2026年1月のS&P500は“その年の勝敗”を決めるのか

本記事は、YouTube動画『【1月のS&P500は“その年の勝敗”を決める?】投資家が見落としがちな米国株のシーズナリティを解説します』の内容を基に構成しています。

2026年の米国株市場は年初から非常に重要な局面を迎えています。なぜなら2026年はアメリカ大統領の任期2年目にあたり、歴史的に株式市場のボラティリティが最も高く、パフォーマンスが不安定になりやすい年だからです。そうした中で迎える1月の値動きは、単なる月次の変動ではなく、その年全体の流れを占う重要なシグナルとして世界中の投資家に注目されています。

目次

なぜ1月のS&P500がその年の命運を握るのか

米国株式市場では「1月はその年を占う」と長年言われ続けてきました。これは単なる経験則ではなく、過去の統計データに裏付けられた現象です。

特にS&P500については、1月の値動きと年間リターンの間に強い相関関係が存在します。1952年以降のデータを見ると、1月がプラスで終わった年はその年全体もプラスになる確率が約75%から80%と非常に高い水準にあります。この統計が「1月バロメーター」と呼ばれる所以です。

投資家心理の観点から見ても、1年のスタートである1月の値動きは、その後の投資行動に大きな影響を与えます。年初から株価が上昇すれば楽観的なムードが広がり、資金がさらに株式市場に流れ込みやすくなります。逆に1月から下落すれば警戒感が高まり、資金がリスク資産から逃げやすくなります。

米国株に存在する1月特有の3つの重要指標

1月のシーズナリティを理解するためには、特に重要な3つの指標があります。

1月効果(January Effect)

1月効果とは、12月に行われた節税目的の売りが1月に買い戻されることで株価が上昇しやすくなるという現象です。投資家は年末に含み損のある銘柄を売却して税金を抑えるため、12月に一時的な売り圧力が発生します。その売りが終わると、1月に再び買い戻され、特に小型株を中心に株価が上昇しやすくなります。

ただし最近は、12月中に先回りして買われるケースも増えており、1月効果が以前ほど明確に出ないこともあります。

1月バロメーター(January Barometer)

1月のS&P500がプラスで終われば、その年全体もプラスになりやすいという統計的な法則です。先ほど触れたように、1952年以降の的中率は約75%から80%とされており、多くのプロ投資家がこの指標を意識しています。

最初の5営業日指標(First 5 Days Indicator)

年初の最初の5営業日がプラスで終わるかどうかも重要なシグナルです。

この5日間が上昇していれば、その年の年間リターンがプラスになる確率は80%を超えるというデータもあります。市場参加者の年初のスタンスを反映する非常に重要な期間とされています。

2026年は「大統領2年目」という特殊な年

2026年はアメリカ大統領の任期2年目にあたります。この年は中間選挙が行われるため、政権に対する評価や政治的な不透明感が高まりやすく、株価が不安定になりがちです。

歴史的に見ても、大統領2年目は4年サイクルの中で最も株価が伸びにくい年とされています。政策への不満、議会との対立、選挙対策のための予測不能な政策が市場の重しになります。

そのため2026年の1月は、単なる1年のスタートではなく「大統領2年目の最初の試金石」という意味合いを持ちます。この1月がプラスで乗り切れるかどうかは、その後の相場の安定性を左右します。

2026年1月のS&P500が示す2つのシナリオ

過去20年のデータを見ると、S&P500の1月は平均的にはそれほど強くありません。大きく上昇する年もありますが、パッとしない年も多いのが実情です。

2026年は以下の2つの力がせめぎ合っています。

1つは、大統領2年目特有の弱気要因です。政治的不透明感や中間選挙リスクにより、株価は下押しされやすくなります。

もう1つは、1月バロメーターや最初の5営業日指標による強気のシグナルです。1月がプラスになれば「今年はいける」という心理が広がります。

このどちらが勝つかが、2026年の方向性を決めることになります。

2026年1月の投資戦略の考え方

動画では、1月に注目すべきポイントとして以下が強調されていました。

サンタラリーが2025年末に不発だったことは要注意です。通常、12月後半から年初にかけて株価が上昇する傾向がありますが、それが崩れると年初の地合いが弱くなることがあります。

その上で、最初の5営業日の結果を必ず確認することが重要です。ここがプラスで終われば、1月バロメーターの信頼度が高まり、株式に前向きな姿勢を維持しやすくなります。

ただし、大統領2年目である以上、たとえ1月が上昇しても、途中で一部利益確定をして現金比率を高めたり、ディフェンシブ銘柄にシフトしたりするリスク管理が不可欠です。

為替市場における1月の特徴

株式だけでなく、為替市場にも1月特有の動きがあります。

ドルは1月に強くなりやすい

過去50年のデータでは、ドル指数は約65%の確率で1月に上昇しています。その理由は「リパトリエーション」と呼ばれる資金の還流です。12月に海外に流出していた資金が、新年になると米国に戻ってくることでドル買いが起こります。

その結果、ユーロは1月から2月、3月初旬にかけて下落しやすい傾向があります。

ドル円は円高になりやすい

ドル円は過去20年を見ると、年間を通じて円高傾向があり、1月に一度ドル高になった後に下落するパターンが多く見られます。現在の水準が150円台後半であることを考えると、160円への上昇余地は限られており、むしろドル売り・円買いの方が有利になる可能性があります。

さらに2026年はFRB議長の交代が5月に控えており、中央銀行の独立性への不安が為替のボラティリティを高めるリスクもあります。

ゴールドと原油の1月シーズナリティ

ゴールドは1年で最も強い季節の1つ

ゴールドは1月から4月にかけて上昇しやすいことで知られています。中国の春節やインドの結婚シーズンに向けた実需買い、新年のポートフォリオ見直しによる分散投資需要が価格を押し上げます。

さらに大統領2年目は株式市場が不安定になりやすく、安全資産としてのゴールド需要が高まりやすいため、2026年も守備的な資産として有力です。

原油は政治リスクと密接に連動

原油は通常、1月に底を付けて春から上昇しやすい傾向がありますが、現在は供給過剰気味であり、地政学リスクや政治介入の影響を強く受けます。ガソリン価格を抑えたい米国政府の意向が原油市場に介入する可能性もあり、2026年は特に注意が必要です。

1月の動きが2月以降の道筋を決める

1月は新NISAの一括投資などもあり、年初に資金が流入しやすい時期です。しかしその資金が一巡すると、2月以降に調整が入ることもあります。

2026年は大統領2年目ということもあり、1月に大きく動かず、様子見をしながら積立投資を中心に進める戦略も有効とされています。

まとめ

2026年の1月は、S&P500だけでなく、ドル、ゴールド、原油といったあらゆる市場の方向性を占う極めて重要な月です。特に大統領2年目という特殊な環境下では、最初の5営業日と1月全体の値動きが、その年の勝敗を大きく左右します。

株式が強ければ中期的な上昇トレンドが期待できますが、不調に終われば2月から3月にかけての調整に備え、現金比率や守備的資産へのシフトを検討すべき局面になります。

1月のシーズナリティを正しく理解し、感情ではなくデータに基づいて冷静にポートフォリオを構築することが、2026年の投資成功への第一歩となります。

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