仕事を辞めるまでに年間120万円の配当金を作る方法|高配当株を握り続ける「ゴリラ握力」の考え方

本記事は、YouTube動画『仕事をやめるまでに年間120万円の配当金を手に入れる最強の株式投資』の内容を基に構成しています。

株式投資で難しいことと聞くと、多くの人は銘柄選びや売買のタイミングを思い浮かべるかもしれません。しかし、実際には自分が選んだ株を長期間にわたって保有し続けることも、非常に難しい課題です。

株価が上がれば利益を確定したくなり、下がれば不安になって売却したくなります。投資方針を決めていたとしても、日々変動する評価額を目にすると、冷静さを保つことは簡単ではありません。

動画では、高配当株投資で知られる配当太郎氏の著書をもとに、仕事を辞めるまでに年間120万円、つまり月10万円の配当金を目指す考え方が紹介されています。

特に注目されているのが、配当株を長く持ち続けるための「ゴリラ握力」という考え方です。含み損との向き合い方、株価変動に振り回されないための心理的な工夫、KDDI株を待機資金のように活用する発想、さらに厳選された日本株21銘柄について詳しく解説されています。

目次

年間配当金120万円は現実的な目標なのか

配当太郎氏は、これまでにも高配当株投資に関する書籍を出版しています。前作では年間配当金240万円という数字が掲げられていましたが、今回の目標は年間120万円に設定されています。

数字だけを見ると、目標が半分に縮小したように感じるかもしれません。しかし、今回のテーマには「仕事を辞めるまでに」という条件が加えられています。

年間120万円は、月額にすると10万円です。生活費のすべてを配当金でまかなうことは難しくても、毎月10万円の収入が加われば、退職後の生活に大きな安心感が生まれます。

前作よりも目標を現実的な水準に設定することで、幅広い投資家にとって手が届く内容になっていると考えられます。投資経験の少ない初心者でも読みやすく、長期的な資産形成を始めるきっかけにしやすい構成です。

配当太郎氏の3冊の違い

配当太郎氏の書籍は、3冊を通じて増配株投資の考え方を段階的に解説しています。

1冊目は、高配当株や増配株投資の入門編に近い内容です。企業の配当金が毎年成長していく増配株を保有し、年間配当金100万円を目指すまでのステップが紹介されていました。

2冊目では、年間配当金の目標がさらに大きくなり、資産形成のシミュレーションや計算に関する説明も増えています。

今回の3冊目は、配当株を長期間保有し続けるための心理面に重点が置かれています。

増配株がなぜ有効なのかという理論は、1冊目と2冊目である程度完成されています。しかし、理屈を理解していても、10年や15年にわたって株を保有し続けられるとは限りません。

株価が下落すると、投資方針に自信が持てなくなることもあります。逆に株価が上昇すると、配当目的で購入した株であっても、売却して値上がり益を確定したくなるかもしれません。

3冊目では、こうした心理的な揺れを乗り越え、長期保有を続けるための考え方が補強されています。

配当金を増やす3つのエンジン

配当太郎氏の投資法では、配当金を増やすために3つのエンジンを回すことが重要とされています。

  • 企業による増配
  • 受け取った配当金の再投資
  • 自己資金による追加投資

この考え方は、過去の書籍でも一貫して紹介されています。

第1のエンジンは、企業自身による増配です。保有株数が変わらなくても、企業が1株当たりの配当金を増やせば、受取配当金は自然に増えていきます。

第2のエンジンは、受け取った配当金の再投資です。配当金を生活費として使わずに、さらに高配当株や増配株の購入に回せば、保有株数を増やすことができます。

第3のエンジンは、給与などから追加資金を投入することです。働いて収入を得られる期間に自己資金を投資へ回せば、資産形成の速度を高められます。

企業の増配、配当金の再投資、自己資金による追加投資を組み合わせることで、時間をかけながら年間配当金を積み上げていくのが基本戦略です。

高配当株投資に必要な「ゴリラ握力」とは

配当太郎氏は、高配当株投資で重要な能力を「ゴリラ握力」と表現しています。

ゴリラ握力とは、自分が購入した株を、多少の株価変動があっても簡単に手放さず、長期的に保有し続ける力です。

もちろん、どのような企業でも無条件に持ち続ければよいわけではありません。企業の業績が大きく悪化し、配当を維持できなくなった場合には、投資判断を見直す必要があります。

一方で、企業が利益を出し続け、財務基盤にも問題がないにもかかわらず、株式市場全体の下落によって株価が下がることは珍しくありません。

こうした局面で慌てて売却せず、企業の利益や配当の持続性を確認しながら保有を続ける力が求められます。

「含み損は筋肉痛」と考える

本書の中で特に印象的な表現として紹介されているのが、「含み損は筋肉痛」という言葉です。

筋力トレーニングをすると、翌日以降に筋肉痛が起きることがあります。筋肉痛はつらいものですが、筋肉が刺激を受け、強くなろうとしている過程とも考えられます。

これと同じように、利益を出している健全な企業の株が一時的に含み損になっている状況を、企業や投資家が成長するための期間と捉える考え方です。

株を購入した直後に株価が下がると、自分の判断が間違っていたのではないかと不安になります。しかし、株価が下落したからといって、必ずしも企業価値まで下がったとは限りません。

市場全体の下落や一時的な材料によって、優良企業の株価が売られることもあります。企業が安定して利益を上げ、配当も維持できているのであれば、含み損を必要以上に恐れる必要はありません。

ただし、業績が悪化し続けている企業や財務状態に問題がある企業の場合は別です。「含み損は筋肉痛」という考え方は、あくまでも適切な銘柄選びをしていることが前提となります。

資産評価額は最大値の7割で考える

株価の変動に振り回されないための考え方として、資産評価額を最大値の7割程度で見積もる方法も紹介されています。

株式を保有していると、相場の上昇によって資産評価額が過去最高を更新することがあります。資産管理アプリを見て、自分の資産が増えたことに喜ぶ人も多いでしょう。

しかし、株式の評価額は常に変動します。今日の資産評価額が1000万円であっても、相場環境が変われば短期間で800万円や700万円になる可能性があります。

最初から評価額の7割程度が実質的な資産額だと考えておけば、株価が下落しても過度に落ち込まずに済みます。

たとえば、資産評価額が1000万円まで増えたとしても、「自分の資産は安全を見て700万円程度」と考えておきます。その後、相場下落で800万円になったとしても、想定の範囲内と受け止めやすくなります。

評価額の最高値を自分の資産として固定的に認識してしまうと、下落時の精神的な負担が大きくなります。あらかじめ余裕を持った金額で見積もることが、長期投資を続けるうえで有効です。

株価のプラスマイナス10%は誤差と考える

配当株投資では、株価のプラスマイナス10%程度を誤差の範囲と考える姿勢も大切です。

高配当株投資の主な目的は、株価の値上がり益を得ることではなく、企業から継続的に配当金を受け取ることです。

そのため、株価は売買判断のための値札にすぎないと考えることができます。

株価が上がったからといって、すぐに売却する必要はありません。反対に、株価が少し下がったからといって、悲観する必要もありません。

日々変動する株価を細かく追い続けると、本来の目的である配当金の積み上げを忘れてしまいます。企業の利益や配当方針に問題がないのであれば、短期的な株価変動は誤差として受け止めることが重要です。

安値覚えの罠を避ける

投資家が陥りやすい心理の1つに、「安値覚え」があります。

安値覚えとは、過去の安い株価を基準にしてしまい、現在の株価では高すぎると感じて購入できなくなる状態です。

たとえば、過去に1000円だった株が現在1500円になっていると、「1000円まで下がったら買おう」と考えてしまうことがあります。しかし、その企業が成長していれば、以前の1000円まで戻らない可能性もあります。

安値にこだわりすぎると、優良銘柄を購入する機会を逃してしまいます。その結果、単に株価が安いだけで成長性の乏しい銘柄ばかりがポートフォリオに増えることもあります。

本書では、こうした安値覚えを避ける方法として「足跡を残す」という考え方が紹介されています。

少額購入で「足跡を残す」

足跡を残すとは、購入を検討している銘柄を少額だけ買っておく方法です。

最初から大きな金額を投入するのではなく、単元未満株などを使って少しだけ保有します。少額でも株を購入すると、その購入価格が自分の判断基準になります。

その後、株価が購入価格から10%や20%下がった場合には、追加購入を検討しやすくなります。

過去の最安値と比較するのではなく、自分が実際に購入した価格を基準にするのがポイントです。

少額購入であれば、購入直後に株価が下がったとしても心理的な負担は大きくありません。優良銘柄の値上がりを眺め続けるだけになることも防げます。

高値で買ったことを後悔するよりも、買わなかったことを後悔する場面は少なくありません。少額でも足跡を残しておくことは、投資機会を逃さないための現実的な方法といえます。

配当金を日常生活に落とし込む

配当株を長く保有するためには、受け取る配当金を日常生活の支出と結びつけて考える方法も有効です。

配当金を単なる数字として見ると、株価が上昇したときに売却して利益を確定したくなることがあります。

しかし、年間の配当金が毎月の水道代に相当すると考えれば、その株を売却する意味が変わってきます。

たとえば、ある銘柄から年間3万円の配当金を受け取っている場合、その配当金で毎月の水道代の一部をまかなえるかもしれません。

別の銘柄から年間6万円の配当金を受け取っているなら、毎月の通信費や電気代に相当する可能性があります。

株を売却すれば、短期的には大きな値上がり益を得られるかもしれません。しかし、その株を手放すことは、将来受け取る予定だった配当金も手放すことを意味します。

配当金を生活費と関連づけることで、配当株を「金のなる木」として実感しやすくなり、簡単には売却しなくなります。

40代や50代からでも配当株投資は遅くない

動画では、特に40代や50代の投資家にも配当株投資が向いていると説明されています。

この年代になると、若い頃よりも給与が増えていたり、子どもの進学や住宅関連の大きな支出が一段落していたりする人もいます。

投資に回せる資金や精神的な余裕が生まれやすい時期でもあります。

仮に労働収入が65歳で途絶えるとすると、50歳からでも15年間の運用期間があります。15年間にわたり、追加投資と配当金の再投資を続ければ、配当収入を積み上げることは十分に可能です。

必ずしも年間120万円に到達する必要はありません。年間60万円でも、月額にすれば5万円です。退職後に毎月5万円の配当収入があれば、生活の安心感は大きく変わります。

若い頃から投資を始めるほど運用期間は長くなりますが、40代や50代には投資資金を確保しやすいという強みがあります。

値上がり益を狙って短期間で資産を増やそうとするより、安定した企業の配当を積み上げる方が、年齢を重ねてからでも継続しやすい投資法といえます。

配当株投資は株価より企業の利益を見る

配当株投資では、本来、日々の株価変動よりも企業の利益や財務状態を重視します。

市場全体が下落すれば、優良企業の株価も一緒に下がることがあります。しかし、企業の業績が大きく悪化せず、十分な現金や利益剰余金を持っていれば、配当を継続できる可能性があります。

新型コロナウイルスの感染拡大時にも、多くの企業の株価が急落しました。その一方で、財務体質が強く、現金を多く持つ企業の中には、配当を維持した企業もあります。

株価下落だけを見て売却するのではなく、企業が利益を出し続けられるか、配当を維持できる体力があるかを確認することが重要です。

金利上昇は高配当株投資のチャンスにもなる

一般的に金利が上昇すると、株式よりも債券や預金が有利になるといわれます。しかし、配当株投資の視点では、金利上昇が追い風になる企業も存在します。

代表的なのが、銀行や保険会社です。

銀行は、預金などで集めた資金を貸し出し、その金利差から利益を得ます。金利が上昇すると、貸出金利が上がり、利ざやが改善する可能性があります。

保険会社も、保険料として集めた資金を債券などで運用しています。金利上昇によって運用利回りが改善すれば、利益拡大につながる可能性があります。

企業の利益が伸びれば、将来的な増配も期待できます。

本書で紹介されている厳選21銘柄には、銀行、保険、リースなどの金融関連企業が多く含まれています。現在の金利環境を踏まえた銘柄選定になっていると考えられます。

KDDI株を待機資金として活用する考え方

動画で特に興味深い例として紹介されているのが、KDDI株を待機資金のように扱う方法です。

一般的に、株価が急落したときに追加投資できるよう、投資資金の一部を現金で残しておきます。

しかし、現金を長期間保有していると、普通預金では大きな利息を得られません。そこで、KDDIのような業績や株価が比較的安定しているディフェンシブ銘柄を保有し、必要なときに売却するという発想です。

市場全体が急落すると、多くの銘柄が大きく値下がりします。一方、通信株のようなディフェンシブ銘柄は、景気敏感株よりも値動きが安定しやすい傾向があります。

急落時にKDDI株の一部を売却し、大きく値下がりした他の優良株を買い増す資金にすることができます。

待機している間も配当金を受け取れるため、現金を保有し続けるよりも資金効率が高くなる可能性があります。

ただし、KDDI株も株式である以上、元本が保証されているわけではありません。市場環境や企業業績によっては株価が下落する可能性があります。

そのため、生活防衛資金や近い将来に必要となる資金までKDDI株に置き換えるのではなく、あくまでも投資用資金の一部として活用する考え方です。

異なる投資家が同じ発想にたどり着く意味

動画では、米国株投資家がMicrosoft株を待機資金のように扱う事例も紹介されています。

日本株中心の配当太郎氏はKDDI、米国株中心の投資家はMicrosoftと、対象銘柄や投資スタイルは大きく異なります。

それにもかかわらず、安定した優良企業の株を保有しながら、必要に応じて他の投資機会へ資金を移すという共通した発想にたどり着いています。

異なる方法で成功している投資家が同じような考え方を持っている場合、それは資金管理における本質的な考え方である可能性があります。

現金をただ待機させるのではなく、一定の収益を得ながら次の投資機会に備えるという発想です。

本書で紹介される厳選21銘柄

本書では、高配当株や増配株の候補として、次の21銘柄が紹介されています。

  • INPEX
  • 大和ハウス工業
  • 積水ハウス
  • JT
  • ヒューリック
  • NOSホールディングス
  • ブリヂストン
  • デンソー
  • トヨタ自動車
  • キヤノン
  • 伊藤忠商事
  • 丸紅
  • 三菱商事
  • 三菱UFJフィナンシャル・グループ
  • 三井住友フィナンシャルグループ
  • オリックス
  • 三菱HCキャピタル
  • 第一生命ホールディングス
  • 東京海上ホールディングス
  • NTT
  • KDDI

いずれも日本を代表する大型企業です。

商社、不動産、建設、通信、自動車、エネルギー、金融など、幅広い業種から選ばれています。

特に金融関連は、メガバンク2社、保険会社2社、リース会社2社の合計6社が含まれています。金利上昇による利益拡大や増配の可能性を重視した構成と考えられます。

ただし、厳選銘柄に掲載されているからといって、すべての投資家にとって買い時とは限りません。

株価水準、配当利回り、業績、財務状態、自分の保有銘柄とのバランスを確認したうえで判断する必要があります。

INPEXは生活コスト上昇への備えになる

動画内で保有銘柄として最初に紹介されているのがINPEXです。

INPEXは、原油や天然ガスの開発・生産を行うエネルギー企業です。業績は原油価格や為替相場の影響を受けます。

円安や原油価格の上昇は、ガソリン代や電気料金などの生活コストを押し上げる要因になります。一方、INPEXにとっては収益を押し上げる要因になる可能性があります。

生活コストが上昇する局面で、INPEXの利益や配当が増えれば、家計負担の一部を投資収益で補える可能性があります。

そのため、INPEX株を生活コスト上昇に対するヘッジとして保有する考え方が紹介されています。

三菱商事は成長投資にも積極的

三菱商事は、高配当株としてだけでなく、将来の成長余地も評価されています。

総合商社は、資源、エネルギー、食品、流通、インフラなど、幅広い事業を展開しています。

三菱商事の経営戦略では、株主還元だけでなく、将来の成長分野にも資金を配分する方針が示されています。

具体例として、米国の天然ガス関連企業に対する大規模な投資が紹介されています。約1.2兆円規模の買収であり、三菱商事として過去最大級の取引とされています。

高配当株というと、成長性が低い成熟企業をイメージすることがあります。しかし、三菱商事のように安定した配当を出しながら、将来の成長事業にも投資している企業もあります。

三菱UFJは金利上昇の恩恵を受けやすい

三菱UFJフィナンシャル・グループは、金利上昇の恩恵を受けやすい代表的な銘柄として紹介されています。

日本では長期間にわたり、低金利やマイナス金利政策が続いてきました。銀行にとっては貸出金利と預金金利の差が縮小し、利益を上げにくい環境でした。

しかし、日本銀行が金融政策を正常化し、金利が上昇すれば、銀行の利ざやが改善する可能性があります。

さらに、銀行が日本銀行に預けている当座預金に付く金利も上昇すれば、銀行収益の押し上げ要因になります。

金利上昇によって本業の利益が増えれば、増配や自社株買いといった株主還元の拡大も期待できます。

三菱HCキャピタルは安定したリース企業

三菱HCキャピタルは、企業向けのリース事業を展開しています。

リースを利用する企業は、設備を自社で購入せずに使用できます。高額な設備投資を一度に行う必要がなく、リース料を経費として計上できる点もメリットです。

企業が設備の保有を減らし、効率的に利用しようとする流れは、リース会社にとって追い風になります。

リース事業は派手な成長を期待する業種ではありませんが、契約から継続的な収益を得やすいビジネスモデルです。

三菱HCキャピタルは、長期的に配当を受け取りながら保有しやすい銘柄の1つとして評価されています。

NTTの成長材料はIOWN構想

NTTについては、安定した通信事業に加え、将来の成長材料としてIOWN構想が紹介されています。

IOWNは、光技術を活用し、通信ネットワークの消費電力や遅延を大幅に改善しようとする構想です。

従来の電子技術中心のネットワークを光技術に置き換えることで、高速通信、省電力、低遅延を実現することを目指しています。

本格的な普及には時間がかかるとみられますが、一部の技術やサービスは段階的に実用化が進んでいます。

通信インフラの需要は、人工知能、データセンター、自動運転、遠隔医療などの普及によって今後も増える可能性があります。

NTTは安定配当を期待できる通信株であると同時に、次世代通信技術による成長余地も持つ企業として注目されています。

厳選銘柄をそのまま買うのは危険

本書で紹介されている21銘柄は、いずれも日本を代表する企業ですが、一覧に掲載されているという理由だけで購入するのは避けるべきです。

高配当株投資では、配当利回りの高さだけでなく、利益の持続性や財務の健全性を見る必要があります。

確認したい主なポイントは、売上高や利益が安定しているか、配当性向が高すぎないか、有利子負債が過大ではないか、過去に減配を繰り返していないかといった点です。

また、同じ業種の銘柄を増やしすぎると、特定の経済環境にポートフォリオ全体が影響されやすくなります。

たとえば、銀行株や保険株を多く保有している場合、さらに金融株を追加すると業種の偏りが大きくなります。

本書の銘柄は投資候補として参考にしつつ、自分の保有資産や投資目的に合うかを考えることが重要です。

まとめ

高配当株投資で難しいのは、優良銘柄を見つけることだけではありません。購入した株を、株価変動に振り回されず長期間持ち続けることも重要です。

配当太郎氏の3冊目の書籍は、増配株投資の理論を説明するだけでなく、実際に投資を継続するための心理面を強化する内容となっています。

特に印象的なのが、「含み損は筋肉痛」「最大資産額は評価額の7割で考える」「プラスマイナス10%は誤差」「株価は値札にすぎない」といった考え方です。

また、過去の安値に執着せず、少額購入によって足跡を残す方法や、配当金を水道代や電気代などの日常生活に結びつける方法も紹介されています。

配当金を増やすためには、企業による増配、配当金の再投資、自己資金による追加投資という3つのエンジンを回し続ける必要があります。

年間120万円の配当金は、簡単に達成できる金額ではありません。しかし、月10万円の配当収入を明確な目標として設定し、10年、15年という期間で積み上げれば、現実的な目標として検討できます。

40代や50代からでも、投資に回せる資金と運用期間があれば遅すぎるとは限りません。年間120万円に届かなかったとしても、年間60万円や30万円の配当収入があれば、退職後の生活を支える大きな助けになります。

高配当株投資をこれから始める人だけでなく、すでに投資をしているものの株価変動で不安になりやすい人にとっても、長期保有に必要な「ゴリラ握力」を見直すきっかけとなる内容です。

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