この記事は、YouTube番組「2Sides」の回「起業するならAI一択」を基に内容を整理したものです。小澤隆生氏(元Yahoo!執行役員・元楽天取締役、孫正義氏の側近経験者)と田中渓氏(元ゴールドマン・サックス投資部門トップ)が語った、AI時代における起業のチャンスと凡人が勝てる市場選びを分かりやすくまとめました。
目次
結論:起業するなら「AI×〇〇」しかない
両氏が口を揃えて言ったのは「AI一択」ということ。
- 新しい産業やサービスは今後20〜30年間、AIを軸に生まれていく
- すでに世界中のスタートアップは「AI×法律」「AI×不動産」「AI×教育」といった形で次々と誕生している
- 日本で今から参入しても全く遅くない
- インターネットや電気、自動車のように、AIは社会の基盤そのものを変える
つまり「AIを中心に据えなければ、スタートアップは勝ち目がない」という強烈なメッセージです。
「AI一択」の理由
1. インターネットの登場時と同じ構造
- インターネット初期も「アメリカ大手に勝てない」と思われたが、楽天やYahoo! Japanのように日本独自の成功例が誕生
- AIも同じで、地域や産業特有の課題をAIで解決すれば勝機がある
2. 既存産業を一変させる力
- 例:お団子屋でもAIを使えば製造や販売のコストが10分の1になり勝てる
- AIは新しいプラットフォームではなく「既存ビジネスを何倍にも強化する道具」
3. 成長スパンが長い
- インターネットは30年経った今も新しい会社が登場している
- AIも20〜30年は進化が続き、その間に無数の新規事業が出てくる
凡人でも勝てる市場選び
1. 「〇〇×AI」の〇〇を深く理解する
- 大切なのはAIではなく「〇〇」の方
- 例:美味しいお団子を作れない人がAIを使っても意味がない
- 既存の強み(本質的価値)を持つ企業や人がAIを掛け合わせることで爆発的に伸びる
2. 既存ビジネスにも大チャンス
- 成功している業界でもAIを導入すればさらに成長
- インターネット時代に証券会社が生き残ったのと同じ構造
3. 成功には「理由」を見抜く力
小澤氏は「人の行動には理由がある」と強調。
- ネット弁当事業で成功した理由は「美味しいだけでなく、写真が美味しそうだったから」
- 味は伝わらないネット空間では「見せ方」に5割の力を注いだ
- 単なる勘ではなく、人が買う理由を分析して事業に落とし込むことが重要
起業家に必要なスキル
1. 人の行動理由を理解する力
- 天才は直感で進むが、凡人は「なぜ選ばれるのか」を分析する必要がある
- 成功要因を再現できるようにすることで、連続して事業を立ち上げられる
2. チューニング力(田中氏)
- 組織の中で昇進する、投資先企業を伸ばす、どちらにも必要なのが「調整能力」
- 周囲や市場の状況に合わせて自分を最適化する力が、凡人の武器になる
3. 挑戦し続ける姿勢
- 技術の進化が速いため、今日の勝ち筋が明日変わる
- 毎日新しいテクノロジーを試し続ける姿勢が不可欠
事例:PayPayの爆発的成長
小澤氏が紹介した例が印象的でした。
- 日本でQRコード決済を導入した際、99%の人が「使わない」と答えた
- しかし中国で数日生活した経験から「一度慣れれば戻れない」と確信
- 「5回使えば絶対に定着する」と戦略を立て、莫大な資金を投じて利用を促進
- 結果、日本でキャッシュレスの新しい市場を作り上げた
ここから分かるのは「人の行動理由を深く理解し、仮説を信じて徹底的に実行する」ことの重要性です。
まとめ
- 起業を考えるなら「AI×〇〇」以外の選択肢はない
- 既存産業にもチャンスがあり、AIを導入できる者が勝者になる
- 凡人が勝つには「人の行動理由」を理解し、「チューニング力」で周囲や市場に合わせながら挑戦を続けること
AIはインターネット以上の変革をもたらす技術。
次の10年〜20年は、AIを使いこなせるかどうかが「起業の成否」を分ける決定的要因となるでしょう。
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