケースがあり、「終盤だからすぐ終わる」とは限らない
つまり、
「今が強気相場の終盤に近いとしても、そこからさらに一伸びする可能性がある」
という楽観寄りのスタンスを取っていることになります。
バンク・オブ・アメリカ:2026年の「ベストトレード」はコモディティ?
最後に動画で触れられていたのが、バンク・オブ・アメリカ(BofA)の見解です。
ビジネスインサイダーの記事によれば、BofAは
- 「2026年のベストトレードはコモディティになる」
とまで述べていると紹介されました。
インフレ期待が高まる局面で、
- ゴールドをはじめとするコモディティ(商品)が上昇する可能性
を強く意識した内容になっています。
他のレポートでは、
- ゴールドやコモディティは「ポートフォリオの一部」
という扱いにとどまっていましたが、BofAは「主役級のポジション」として評価している点が際立っています。
共通点:世界経済は緩やかな成長、AIは主役、日本株への期待
動画の終盤では、ここまで紹介してきた複数の機関のレポートを踏まえ、
「共通しているポイント」と「見解が分かれているポイント」が整理されていました。
まずは「共通点」にあたる部分です。
1. 世界経済は「緩やかな成長」がベース
IMFのベースシナリオをはじめ、
- 世界経済は急ブレーキではなく、「緩やかな成長」が続く見通し
- 過度な楽観でもなく、過度な悲観でもない中庸なシナリオ
という点は、多くの機関で大きく外れていません。
モルガン・スタンレーのように「意外と相場が粘り強く推移する可能性」を示す見解もあり、
総じて「世界が一気に崩れる」という想定はメインシナリオではないようです。
2. AIは引き続き市場の主役で、成長ドライバー
BlackRock、JPモルガン、フィデリティといった主要機関が共通して重視しているのが、
- AIが引き続き市場の主役であり、主要な成長ドライバーになる
という点です。
AIについては
- 「バブルだ」との声がある一方で
- 「割高だが利益・キャッシュフローも伴っている」
- 「テック業界からインフラ・電力・金融・ヘルスケアなど、実体経済全体に波及していく」
といった評価も出ており、
「まだAIイノベーションは序章に過ぎない」という見方も紹介されていました。
3. インフレ・金利はコロナ前の水準には簡単に戻らない
インフレと金利に関しては、
- コロナ前のような、極端な低金利・デフレ期にすぐ戻るとは見られていない
- インフレリスクは依然として「来年の懸念」として意識されている
という点も共通しています。
これにより、
- 債券投資は「金利水準」だけではなく、「財政リスク」「通貨の信認」なども含めて見る必要がある
というスタンスが取られています。
4. 日本株への評価は総じてポジティブ
複数のレポートで共通していたのが、
- 日本株に対するポジティブな評価
です。
理由として挙げられているのは、主に次の2点です。
- 名目成長が期待できる(インフレによる売上・利益の押し上げ)
- コーポレートガバナンス改革の進展(資本効率向上や株主還元の強化)
これらにより、
- 日本株は先進国の中でも相対的に魅力がある
という見方が増えています。
相違点:米国集中か国際分散か、コモディティは主役か脇役か
一方で、各機関の間で「評価が分かれているポイント」もいくつかあります。
1. 米国株 vs 国際分散
- モルガン・スタンレー:米国株オーバーウェイト、他地域は中立
- JPモルガン・フィデリティ:米国一極集中からのシフトを提案、国際分散を推奨
という構図です。
同じくAIを重視していても、
- 「それでも米国中心で良い」と見るか
- 「米国以外の収益成長・バリュエーションにも目を向けるべき」と見るか
でスタンスが分かれています。
2. コモディティ・ゴールドの位置づけ
- BlackRock:ゴールドはあくまで戦術的ポジション。ポートフォリオの主役ではない
- フィデリティ:ゴールドや絶対リターンを「代替的な保護手段」として評価
- バンク・オブ・アメリカ:2026年の「ベストトレードはコモディティ」と強気
と、コモディティについては評価の振れ幅が大きくなっています。
3. AI投資とボラティリティへの見方
- BlackRock:AIに強気でありながら、「レバレッジ」「集中投資」のリスクとボラティリティ上昇を警戒
- 他のレポートでは、ここまで「レバレッジ・集中リスク」に強く踏み込んでいるものは少ない
この点でも、
- AIテーマに対するリスクの捉え方
に微妙な差が出ています。
動画投稿者のスタンス:国際分散・ゴールド少し・AI集中は避ける・日本個別株はアクティブに
動画の最後では、こうした機関投資家の見通しを踏まえたうえで、投稿者自身の投資スタンスも整理されていました。
ここは、個人投資家にとって現実的な参考例として重要な部分です。
1. 米国集中か国際分散か:基本は「国際分散派」
- 「米国株か、国際分散か」と問われれば、投稿者は「引き続き国際分散派」
- 新NISAの積立についても、基本は「オール・カントリー(オルカン)一択」で考えている
という方針が示されています。
オルカンを通じて、
- 米国
- 欧州
- 日本
- 新興国
など世界全体に分散投資することで、特定の地域に賭けすぎないスタンスを維持しようとしています。
2. ゴールド:下落局面・横ばい局面でコツコツ買い増し
ゴールドについては、
- 下がっているタイミングや、横ばいの局面で少しずつ買い増していくイメージ
- 場合によっては、新NISA枠の一部をゴールドに使ってもよいと考えている
と述べています。
これは、
- インフレやドル安、地政学リスクへの「保険」としてゴールドを位置づける考え方
に近いと言えるでしょう。
3. AIへのスタンス:指数経由で自然に保有、追加集中は避ける
AIについては、
- オルカンやS&P500を買えば、すでに自然とAI関連企業の比率は高くなる
- そこにさらに「AIセクター特化」「個別AI銘柄集中」のような追加集中は避ける
というスタンスを取っています。
「AIに集中した人が自分より高いリターンを出しても、特に気にしない」という言葉も印象的です。
他人の短期的なリターンに振り回されず、
- 「ゆっくり、神のように成長していけばいい」
というマインドを大事にしたい、という姿勢が語られていました。
4. 日本株:個別株はアクティブに運用
日本株については、
- 個別株を引き続き物色していく方針
- 新NISA枠だけでなく、特定口座も活用しながら、短期・長期を織り交ぜたアクティブ運用を行っていく
と述べています。
インデックスと違い、
- 個別株枠は「半分アクティブ」
として、タイミングや銘柄選定を工夫しつつ、日本株市場のチャンスを取りにいくイメージです。
まとめ:2026年相場を考えるうえで押さえておきたいポイント
最後に、本記事の内容を踏まえ、2026年の投資環境を考えるうえで押さえておきたいポイントを整理します。
- IMFのベースシナリオでは、世界経済は「緩やかな成長」が続く見通しであり、急激な崩壊を前提としていない。
- BlackRock、JPモルガン、フィデリティなど、多くの機関が「AIは引き続き市場の主役であり、構造的な成長ドライバー」と見ている。
- 一方で、AI関連への過度な集中やレバレッジには注意が必要であり、ボラティリティ上昇リスクも意識されている。
- インフレ・金利は、コロナ前のような超低金利環境に簡単には戻らないとの見方が主流で、国債だけでなくクレジットやグローバル債券などを組み合わせた債券投資が意識されている。
- 日本株については、名目成長とガバナンス改革を背景に、複数の機関がポジティブなスタンスを取っている一方、日本国債や円の実質価値については慎重な見方もある。
- 米国株一極集中か、国際分散か、コモディティをどこまでポートフォリオの中心に据えるか、といった点では、機関ごとに見解が分かれている。
動画の投稿者自身は、
- 新NISAなどの長期積立はオルカン中心の「国際分散」を継続
- ゴールドは下落局面・横ばい局面で少しずつ買い増し
- AIは指数を通じて自然に保有しつつ、追加の過度な集中は避ける
- 日本株の個別銘柄については、特定口座も含めてアクティブに運用
という、バランス志向のスタンスを取っています。
大手機関投資家のアウトルックは、必ずしも「正解」ではありません。
彼ら自身も後から予測を修正することが珍しくない世界です。
しかし、「現時点でプロたちがどういう前提とリスク認識で世界を見ているのか」を俯瞰しておくことは、個人投資家にとっても有益な材料になります。


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