本記事は、YouTube動画『1株の種まきで5年後の株主優待を1.5倍にする方法』の内容を基に構成しています。
株主優待を受け取るには、通常100株以上の保有が必要です。しかし、動画では最初から100株を購入するのではなく、まず1株だけ保有し、将来の株主優待に備える「1株の種まき戦略」が紹介されています。
この方法の中心となるのが、株主ごとに割り当てられる「株主番号」です。
企業によっては、株主番号が継続している期間を基準に長期保有年数を判定しています。その仕組みを利用し、少額で株主としての保有期間を積み上げながら、本格的に投資する時期を待つという考え方です。
ただし、すべての企業で利用できる方法ではありません。株主優待の判定条件や株主番号の扱いは企業ごとに異なるため、実践する前には必ず最新のIR情報を確認する必要があります。
1株だけ先に買う「種まき戦略」とは
一般的な株主優待は、権利確定日に100株以上を保有している株主を対象にしています。
一方、長期保有優遇制度を導入している企業では、1年以上、3年以上、5年以上など、一定期間継続して株式を保有した株主に対して、通常より多くの優待品やポイントを提供することがあります。
動画で紹介されている戦略は、最初から100株を買うのではなく、まず1株だけ購入して株主番号を取得するというものです。
その後も1株を売らずに保有し続け、株価が下落した場面や資金に余裕ができた時点で、株主優待に必要な株数まで買い増します。
企業が株主番号の継続期間によって長期保有を判定している場合、1株しか持っていなかった期間も保有年数に含まれる可能性があります。
例えば、1株を5年間保有した後に100株まで買い増した場合、企業側から5年以上継続している株主として扱われることがあるという仕組みです。動画では、KDDIを具体例として、1年以上の保有と5年以上の保有で受け取れる優待額が異なるケースが紹介されています。
株主番号が長期保有判定の鍵になる
株主番号とは何か
株主番号とは、企業の株主名簿に登録された株主に割り当てられる番号です。
証券会社の口座番号とは異なり、それぞれの企業が株主を管理するために使用します。株主名簿に同じ名義で継続して記載されていれば、原則として同じ株主番号が維持されます。
長期保有優遇制度を採用する企業の中には、一定回数以上、同一の株主番号で株主名簿に記載されていることを条件としている企業があります。
このため、1株でも継続して保有していれば、優待を受け取れる株数に達していなくても、長期保有期間だけを積み上げられる可能性があります。
すべての企業で使えるわけではない
注意したいのは、株主番号だけで長期保有を判定する企業ばかりではないことです。
企業によっては、次のような条件が設けられています。
- 毎回の基準日に100株以上を保有していること
- 一定期間、優待に必要な株数を継続保有していること
- 株主名簿に連続して所定回数以上記載されていること
- 基準日以外にも株式保有状況を確認すること
1株だけ保有していても、100株以上を保有していた期間しか長期保有年数として認められない企業もあります。
したがって、「1株を買えば、どの企業でも長期保有条件を満たせる」と考えるのは危険です。
1株戦略のメリット
少額で長期保有期間をスタートできる
1株戦略の大きなメリットは、少額で始められることです。
日本株は通常100株単位で売買されますが、証券会社の単元未満株サービスを利用すれば、1株から購入できます。
株価が3000円の銘柄であれば、100株を購入するためには約30万円が必要です。一方、1株だけであれば約3000円で株主になれます。
将来購入する可能性がある銘柄を少額で保有し、保有期間だけを先に積み上げられる点が、この戦略の特徴です。
株価下落による損失を抑えられる
最初から100株を購入した直後に株価が大きく下落すると、優待額を大幅に上回る含み損を抱える可能性があります。
例えば、30万円分の株式を購入して株価が半値になれば、含み損は約15万円です。年間数千円の株主優待を受け取ったとしても、株価下落による損失を補うことはできません。
一方、3000円分の1株だけを保有していた場合、株価が半値になっても含み損は約1500円です。
動画では、少額で株主番号を維持しながら、株価が割安になったタイミングで本格的に買い増す考え方が紹介されています。
購入時期を分散できる
1株だけ保有しておけば、その後の買い増し時期を自分で選べます。
株式市場全体が下落したときや、企業業績に問題がないにもかかわらず株価が下がったときに、優待に必要な株数まで買い増すことも可能です。
ただし、安値を正確に見極めることはできません。株価が下がったからといって、必ず反発するわけでもありません。
1株戦略は、暴落リスクをなくす方法ではなく、最初に投じる金額を抑える方法と考えるべきです。
動画で紹介された生活密着型の優待株
動画では、日常の買い物に利用しやすい株主優待銘柄として、ビックカメラ、イオン、オートバックスセブン、DCMホールディングス、良品計画、ヤマダホールディングスなどが紹介されています。
ビックカメラ
ビックカメラは、家電量販店などで利用できる買い物優待券を提供しています。
動画では、長期保有によって優待券が追加され、保有期間が長くなるほど受け取れる金額が増える銘柄として紹介されています。
優待券はビックカメラだけでなく、グループ企業のコジマやソフマップなどでも利用できるため、使いやすいことが特徴です。
イオン
イオンの株主優待では、保有株数に応じたキャッシュバックを受けられるオーナーズカードが知られています。
対象店舗での買い物金額に対して、保有株数に応じた割合が還元されます。イオンシネマなど、グループ施設での特典も用意されています。
日常的にイオン系列の店舗を利用する家庭にとっては、生活費の削減につながりやすい優待です。
ただし、キャッシュバック率を高くするには多くの株数が必要です。優待率だけでなく、必要投資額も確認する必要があります。
オートバックスセブン
オートバックスセブンは、一定期間以上の保有を条件にポイントを提供する長期保有型の銘柄として紹介されています。
保有期間が長くなるほど受け取れるポイントが増える仕組みで、配当と優待を合わせた総合的な還元が注目されています。
自動車を所有している人であれば、タイヤ、オイル、車検用品などの購入に活用しやすい優待です。
DCMホールディングス
DCMホールディングスは、ホームセンターで利用できる買い物優待券を提供しています。
動画では、通常の優待額は小さいものの、一定期間以上保有すると優待額が大きく増える銘柄として取り上げられています。
ホームセンターを日常的に利用する人にとっては、長期保有による恩恵を実感しやすい銘柄といえます。
良品計画
無印良品を運営する良品計画は、店舗やネットストアで利用できる割引特典を提供しています。
無印良品は通常時の大幅な値引きが少ないため、日常的に商品を購入する人にとっては、一定割合の割引でも実質的な効果が大きくなります。
一方、配当利回りだけを見ると高配当株とはいえません。無印良品での買い物が多い人向けの生活密着型優待と考えられます。
ヤマダホールディングス
ヤマダホールディングスは、比較的少ない投資金額で100株を保有しやすい銘柄として紹介されています。
家電だけでなく、家具や住宅関連事業も展開しているため、優待券を利用できる範囲が広い点が特徴です。
1株あたりの価格も比較的低く、単元未満株による種まきを始めやすい銘柄の1つとして動画では取り上げられています。
外食費の節約につながる株主優待
外食企業の株主優待は、食事券や電子ポイントとして受け取れるケースが多く、家族で利用しやすいことが特徴です。
動画では、すかいらーくホールディングス、コロワイド、トリドールホールディングス、クリエイト・レストランツ・ホールディングス、松屋フーズホールディングス、日本マクドナルドホールディングスなどが紹介されています。
すかいらーくホールディングス
すかいらーくホールディングスの優待は、ガスト、バーミヤン、ジョナサンなどのグループ店舗で利用できます。
利用可能な店舗数が多いため、外食系優待の中でも使いやすいことが特徴です。
保有株数が増えるほど優待額も増えますが、株数を増やすと投資金額も大きくなるため、優待額だけで判断しないことが重要です。
コロワイド
コロワイドは、かっぱ寿司、牛角、温野菜、フレッシュネスバーガーなど、複数の外食ブランドをグループ内に持っています。
年間の優待ポイントが大きい一方、優待を受け取るために必要な株数が多く、最低投資額も高くなります。
外食を頻繁に利用する人には魅力がありますが、配当よりも優待を重視した銘柄です。
トリドールホールディングス
丸亀製麺を運営するトリドールホールディングスは、グループ店舗で利用できる優待券を提供しています。
国内の丸亀製麺だけでなく、複数の外食ブランドを展開しており、海外事業にも力を入れています。
優待だけでなく、海外店舗の成長性も確認したい企業です。
クリエイト・レストランツ・ホールディングス
クリエイト・レストランツ・ホールディングスは、多数の外食ブランドを運営しています。
磯丸水産や商業施設内のレストラン、フードコートなど、利用できる店舗の種類が多いため、優待券を消化しやすい点が特徴です。
比較的少ない投資金額から優待を受け取れる外食株として、動画では入門向けの銘柄として紹介されています。
松屋フーズホールディングス
松屋フーズホールディングスは、松屋や松のやなどで利用できる食事優待券を提供しています。
動画では、長期保有によって受け取れる食事券の枚数が増える銘柄として紹介されています。
配当利回りは高くありませんが、店舗を頻繁に利用する人であれば、食費の削減効果を得やすい優待です。
日本マクドナルドホールディングス
日本マクドナルドホールディングスは、バーガー、サイドメニュー、ドリンクと交換できる優待券を提供しています。
人気の高い株主優待ですが、100株を購入するために必要な金額は比較的大きくなります。
動画では、最初から100株を購入せず、1株だけ保有して将来の買い増しに備える候補として取り上げられています。
ただし、長期保有条件を満たすために必要な株数や判定方法は変更される可能性があるため、購入前の確認が欠かせません。
配当と優待の両方を狙う銘柄
動画では、株主優待だけでなく、配当収入も期待できる銘柄として、ソフトバンク、NTT、ヒューリック、JR西日本、近鉄グループホールディングスなどが紹介されています。
ソフトバンク
ソフトバンクは、比較的少ない投資金額で100株を保有できる通信株です。
動画では、一定期間以上保有した株主を対象とした電子マネー関連の特典と、配当の両方を狙える銘柄として紹介されています。
通信事業は継続的な収入を得やすい一方、設備投資や競争環境、親会社との関係なども確認する必要があります。
NTT
NTTは、株式分割によって1株あたりの価格が低くなり、個人投資家が購入しやすくなった銘柄です。
動画では、一定年数の保有に応じてポイントが提供される仕組みが紹介されています。
ただし、ポイントは毎年受け取れるものではなく、所定の保有年数に達した際に1回限り付与される形式です。
ヒューリック
ヒューリックは、東京都心部を中心に不動産を保有する企業です。
配当に加えて、一定株数と長期保有条件を満たすことでカタログギフトを受け取れる銘柄として知られています。
ただし、優待を受け取るには100株ではなく、より多くの株数が必要です。1株だけを保有していた期間が長期保有判定に含まれるかどうかは、最新の条件を確認する必要があります。
JR西日本
JR西日本は、鉄道運賃や料金の割引券を提供しています。
新幹線や特急列車を利用する人にとっては、1回の利用でも大きな節約効果を得られる場合があります。
一方、鉄道株は景気、観光需要、自然災害、設備投資などの影響を受けます。優待券の金額だけでなく、事業リスクも考慮する必要があります。
近鉄グループホールディングス
近鉄グループホールディングスは、鉄道だけでなく、ホテル、観光施設、不動産など幅広い事業を展開しています。
沿線に住んでいる人や、名古屋、伊勢志摩方面へ移動する機会が多い人にとっては、乗車券や施設割引を活用しやすい銘柄です。
鉄道系優待は利用地域が限定されるため、自分の生活圏と合っているかを確認することが重要です。
趣味や生活を豊かにする優待銘柄
動画の後半では、楽天グループ、ヤマハ発動機、パピレス、エディオン、ライオン、ベルーナ、ラオックスホールディングスなども紹介されています。
楽天グループ
楽天グループは、楽天モバイルに関する株主優待を提供しています。
通信費を直接削減できる可能性があるため、配当がなくても、実生活における効果が大きい優待として紹介されています。
ただし、優待内容は変更されやすいため、無料期間、データ容量、対象者などを毎年確認する必要があります。
ヤマハ発動機
ヤマハ発動機は、地域の特産品などから選べるポイント型の株主優待を実施しています。
長期保有によってポイント数が増える仕組みがあり、配当と優待を組み合わせた総合的な還元が期待されます。
バイクメーカーの印象が強い企業ですが、船外機や水上バイクなどのマリン事業も重要な収益源です。
パピレス
パピレスは、電子書籍サービスで利用できるギフトコードを提供しています。
漫画や電子書籍を日常的に購入する人にとっては高い優待効果がありますが、サービスを利用しない人には価値がほとんどありません。
優待利回りの数字だけでなく、自分が実際に使うかどうかで判断する必要があります。
エディオン
エディオンは、家電量販店などで利用できるギフトカードを提供しています。
長期保有によってギフトカードの金額が増える仕組みがあり、家電や生活用品を定期的に購入する人に向いています。
優待券には有効期限があるため、届いたまま放置せず、利用計画を立てることも重要です。
ライオン
ライオンは、洗剤、歯磨き用品、シャンプーなどの自社製品を株主優待として提供しています。
日常生活で消費する商品が中心であるため、使い道に困りにくいことが特徴です。
金券型の優待と比べて換金性はありませんが、生活費の削減につながりやすい優待です。
1株戦略で注意すべきリスク
株主優待が廃止される可能性がある
株主優待制度は永久に続くとは限りません。
企業の業績悪化や株主還元方針の変更によって、優待額の減額、条件変更、制度廃止が行われることがあります。
動画では、かつて人気の優待銘柄だったオリックスが株主優待を廃止し、その分を配当などの株主還元に振り向けた事例が紹介されています。
1株を長期間保有していたとしても、優待制度そのものがなくなれば、当初の計画は成立しません。
株主番号が変わる可能性がある
保有株をすべて売却すると、株主名簿から外れ、株主番号が変わる可能性があります。
証券会社の貸株サービスを利用している場合も、設定や企業の判定方法によっては長期保有条件に影響することがあります。
また、複数の証券会社で同じ銘柄を保有した場合や、住所・名義を変更した場合の扱いも確認が必要です。
確実性を高めるためには、同一名義で株式を継続保有し、権利確定日ごとの保有状況を記録しておくことが大切です。
優待より株価下落の方が大きくなることがある
年間3000円の優待を受け取れたとしても、株価が5万円下落すれば、資産全体では損失です。
株主優待は企業が提供する付加的な利益であり、株価下落を防ぐものではありません。
優待内容だけで銘柄を選ばず、売上、利益、配当方針、財務状況、将来性なども確認する必要があります。
動画内の株価や優待内容は変動する
動画で紹介されている株価、配当利回り、優待内容、必要株数は、撮影時点の情報です。
株価は毎日変動し、配当や優待制度も変更されます。動画内では20銘柄以上が紹介されていますが、投資判断を行う際には、それぞれの企業が公開している最新の決算資料と株主優待情報を確認する必要があります。
1株戦略が向いている人
1株戦略は、将来的に購入したい銘柄があるものの、すぐに100株分の資金を用意できない人に向いています。
また、株主優待に興味はあるものの、最初から大きな金額を投資することに不安がある初心者にも取り組みやすい方法です。
一方、数年以内に優待制度が廃止される可能性や、1株保有期間が長期保有として認められない可能性もあります。
そのため、1株を購入しただけで将来の優待が保証されたと考えるのではなく、少額で企業を観察するための入口として利用するのが現実的です。
1株を保有すると、その企業の決算、配当、株価、商品、サービスに自然と関心を持つようになります。長期保有条件を満たせなかった場合でも、企業分析を始めるきっかけとしては意味があります。
まとめ
動画で紹介された「1株の種まき戦略」は、単元未満株を利用して株主番号を先に取得し、長期保有期間を積み上げながら、本格的な買い増し時期を待つ方法です。
最初から100株を購入する場合と比べて投資金額を抑えられるため、株価下落時の損失を小さくしながら、将来の株主優待に備えられる可能性があります。
特に、1年以上、3年以上、5年以上などの長期保有によって優待内容が増える企業では、うまく条件を満たせれば大きなメリットを得られます。
ただし、長期保有の判定方法は企業によって異なります。1株だけを保有していた期間が必ず長期保有期間として認められるわけではありません。
さらに、株主優待の変更や廃止、株価下落、業績悪化といったリスクもあります。
実践する際は、次の点を必ず確認することが重要です。
- 長期保有の判定に必要な株数
- 株主名簿への記載回数
- 同一株主番号の継続条件
- 優待を受け取るための基準日
- 最新の優待内容と配当方針
株主優待は、単純な利回りの高さだけでなく、自分が実際に利用できるかどうかが重要です。
日常的に利用する店舗やサービスを提供している企業を選び、事業内容や財務状況も確認したうえで、無理のない金額から始めることが、1株戦略を活用する基本といえるでしょう。


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