この記事は「9月権利落ちで急落続々安値!注目銘柄紹介」という元動画のタイトルおよび内容を基に作成しています。
結論
権利落ち直後は配当や優待の権利が外れるため理論上は配当相当分だけ株価が下がりますが、実際には需給悪化や直前の上昇の反動も重なり、配当以上に売られる銘柄が多くなります。
今回の配当以上の下げはチャンスになり得ます。
配当利回りが相対的に高く、ビジネスが安定的な大型株を中心に、時間分散で段階的に拾っていく戦略が現実的です。具体的には武田薬品、東京海上、KDDIなどは配当と事業の安定感から優先度が高い候補として検討に値します。
権利落ち日とは何か
権利確定日の翌営業日が権利落ち日です。この日以降に買っても直近の配当や優待はもらえません。
理論上、株価は配当金額ぶん切り下がるのが基本ですが、実際には以下が重なりやすく、配当以上に下げることがあります。
・配当取りの短期資金が一斉に売る需給悪化
・直前までの上昇の反動
・市況要因や個別材料の織り込み直し
こうした「行き過ぎ」の下落は、冷静に銘柄の価値と配当を見直す投資家にとってエントリー機会になります。
主要銘柄の下落状況と配当データ一覧
動画で挙げられた代表銘柄の権利落ち当日の動きと、配当関連の数字を整理しました。配当額や利回りは動画時点での言及に基づきます。
銘柄名 | 当日下落率の目安 | 直近の配当利回り・配当情報 | メモ |
---|---|---|---|
武田薬品 | 約4.6%安 | 利回り約4.7%前後。配当は期中で100相当に言及 | 直近も株価が崩れ安値圏との指摘 |
アステラス製薬 | 約2.7%安 | 通期78、上期39に言及 | 武田と比較し妙味はやや劣るとの所感 |
ホンダ | 約5.2%安 | 利回り約4.5%、通期70、上期35 | 自動車株の直前上昇の反動も示唆 |
トヨタ自動車 | 約3.4%安 | 利回り約3.3%、通期95、上期45 | 高値からの調整で押し目狙い候補 |
MS&AD | 約3.5%安 | 通期155、上期77.5 | 配当以上の下げで妙味 |
東京海上 | 約2.8%安 | 利回り約3.4%、通期210、上期105 | 利回り3.5%近辺なら面白い水準と評価 |
三井住友FG | 約3.25%安 | 通期136、上期68 | 配当相当並みの下げ |
三菱UFJ | 約2.8%安 | 通期70、上期35、利回り3%超 | 絶対値としては見られる水準 |
三菱商事 | 約2.8%安 | 通期110、半期55想定 | まだもう一段引きつけたい |
KDDI | 約2.4%安 | 通期80、上期40 | 直近崩れでさらに潜れば強い買い候補 |
旭化成 | 目安は配当以上の下げ | 利回り約3.4%、通期40、上期20 | 値ごろ感が出つつある |
日本郵船 | 約3.5%安 | 通期235、上期115 | 直近崩れで注目水準 |
期末一括系 | 個別によりまちまち | 配当と優待が期末集中 | 絶対値としての大幅安も |
注: 数値は動画の口頭言及を整理したもので、厳密な最新値は各社の開示や取引所データで要確認。
どれを優先するか 初心者向けの目安
- キャッシュ創出の安定性
通信、保険、医薬のように景気循環の影響が相対的に小さく、配当の持続性が見込みやすい銘柄は、初心者にとって心理的にも保有しやすいです。
候補例 KDDI、東京海上、武田薬品 - 配当利回りが相対的に魅力的
単なる利回りの高さではなく、事業の安定性とバランスを見ます。東京海上が3.4%台、武田薬品が4%台後半、KDDIが3%台後半〜4%近辺に来る場面は検討余地。 - 下げ過ぎの度合い
理論値以上に下げているかをざっくりチェック。上の一覧のように、半期配当の想定下げ幅より株価下落が大きければ、需給要因の売られ過ぎが含まれている可能性。
買い方の戦略 時間分散が基本
・一度に結論を出さない
権利落ち後は戻りもぶり返しの下げもあり得ます。資金を3〜5回に分け、株価がさらに下がるたびに同額を追加する方法が初心者には扱いやすいです。
・銘柄分散はしつつ、業種は絞る
やみくもに広げるより、安定配当の業種に的を絞って2〜4銘柄程度で組むとモニタリングが楽になります。
・目安価格帯を決めておく
例えばKDDIや東京海上が利回りで〇%台に届いたら一段買い増し、のように利回り逆算で水準感を決めておくと感情に流されにくくなります。
代表銘柄の投資ポイント要約
武田薬品
直近での下落と4%台後半の利回りが魅力。新薬の進捗や大型買収後の負債圧縮の道筋に注視。配当維持スタンスと現金創出力の確認が鍵。
東京海上
保険料改定や再保険市場の環境を追い風に収益性が底上げされてきた経緯。自己株買いと増配の実行力も注目点。利回りが3.5%近辺にくる場面は妙味。
KDDI
国内通信は成熟も、au経済圏の拡張や法人DX、金融・エネルギー周辺で中期成長を模索。ディフェンシブ性が高く、下値不安が比較的小さい。
ホンダ・トヨタ
直前の上昇分の反動で下げ幅が大きく出やすい。自動車は景気循環の影響を受けやすいため、押し目狙いは段階買いが基本。
MS&AD・三井住友FG・三菱UFJ
金利環境や与信コストの見通しがカギ。配当性向や自社株買いの方針、株主還元の継続性を確認しつつ、利回りで拾う発想が有効。
三菱商事
資源や非資源のポートフォリオが強み。コモディティ価格のボラティリティを受けるため、水準を引きつけて段階的に。
旭化成
化学・住宅・ヘルスケアの複合体。サイクルの影響を受けやすい面もあるが、利回りとバリュエーションに妙味が出やすい局面は拾い場。
日本郵船
海運は配当の変動幅が大きい業種。原則として保守的にサイズを抑え、押し目での打診から。
初心者がやりがちな失敗と回避策
失敗例1 権利落ち直後に全力買い
回避策 下げの二段目、三段目を想定し、数回に分ける
失敗例2 配当利回りだけで選ぶ
回避策 事業の安定性、過去の減配履歴、株主還元方針も必ず確認
失敗例3 同じ業種に集中しすぎる
回避策 通信・保険・医薬など性質の異なるディフェンシブを混ぜる
ざっくりチェックリスト
・配当以上に下げたか
・配当の持続力は高いか
・自社株買いや増配の実績はあるか
・直近決算の進捗は計画線上か
・高値圏からの調整幅は十分か
・段階的に買う資金配分を決めたか
まとめ
権利落ち後の「配当以上の下げ」は毎回起こる現象ではありませんが、需給悪化が重なった年は押し目が生まれやすくなります。今回も武田薬品、東京海上、KDDIなど、配当と事業の安定感が両立する銘柄が候補に挙がります。焦らず時間分散と銘柄分散を徹底し、利回り水準を指標に淡々と拾うのが王道です。
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