本記事は、YouTube動画『長期投資視点で選ぶ盤石の日本株6選』の内容を基に構成しています。
株式市場では、金利上昇や地政学リスク、景気後退への警戒など、相場を不安定にさせる材料が次々と浮上します。特に株価が大きく下落している局面では、保有している企業の将来性に自信を持てなくなり、安値で売却してしまう投資家も少なくありません。
そこで重要になるのが、短期的な株価の動きだけではなく、企業の事業基盤や競争力、株主還元姿勢などを踏まえて投資先を選ぶことです。
動画では、株式会社RES代表取締役の児玉一希氏が、長期投資の視点から注目したい日本株として、三井不動産、NTT、オリックス、MS&ADインシュアランスグループホールディングス、三菱重工業、SBIホールディングスの6社を紹介しています。
これらの銘柄は、それぞれ異なる経済環境で力を発揮する可能性があります。本記事では、長期保有銘柄を選ぶための5つの条件を確認したうえで、6社の特徴や成長材料、注意すべきリスクについて詳しく解説します。
なお、記事内で紹介する株価見通しや投資時期は動画出演者の見解であり、将来の値動きを保証するものではありません。
長期投資で保有できる「盤石な日本株」とは
ここでいう「盤石」とは、株価がまったく下がらないことを意味するものではありません。
どれほど優良な企業でも、金融市場の混乱や景気後退、金利上昇などの影響を受ければ、株価は大きく下落します。企業の業績が安定していても、株式市場全体が売られる局面では、その企業の株式も一緒に売却される可能性があります。
重要なのは、一時的に株価が下がったとしても、事業の必要性や競争力が失われず、長期的には成長を続けられるかどうかです。
動画では、相場が荒れているときでも比較的安心して保有しやすい企業を選ぶために、5つの条件が挙げられました。
長期保有銘柄を選ぶための5つの条件
国策または海外展開に関与している
1つ目は、政府の政策に関係する事業を展開しているか、海外市場の成長を取り込める企業であることです。
国策に関係する事業には、政府や公共部門から長期的に大規模な資金が流れ込む可能性があります。防衛、通信、エネルギー、デジタルインフラなどは、その代表例です。
一方、日本国内では人口減少が進んでいるため、国内市場だけを対象とする企業は、長期的な市場縮小の影響を受ける可能性があります。海外に事業を展開する企業であれば、世界経済や新興国市場の成長を取り込めます。
長期投資では、企業自身の競争力だけでなく、その企業が属する市場自体が拡大しているかどうかも重要になります。
業界内で代替されにくい
2つ目は、その企業に代わる存在が少ないことです。
完全な独占状態にある企業は多くありませんが、長年蓄積した技術や設備、ブランド、顧客基盤などによって、新規参入が難しい企業は存在します。
通信インフラや防衛装備、都市開発などは、資金さえあれば簡単に参入できる分野ではありません。長期にわたる研究開発、行政との調整、専門人材、巨大な設備などが必要になるからです。
代替されにくい企業は価格競争に巻き込まれにくく、利益率や市場での立場を維持しやすい傾向があります。
暴落時にも保有し続けられる
3つ目は、株価が暴落したときにも、その企業を信頼して保有できることです。
2020年のパンデミックや大規模災害のような予想外の出来事が発生すると、企業の実力とは関係なく株価が急落することがあります。その際、「混乱が収束した後にも、この企業のサービスは必要とされる」と判断できれば、慌てて売却する可能性を抑えられます。
ただし、心理的な安全性には主観的な面もあります。世間で優良企業と評価されていても、その企業の事業内容を理解できていなければ、株価下落時に不安を感じるでしょう。
反対に、事業内容とリスクを十分に理解し、「この企業が駄目なら仕方がない」と思えるほど納得して投資していれば、短期的な値下がりにも耐えやすくなります。
配当を維持する株主還元姿勢がある
4つ目は、配当を維持し、可能であれば増配を続ける姿勢があることです。
長期投資では、株価が何年も上がらない時期があります。そうした期間にも配当金を受け取れれば、落ち着いて投資判断を続けやすくなります。
一方、配当額が毎年大きく変動したり、業績悪化とともに減配したりする企業では、安定感が損なわれます。減配の発表によって株価がさらに下落することもあります。
そのため、単純に現在の配当利回りが高いだけでなく、過去の配当実績や配当方針、利益に対する配当の余裕などを確認する必要があります。
業績や株価を動かす要因が明確である
5つ目は、何が業績を押し上げ、何が業績を悪化させるのかを理解できることです。
業績と株価を動かす要因が分かれば、企業の調子が良く、株価も上昇しているときに飛び乗るのではなく、一時的な逆風によって割安になった局面で投資を検討できます。
例えば、不動産会社であれば金利や地価、賃料の動向が重要です。保険会社では金利、自然災害、保険金支払額などが業績に影響します。証券会社では株式市場の売買代金や投資人口が収益を左右します。
中期経営計画だけでなく、金利、為替、景気、政策といった外部のマクロ環境まで確認することが重要です。
6銘柄を3つの経済状況に分類
動画では、6銘柄を次の3つの状況に分けて紹介しています。
1つ目は「金利が高いときに注目したい銘柄」、2つ目は「金利が低いときに注目したい銘柄」、3つ目は「平時に注目したい銘柄」です。
特定の環境に強い銘柄だけに集中するのではなく、性質の異なる企業を組み合わせることで、さまざまな相場環境に対応しやすくなるという考え方です。
金利が高いときに注目したい盤石の日本株
三井不動産|インフレと都心再開発を成長に取り込む総合デベロッパー
最初に紹介されたのは、証券コード8801の三井不動産です。
三井不動産は、日本を代表する総合デベロッパーです。オフィスビル、商業施設、住宅、ホテル、物流施設など幅広い不動産事業を展開しています。近年ではデータセンターへの投資も強化しており、従来の不動産会社にとどまらない成長戦略を進めています。
金利上昇は不動産会社にとって逆風
不動産会社は、銀行などから巨額の資金を借り入れて開発事業を進めます。そのため、金利が上昇すると資金調達費用が増加し、利益を圧迫します。
この点だけを見れば、金利が高い時期は不動産株にとって不利です。実際に市場金利が急上昇する局面では、不動産会社の株価が下落しやすくなります。
しかし、金利上昇の背景にインフレがある場合、不動産会社にとって悪い面だけではありません。
インフレで不動産価値と賃料が上昇する可能性
不動産は代表的な実物資産です。インフレによって物価が上昇すると、土地や建物の資産価値も上がりやすくなります。
さらに、オフィスや商業施設の賃料を引き上げられれば、保有不動産から得られるストック収益も増加します。調達金利の上昇という逆風がある一方で、資産価値と賃料の上昇という追い風を受けられる可能性があるのです。
三井不動産は、日本橋をはじめとする東京都心の一等地に多くの優良物件を保有しています。日本全体では人口減少が進んでも、東京への人口集中は続く可能性があり、都市部の優良不動産には高い需要が残ると考えられます。
収益の4割以上を支えるストック型事業
動画では、三井不動産の収益の4割以上が、賃料や管理などのストック収益である点も評価されました。
不動産の売却益だけに頼る企業は、市況悪化時に収益が大きく変動します。これに対して、賃料や管理料が継続的に入る企業は、比較的安定した収益を確保できます。
また、三井不動産は単純なマンションや商業施設の建設にとどまらず、エンターテインメントや街づくりを組み合わせ、地域全体の価値を高める開発に積極的だと評価されています。
日本橋再開発とデータセンター投資
日本橋周辺では、首都高速道路の地下化を含む大規模な再開発が進められています。周辺の建物も順次建て替えられ、長期的には日本橋の街全体が大きく変化すると期待されています。
さらに三井不動産は、データセンター事業への投資を拡大する方針です。AIの普及に伴って大量の計算処理とデータ保存が必要になれば、データセンター需要は増加します。
データセンター投資が利益に貢献するまでには時間がかかりますが、その間に金利上昇が一服すれば、資金調達環境の改善と新規事業の収益化が重なる可能性があります。
したがって、金利高によって不動産株が売られている局面は、長期投資家にとって三井不動産を調べる機会になり得るという見方です。
NTT|安定した通信収益とIOWN構想を併せ持つ国策企業
続いて紹介されたのは、証券コード9432のNTTです。
NTTは、日本の通信インフラを支える代表的な企業です。通信サービスは景気が悪化しても利用をやめにくいため、一般的にディフェンシブ性の高い事業と考えられています。
株式分割によって比較的少額から購入できるようになったこともあり、個人投資家にとって身近な高配当株となっています。
通信事業が生み出す安定収益
景気が悪化したからといって、多くの人がスマートフォンやインターネットの利用を完全にやめるわけではありません。
そのため、NTTは通信料金から比較的安定した収益を得られます。日本の社会や経済活動に欠かせないインフラを提供していることも、長期保有における安心感につながります。
一方で、NTTは単に安定した通信会社として存在しているだけではありません。海外データセンターや次世代通信技術などに巨額の成長投資を行っています。
IOWN構想が将来の成長源になる可能性
NTTの長期的な成長材料として注目されているのが「IOWN構想」です。
IOWNは、光技術を通信だけでなくコンピューティング領域にも活用し、電力効率や処理能力を大幅に改善しようとする構想です。AIの普及によってデータセンターの消費電力が増加するなか、電力効率の高い情報処理基盤の重要性は高まっています。
動画では、NTTの光電融合技術と、半導体企業が進める技術開発との親和性も指摘されました。政府による研究開発支援が期待できる点も、国策銘柄として評価される理由です。
巨額投資と借入金には注意が必要
もっとも、成長投資がすぐに利益を生むとは限りません。
動画では、成長分野に関する当初の利益目標が後ろ倒しになっている点や、借入金が多い点が懸念材料として挙げられました。金利が高い状態が長引けば、支払利息が増加し、利益を圧迫します。
通信設備などの維持費も必要です。将来性のある研究開発であっても、売上や利益につながらなければ株主価値を高めることはできません。
したがって、投資家はNTTの成長投資分野における売上高や利益、計画の進捗を継続的に確認する必要があります。
短期的に株価が上がらない可能性も踏まえ、配当を受け取りながら少額ずつ保有する方法が動画では提案されました。
金利が低いときに注目したい盤石の日本株
オリックス|多角化経営と景気回復の恩恵に期待
金利が低いときに注目したい銘柄として、最初に紹介されたのが証券コード8591のオリックスです。
オリックスはリースを起点としながら、金融、保険、不動産、ホテル、航空機、船舶、環境エネルギー、事業投資など、極めて幅広い分野に進出しています。海外事業も展開しており、複数の収益源を持っていることが特徴です。
DHCの買収などを通じて、金融以外の分野にも事業領域を広げています。
事業分散は強みである一方、評価を難しくする
さまざまな事業を抱えている企業には、特定の事業が不調でも、別の事業で補えるという利点があります。
その一方で、企業全体の価値を評価しにくいという問題もあります。このように、複数の事業を持つ企業が、各事業の価値を合計した金額よりも低く評価される現象は「コングロマリット・ディスカウント」と呼ばれます。
しかし、どれか1つの事業で大きな成果が出れば、ほかの事業も含めて評価が見直されることがあります。動画では、この評価転換がオリックスの株価上昇につながる可能性が指摘されました。
景気悪化と金利低下の局面で株価が下がりやすい
オリックスは事業を分散していますが、景気の影響を受けない企業ではありません。世界的な景気後退が懸念される局面では、株価が大きく下落することがあります。
金利低下は一般的に株価へ追い風と考えられますが、金利が下がる理由が深刻な景気悪化であれば、オリックスの幅広い事業にも悪影響が及びます。
そのため、金利が低下し、景気への不安によって株価が売られた局面が、高配当で投資できる機会になる可能性があります。
航空機・船舶・大阪開発への期待
オリックスの成長分野として、航空機や船舶に関する事業が挙げられました。民間航空需要の回復や造船業への政策支援が進めば、関連事業に追い風となります。
また、オリックスは関西国際空港や大阪国際空港、神戸空港の運営に関係しています。動画では、大阪の副首都構想や交通インフラ整備、大規模再開発が具体化した場合、オリックスの存在感が高まる可能性があるとの見方が示されました。
ただし、こうした構想には不確実性があります。政策が実現することを前提に投資するのではなく、実際の制度設計や企業の参画状況を確認することが大切です。
MS&AD|安定した保険収入と割安感に注目
金利が低いときに注目したい2社目は、証券コード8725のMS&ADインシュアランスグループホールディングスです。
MS&ADは、三井住友海上火災保険やあいおいニッセイ同和損害保険などを傘下に持つ大手保険グループです。
保険会社には、契約者から継続的に保険料が入ってきます。解約が集中しない限り、一定のキャッシュフローを確保しやすいことが強みです。
保険会社と金利の関係
保険会社は、契約者から預かった保険料の多くを債券などで運用します。
金利が上昇すると、既に保有している債券の価格が下落し、含み損が発生する場合があります。一方、新たに購入する債券の利回りは高くなるため、中長期的には運用収益を改善しやすくなります。
反対に金利が低下すると、高い利回りで運用できる機会が減り、運用収益には逆風となります。そのため、金利低下によって保険株が売られた場面が、長期的な買い場になる可能性があります。
自然災害と保険金支払いが業績を左右する
損害保険会社にとって大きなリスクとなるのが、台風、豪雨、地震などの自然災害です。
大規模災害が発生すると保険金の支払額が増え、利益が減少します。災害の少ない年には保険金支払いが抑えられ、業績が改善しやすくなります。
投資を検討する際には、保険料収入や資産運用益だけでなく、自然災害による支払額や再保険コストも確認する必要があります。
政策保有株の売却と増配
MS&ADを含む大手保険会社は、政策保有株式の縮減を進めています。株式を売却して得た資金が成長投資や株主還元に使われれば、企業価値の向上につながります。
動画では、東京海上ホールディングスなどと比較したときのMS&ADの相対的な割安感も評価されました。増配を続けている点も、長期投資家にとって注目材料です。
もっとも、PBRなどの指標が低いだけで株価が上がるとは限りません。なぜ割安に放置されているのかを確認することも必要です。
平時に注目したい盤石の日本株
三菱重工業|防衛・宇宙・電力インフラを担う国策企業
平時に注目したい銘柄として紹介されたのが、証券コード7011の三菱重工業です。
三菱重工業は、防衛装備、航空宇宙、発電設備、船舶、産業機械など、日本の重要インフラを支える総合重機メーカーです。
防衛関連株の代表格として知られていますが、防衛だけに依存する企業ではありません。エネルギーや宇宙、AI関連の電力需要など、複数の成長テーマに関係しています。
防衛株は有事が起きる前に上昇することがある
動画で強調されたのが、「噂で買って事実で売る」という株式市場の性質です。
防衛株は、戦争や紛争が実際に始まってから上昇するとは限りません。国際情勢の緊張が高まる段階で、将来の防衛需要を見越した資金が流入し、株価が先に上昇することがあります。
そして、実際に有事が発生した時点では材料が織り込み済みとなり、利益確定売りによって株価が下がる場合があります。
動画では、過去の北朝鮮情勢、クリミア問題、ウクライナ侵攻などをめぐり、防衛株が実際の出来事に先行して動いた事例が紹介されました。
このため、ニュースで有事を知ってから慌てて買うのではなく、平時から防衛関連企業の業績や受注動向を確認しておくことが重要です。
防衛予算増額後の成長鈍化には注意
日本の防衛予算は大幅に拡大し、三菱重工業の株価も上昇してきました。
しかし、防衛予算が短期間で再び同じ割合だけ増えるとは限りません。市場が防衛費増額を十分に織り込んでいる場合、受注が増えても株価が上昇しないことがあります。
今後は、防衛関連の受注額だけでなく、利益率や生産能力、納期、採算性などを確認する必要があります。
高効率ガスタービンとAIの電力需要
三菱重工業のもう1つの強みが、高効率なガスタービンです。
ガスタービン・コンバインドサイクル発電では、天然ガスを燃焼させてガスタービンを動かし、その排熱で蒸気を作って蒸気タービンも稼働させます。2段階で発電するため、エネルギー効率を高められます。
AIデータセンターの増加によって電力需要が拡大すれば、高効率な発電設備への需要も高まる可能性があります。
ただし、データセンター向けの電力需要が予想を下回った場合は、成長期待が後退する恐れがあります。それでも三菱重工業には、防衛、航空機、宇宙、船舶など複数の事業があるため、ガスタービンだけに依存する「一本足」の企業ではありません。
H3ロケットを通じた宇宙関連の成長
三菱重工業は、国産基幹ロケットであるH3ロケットにも関係しています。
宇宙開発は、安全保障、通信、観測、災害対策などと密接につながる国策分野です。民間の宇宙ビジネスが拡大すれば、打ち上げや関連設備の需要も増える可能性があります。
三菱重工業は、防衛・宇宙・エネルギーという複数の国策に関係する企業として、長期的な注目を集めやすい存在です。
SBIホールディングス|投資人口とデジタル金融の拡大を取り込む
最後に紹介されたのが、証券コード8473のSBIホールディングスです。
SBIホールディングスは、SBI証券を中心に、銀行、保険、資産運用、暗号資産など幅広い金融サービスを展開しています。
新NISAの開始によって日本の投資人口が増えるなか、その恩恵を受ける代表的な企業の1つです。
新NISAによる投資人口の拡大
SBI証券は、楽天証券と並ぶ主要なインターネット証券です。
新NISAをきっかけに証券口座を開設する人が増えましたが、日本では今後も投資人口が拡大する余地が残されていると考えられます。
NISA取引そのものは低コスト化が進んでいるため、それだけで大きな利益を得られるとは限りません。しかし、利用者が増えれば、投資信託、FX、CFD、信用取引、暗号資産など、ほかのサービスを利用する顧客も増える可能性があります。
証券口座を入り口として、グループ内のさまざまな金融商品へ顧客をつなげられることがSBIの強みです。
地方銀行との連携と金利上昇の恩恵
SBIホールディングスは、地方銀行との資本・業務提携を進めています。
証券事業だけでなく銀行事業も持っているため、金利上昇局面では銀行の利ざや改善という恩恵を受ける可能性があります。
ただし、金融事業を幅広く展開しているため、どの部門が利益を伸ばし、どの部門がリスクを抱えているのかを個別に確認する必要があります。
暗号資産とステーブルコインも成長材料
SBIは暗号資産事業にも関わっています。動画では、ステーブルコインの取引拡大や暗号資産に関する税制変更の可能性が、将来の成長材料として紹介されました。
ビットコイン市場には、約4年に1度の半減期を中心としたサイクルがあるといわれています。過去には、半減期の前後で価格が大きく動き、暗号資産関連企業の業績や株価にも影響を与えてきました。
ただし、過去のサイクルが今後も同じように繰り返される保証はありません。暗号資産の税制についても、正式に決定された制度と検討段階の案を分けて考える必要があります。
株式市場が静かな時期に調べておく
証券会社は、株式市場が活況になると売買が増加し、収益を伸ばしやすくなります。その期待が株価に先に織り込まれることもあります。
反対に、市場の売買が減少し、投資家の関心が薄れている時期には株価が低迷しやすくなります。
動画では、このような「平時」や市場が閑散としている時期にSBIホールディングスを調べ、次の株式市場の活況に備えるという考え方が示されました。
6銘柄を組み合わせる意味
今回紹介された6銘柄は、それぞれ異なる要因によって業績や株価が動きます。
三井不動産は金利と不動産価格、NTTは通信収益と次世代技術、オリックスは景気循環と多角化事業、MS&ADは金利と自然災害、三菱重工業は防衛需要と電力インフラ、SBIホールディングスは投資人口と市場の売買活況が重要になります。
性質の異なる企業を組み合わせれば、特定の経済環境に資産全体が過度に左右されるリスクを抑えられます。
ただし、6銘柄を同じタイミングで一括購入する必要はありません。それぞれに適した投資環境や株価水準があるため、状況を見ながら段階的に投資する方法が現実的です。
一括投資ではなく3回程度に分けて買う
動画では、将来の最安値を正確に当てることは難しいため、購入時期を3回程度に分散する方法が提案されました。
金利や物価がどの水準で落ち着くのか、株価がどこで底を打つのかは、後にならなければ分かりません。「十分に安くなった」と思って一括投資した直後に、さらに大きく下落することもあります。
そこで、投資条件がある程度整ったと判断した段階で一部を購入し、その後の株価や経済指標を見ながら追加購入します。
株価が下がれば、より安い価格で買い増せます。最初の購入後に株価が上がり、追加投資の機会を逃したとしても、既に保有している分の評価額は増えています。
底値を完璧に当てようとせず、確率が高いと考えられる場面で少しずつ投資することが、再現性のある方法だという考え方です。
AI・グロース株だけでなくバリュー株にも目を向ける
AI関連株やグロース株が上昇しているとき、投資家の関心は成長性の高い一部の企業に集中します。その結果、業績や資産価値に対して株価が割安なバリュー株が放置されることがあります。
動画では、過去の季節的な傾向として、夏から秋にかけてバリュー株がグロース株を上回りやすい局面があるとの説明もありました。
配当の支払いや再投資、9月末の配当権利取りなどが、バリュー株への資金流入につながる可能性があります。
もちろん、過去の季節性が毎年必ず再現されるわけではありません。しかし、AI関連株の評価が高まり、バリュー株が相対的に出遅れている局面では、投資先を分散する意味でも割安株を調べる価値があります。
バリュー株は短期間で急騰するとは限りません。一方、企業価値に比べて低く評価された状態から適正水準へ戻る動きを狙えるため、時間をかけて保有できる投資家には適している可能性があります。
まとめ
今回の動画では、長期投資の視点から注目したい盤石の日本株として、次の6銘柄が紹介されました。
- 三井不動産
- NTT
- オリックス
- MS&ADインシュアランスグループホールディングス
- 三菱重工業
- SBIホールディングス
三井不動産は、金利上昇という逆風を受ける一方、東京都心の優良不動産、日本橋再開発、データセンター投資という長期的な成長材料を持っています。
NTTは、安定した通信収益に加え、IOWN構想やデータセンターなどの成長分野に投資しています。ただし、巨額投資の収益化や借入金の負担には注意が必要です。
オリックスは、金融、不動産、航空機、船舶、事業投資などの幅広い収益源を持っています。景気悪化で株価が下落した場面が、長期投資の機会になる可能性があります。
MS&ADは、保険料による安定収入、資産運用、政策保有株式の売却、増配姿勢が注目材料です。一方、金利動向や自然災害による保険金支払いを確認しなければなりません。
三菱重工業は、防衛、宇宙、発電設備という国策分野を担っています。有事が起きた後ではなく、平時から受注や株価を確認しておくことが重要です。
SBIホールディングスは、新NISAによる投資人口の拡大、地方銀行との連携、暗号資産やデジタル金融の成長を取り込める可能性があります。
長期投資で大切なのは、有名企業だからという理由だけで購入することではありません。その企業が何によって利益を上げ、どのような環境で業績が悪化するのかを理解する必要があります。
また、優良企業であっても購入価格が高すぎれば、十分な投資成果を得られない場合があります。一括で買うのではなく、金利、景気、株価水準を確認しながら複数回に分けて投資することも有効です。
短期的な話題に集中しすぎず、国策、競争優位性、配当、景気循環、株価を動かす要因を総合的に確認することが、長期にわたって保有できる日本株を見つけるための基本となります。


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