本記事はYouTube動画「2026年4月〜、iDeCo不要に!?会社員は絶対注意!」を基にまとめています。
2026年4月から、企業型確定拠出年金(企業型DC)が大幅に制度改正される予定です。これにより「iDeCo(個人型確定拠出年金)はもう不要なのでは?」という声も出ています。
今回はその変更内容とメリット・デメリット、iDeCoとの比較、そして投資金額を決める上で注意すべき点を解説します。
目次
結論:会社員は自社の企業型DC制度を必ず確認せよ
- 2026年4月から企業型DCの掛金上限が 月額6万2000円 に拡大予定
- マッチング拠出の制限が撤廃 され、会社の拠出額に関わらず自分で上限まで積立可能に
- 年間74万円以上を非課税枠で投資できる可能性
- iDeCoとの使い分けが重要だが、条件次第では 企業型DC一本で十分 になる
企業型DCとは?iDeCoとの違い
まず基本を整理します。
項目 | 企業型DC(企業型確定拠出年金) | iDeCo(個人型確定拠出年金) |
---|---|---|
掛金 | 会社が拠出(マッチングで本人も可能) | 本人が拠出 |
上限額 | 現在:月額5.5万円 → 2026年4月から6.2万円 | 会社員:月額2万円(自営業は最大6.8万円) |
手数料 | 原則無料(会社負担) | 年間約2000円(加入者負担) |
運用商品 | 会社が選定、平均21本程度 | 金融機関ごとに30本前後、低コスト商品も多い |
引き出し | 60歳まで不可 | 同様に60歳まで不可 |
税制 | 掛金は全額所得控除、運用益も非課税 | 同様に優遇あり |
企業型DCの最大の特徴は「会社がお金を出す」という点です。運用成果は従業員次第ですが、節税効果も大きく、近年導入企業は 7400社以上、加入者862万人 と急増しています。
2026年4月からの制度改正ポイント
厚生労働省の資料によると、主な改正は以下の通りです。
- 掛金上限が月額6万2000円へ拡大
現行の5.5万円から引き上げ。年間で 74万4000円 を積立可能に。 - マッチング拠出の制限撤廃
これまでは「会社の拠出額までしか自分も拠出できない」という縛りがありました。
例:会社1万円 → 本人も1万円までしか拠出不可。
→ 制限撤廃後は、上限額(6.2万円)まで自分で自由に拠出可能に。
これにより、今まで「会社の掛金が少ないからiDeCoを使うしかなかった人」も、企業型DCだけで十分な拠出が可能になります。
企業型DC vs iDeCo 徹底比較
「iDeCo不要説」が出ていますが、本当にそうでしょうか?
掛金上限
- 企業型DC:2026年4月〜 月6.2万円
- iDeCo:2027年1月から上限引き上げ予定(会社員は現状2万円)
→ 上限額では企業型DCが優位。
手数料
- 企業型DC:無料(会社負担)
- iDeCo:年間約2000円(加入者負担)
→ 手数料面でも企業型DCが有利。
運用商品
- iDeCo:楽天・SBI・松井証券など、低コストのインデックスファンドが豊富
- 企業型DC:商品数は平均21本前後。ラインナップは改善傾向だが、信託報酬はやや高め
例:
- iDeCoのS&P500連動ファンド → 信託報酬 0.1%程度
- 企業型DCの同等ファンド → 信託報酬 0.2%程度
30年間積立で比較すると コスト差は約60万円以上 に。
注意点:出口課税を忘れてはいけない
企業型DC・iDeCoともに、60歳以降の受け取り時に 元本含めて課税 されます。
- 一時金で受け取れば「退職所得控除」が使える
- 年金形式で受け取れば「公的年金控除」の対象
例:
毎月5万円を30年間積立、年利5% → 65歳で 4100万円 に成長
- 掛金控除で30年間に370万円節税
- 受け取り時に約420万円課税
- 実質的なリターンは約3680万円
つまり「入り口(掛金)で節税 → 出口(受取時)で課税」の仕組み。投資額が大きすぎると出口課税が重くなるため、 シミュレーションが必須 です。
まとめ:2026年以降は「企業型DCを軸」にしつつ商品比較を忘れずに
- 企業型DCは2026年4月から掛金上限が6.2万円に拡大
- マッチング拠出の制限撤廃で「会社掛金が少ない人」も恩恵あり
- iDeCoは手数料負担がある一方で、低コストファンドが選べる強みあり
- 出口課税を見据え、投資金額はシミュレーションして調整が必要
結論としては、
- 会社員はまず 自社に企業型DCがあるか確認
- ラインナップが優良なら企業型DCを中心に
- 信託報酬が高いなら、iDeCoとの併用も検討
将来の資産形成のカギを握る大改正となるため、今のうちから制度を理解しておくことが重要です。
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