本記事は、YouTube動画『【銀行株暴落】日経戻すも銀行最下位…真犯人は金利|1年後87%の条件』の内容を基に構成しています。
2026年10月23日の東京株式市場では、日経平均株価が朝方の大幅安から急速に下げ幅を縮小した一方、銀行株は売られ続けました。銀行株全体に連動するETFは9月30日の高値から13.1%下落し、銀行業は東証33業種の中で最も大きな下落率を記録しました。
三菱UFJフィナンシャル・グループやみずほフィナンシャルグループ、りそなホールディングスなどの大手銀行株も軒並み下落しています。
銀行株が売られた最大の要因として動画が注目しているのは、国内外の長期金利の低下です。
さらに、2008年以降の銀行株急落局面を分析すると、1年後に長期金利が上昇していたケースでは、銀行株が値上がりした割合が87%に達したという結果も紹介されています。
今回の銀行株急落は本格的な下落相場の始まりなのか、それとも上昇相場の一時的な調整なのか。市場の動きと金利の関係、過去の統計、今後の注目材料を詳しく解説します。
日経平均は大幅安から回復、それでも銀行株が売られた理由
日経平均は一時1,445円安から214円安まで回復
10月23日の東京株式市場では、朝方から半導体関連株を中心に売り注文が広がりました。
前日の米国市場で半導体株指数のSOX指数が6.72%下落したことがきっかけです。
日経平均株価は午前9時10分に前日比1,445円安の61,462円まで下落しました。しかし、その後は半導体関連株の下げが一服し、株価指数も急速に持ち直しました。
最終的な日経平均の終値は62,693円となり、前日比214円安、下落率は0.34%にとどまりました。
朝方の下落幅の8割以上を取り戻したことになります。
ところが、銀行株は日経平均とは異なる値動きを見せました。
銀行株ETFや三菱UFJ、三井住友の株価は、日経平均が底を打った後も下落を続け、午前10時18分から19分ごろにかけて当日の安値をつけました。
みずほFGも一時7,153円まで下落しました。その後は7,480円まで戻したものの、前日比180円安で取引を終えています。
東証の銀行業指数は2.28%安となり、33業種の中で下落率が最大でした。地方銀行の千葉銀行も3.9%下落しており、特定の銀行だけではなく、銀行セクター全体に売りが広がったことが分かります。
銀行株が下落する一方、不動産株は上昇
この日の市場で注目すべきもう1つの動きが、不動産株の上昇です。
銀行業が33業種中で最も大きく下落した一方、不動産業は2.05%上昇し、上昇率トップとなりました。
銀行と不動産では、金利の変化が業績に与える影響が異なります。
不動産会社は借入金を利用して建物の取得や開発を行うため、金利が低下すると資金調達コストが軽減されやすくなります。
一方、銀行は貸出金利の上昇によって利益を拡大できる場合があるため、金利上昇への期待が株価を押し上げる要因になります。
つまり、銀行株が売られ、不動産株が買われたという組み合わせは、市場が金利低下を意識していた可能性を示しています。
銀行株急落の主因は日米の長期金利低下
米国10年国債利回りが約0.19ポイント低下
今回の銀行株下落の背景として、動画では米国の長期金利の急低下が取り上げられています。
前日の米国市場では、10年国債利回りが約0.19ポイント低下し、4.95%前後となりました。
動画によれば、1日の低下幅としては2023年3月以来の大きさです。
株式市場で半導体関連株が大幅に下落する中、投資家の資金が相対的に安全な資産とされる国債に向かったことが背景にあると分析されています。
国債は買われると価格が上昇し、利回りが低下する関係にあります。
米国で起きた金利低下の流れは、日本市場にも波及しました。
日本の新発10年国債利回りは一時2.780%まで低下し、約2ヶ月半ぶりに2.8%を下回りました。
なぜ金利低下で銀行の株価が下がるのか
銀行の基本的な収益源の1つが、預金者に支払う金利と、企業や個人への融資で受け取る金利の差です。
この差を利用して得られる収益が、銀行の資金利益を支えています。
金利が上昇する局面では、銀行が貸出金利を引き上げる一方、預金金利の上昇が比較的緩やかであれば、利ざやが拡大して利益が増えることがあります。
日本の銀行株は、こうした金利上昇による業績改善への期待を背景に買われてきました。
しかし、長期金利が低下すると、今後の金利上昇や利益拡大に対する期待が後退します。
その結果、銀行の足元の業績が悪化していなくても、将来の収益予想が引き下げられ、株価が下落する場合があります。
ただし、金利低下が必ず銀行の利益減少につながるわけではありません。保有国債の評価額上昇など、プラスに作用する面もあるため、実際の影響は銀行ごとの資産構成によって異なります。
10月20日の国債入札も銀行株の売り材料に
銀行株への逆風は、10月23日に突然始まったものではありません。
10月20日に実施された日本の20年国債入札でも、強い需要が確認されました。
国債の購入希望が増えると国債価格が上昇し、利回りが低下する方向に働きます。
この日、東証銀行業指数は3%を超える下落となり、みずほFGは5.0%下落しました。
その後、米国の長期金利低下が加わったことで、銀行株に対する売り圧力が一段と強まったと動画では説明しています。
日本の銀行株が米国金融株より大きく売られた背景
興味深いのは、米国と日本の金融株で値動きが異なっていたことです。
前日の米国市場では10年国債利回りが大きく低下したにもかかわらず、米国の金融株指数は1.1%上昇しました。
一方、日本の銀行株は大幅に下落しています。
動画では、この違いを日本の銀行株に対する市場の期待の大きさで説明しています。
日本の銀行株は、日銀の利上げや長期金利上昇によって今後も利益が拡大するという期待から、過去1年間に大幅上昇してきました。
そのため、長期金利の見通しがわずかに変化しただけでも、株価への影響が大きくなる可能性があります。
今回の下落は銀行の経営状態が急激に悪化したというよりも、将来の金利上昇に対する期待が修正されたことによる株価調整だというのが動画の分析です。
銀行株は1年間で約75%上昇、金利と株価のピークはほぼ一致
日銀の連続利上げが銀行株の上昇を支えた
日本の長期金利は、2025年10月から2026年10月にかけて大きく上昇しました。
動画で紹介された日本銀行の政策金利の推移は、次のとおりです。
- 2025年12月:0.75%へ引き上げ
- 2026年6月:1.00%へ引き上げ
- 2026年9月:1.25%へ引き上げ
こうした金融政策の正常化を背景に、日本の10年国債利回りは2025年10月の1.67%から、2026年10月7日には3.11%まで上昇しました。
約1年間で1.44ポイントの上昇です。
同じ期間に、銀行株全体に連動するETFは454円から793円台まで上昇し、上昇率は約75%に達しました。
また、動画では3メガバンクの2026年の中間期に関する利益指標が前年同期比33.9%増加したことも紹介されており、銀行株の上昇には業績面の裏付けもあったと説明しています。
銀行株の高値と長期金利の高値はわずか1日違い
銀行株と長期金利の関係を象徴するのが、2026年10月上旬の値動きです。
銀行株ETFは9月30日に高値をつけた後、10月6日にも793円50銭というほぼ同水準を記録しました。
みずほFGも10月6日に8,857円の年初来高値をつけています。
一方、日本の10年国債利回りが3.11%のピークをつけたのは、その翌日の10月7日でした。
つまり、銀行株と長期金利は、ほぼ同じ時期に高値をつけたことになります。
その後、長期金利が低下に転じると、銀行株も下落し始めました。
動画では、この動きを銀行株が金利の影のように動いていると表現しています。
金利よりも銀行株の調整幅が大きい
ただし、銀行株と金利の下落幅を比較すると、銀行株の方が大きく調整していることが分かります。
長期金利は1.67%から3.11%へ1.44ポイント上昇した後、10月22日には2.91%程度まで低下しました。
これは、過去1年間の金利上昇幅の約14%を打ち消した計算です。
10月23日の金利低下を加味しても、上昇幅の2割程度を戻したにすぎません。
一方、銀行株ETFは454円から793円まで339円上昇した後、10月23日までに約104円下落しました。
こちらは過去1年間の上昇幅の約31%を失った計算になります。
金利が過去1年間の上昇分を2割程度しか戻していないのに対し、銀行株は3割程度を戻しているわけです。
この差について動画では、銀行株が現在の金利水準そのものよりも、将来の金利上昇に対する期待を織り込んでいたことが理由だと分析しています。
AI関連融資への懸念も銀行株の下落要因か
金利低下とは別に、銀行株の売り材料として浮上しているのが、人工知能(AI)関連事業への巨額融資を巡る信用リスクです。
AIデータセンターの建設には、多額の設備投資が必要です。
企業は銀行などから融資を受けて施設を建設しますが、将来の収益が想定を下回れば借入金の返済が難しくなる可能性があります。
動画では、英フィナンシャル・タイムズが9月に報じた、米オラクルのデータセンター向け約180億ドルの融資に関する問題を紹介しています。
銀行が当初の想定より多くの融資を保有する状況となっているとされ、AI関連の信用リスクに対する警戒が広がっています。
ただし、動画では今回の日本の銀行株急落について、AI関連融資への懸念は主因ではないとの見方を示しています。
その理由は、米国の金融株指数が上昇していたことと、東京市場で金利低下の恩恵を受けやすい不動産株が買われていたことです。
もっとも、AI関連融資のリスクが消えたわけではありません。
今後、注目されるのが11月中旬に予定されるメガバンクの中間決算です。
銀行が融資先の貸し倒れに備えて計上する信用コストや貸倒引当金が増加していないかが、重要な確認材料になります。
過去35回の銀行株急落を検証、1年後に上昇する確率は?
5営業日で6%以上下落した局面を分析
動画では、2008年以降の銀行株ETFの終値を利用し、急落後の値動きを調べた独自分析を紹介しています。
分析条件は、5営業日で6%以上下落した局面です。
同じ下落局面を重複して数えないよう、前の事例から約3ヶ月の間隔を空け、1年後の結果まで確認できる35回を抽出しています。
10月23日時点の銀行株ETFは、前週金曜日の終値から5.96%下落しており、ほぼ同じ条件に該当していました。
分析結果によると、銀行株が急落した35回のうち、1年後に値上がりしていたのは18回でした。
上昇率は約51%で、ほぼ半々です。
さらに、急落した時点から1年以内に追加で10%以上下落した事例は35回中23回、約66%ありました。
短期的な値動きについても、別途集計した37回のうち18回、約49%で、1ヶ月以内にさらに5%以上下落していました。
つまり、銀行株が大きく下がったからといって、そこが必ず底値になるとは限らないという結果です。
1年後に長期金利が上昇した場合、銀行株の上昇率は87%
ところが、35回の急落局面を1年後の長期金利の方向によって分類すると、結果は大きく変わりました。
| 1年後の長期金利 | 銀行株が上昇した回数 | 上昇割合 | 株価騰落率の中央値 |
|---|---|---|---|
| 金利上昇 | 15回中13回 | 約87% | +24% |
| 金利低下 | 20回中5回 | 25% | -11% |
長期金利が1年後に上昇していた15回では、そのうち13回で銀行株が上昇しました。
上昇する割合は約87%で、株価騰落率の中央値もプラス24%でした。
反対に、長期金利が下落していた20回では、銀行株が上昇したのは5回にとどまりました。
上昇する割合は25%、株価騰落率の中央値はマイナス11%です。
同じように銀行株が急落した局面でも、その後の金利の方向によって1年後の株価が大きく異なっていたことになります。
ただし、これは過去の事例を事後的に金利の方向で分類した結果です。今後1年間の金利が上昇するかどうかは現時点では分からないため、銀行株がこれから87%の確率で上昇するという意味ではありません。
また、動画独自の集計であり、統計的な有意性や分析対象の選択による影響については別途検証が必要です。
2022年以降の急落では6回すべてが1年後に上昇
さらに、動画では日本の長期金利が上昇し始めた2022年以降の事例も取り上げています。
この期間に同じ条件で発生した銀行株の急落は6回あり、1年後には6回すべてで株価が上昇していました。
ただし、注目すべき点があります。
6回のうち3回は、その後の値上がりまでに株価がさらに15%以上下落していたのです。
2024年8月の株価急落や2025年4月の関税問題に伴う市場混乱など、大きな値動きを経験したケースも含まれています。
最終的に1年後の株価が上昇していたとしても、その途中では大きな含み損を抱える可能性があるということです。
特に信用取引を利用する投資家にとっては、最終的な株価の方向だけでなく、途中の下落幅も重要になります。
1年後の日本の長期金利は上昇するのか
動画では、今後1年間の日本の長期金利について、現在よりも上昇する可能性が高いとの見方を示しています。
主な理由は3つあります。
日銀の追加利上げ余地が残っている
2026年10月時点の日本銀行の政策金利は1.25%です。
動画では、国内の物価上昇率を踏まえると、政策金利にはなお引き上げ余地があると分析しています。
10月30日の日銀金融政策決定会合では利上げ見送りが予想されていますが、それは9月に実施した利上げの影響を見極めるためであり、利上げサイクルの終了を意味するものではないという見方です。
円安が物価上昇圧力となる可能性
10月23日時点の外国為替市場では、ドル円相場が1ドル157円前後で推移していました。
円安は輸入品の円建て価格を押し上げ、エネルギーや食料品などの物価上昇につながる可能性があります。
物価上昇圧力が続けば、日銀が追加利上げを検討する理由の1つになります。
そのため、為替相場も今後の金利動向を考える上で重要な材料です。
今回の金利低下は米国市場が起点
3つ目の理由として、今回の日本の長期金利低下が国内の景気悪化ではなく、米国市場の混乱をきっかけとしている点が挙げられています。
動画では、米国の12月利上げに関する市場の織り込み確率が85%へ低下したと説明しています。
この数値は動画内で紹介されたものであり、政策変更の確率は市場環境によって変動します。
米国市場の混乱が収まれば、日米の金利が再び上昇する可能性もあります。
一方、AI関連投資の減速などによって世界景気が悪化すれば、国債が買われ続け、長期金利が一段と低下する展開も考えられます。
銀行株の強気シナリオが崩れる金利水準は2.57%
動画が今後の重要な判断基準として挙げているのが、日本の10年国債利回り2.57%です。
これは2026年6月2日につけた水準であり、動画では6月以降の重要な下値として注目しています。
10月22日の2.914%から見ると、約0.34ポイント低い水準です。
仮に長期金利が2.57%を割り込み、その後も回復できない場合、金利が再上昇するという見通しを見直す必要があるとしています。
もっとも、2.57%は動画が設定した分析上の目安であり、銀行株の下落を必ず予告する水準ではありません。
長期金利は景気見通しや物価、金融政策、国債の需給など複数の要因で動くため、金利水準だけで投資判断を決めることには注意が必要です。
10月29日・30日の金融政策と11月の決算が重要
銀行株の今後を左右するイベントとして、動画では次の日程を挙げています。
- 10月29日早朝(日本時間):米国の金融政策発表
- 10月30日:日本銀行の金融政策決定会合の結果公表
- 11月中旬:国内メガバンクの中間決算
特に重要なのが、日銀が追加利上げについてどのような姿勢を示すかです。
実際に政策金利を引き上げるかどうかだけでなく、次回以降の利上げについてどの程度前向きな発言が出るかも、銀行株に影響する可能性があります。
また、11月中旬の決算では、これまでの利上げが銀行の利益にどの程度反映されているかを確認する必要があります。
銀行株の今後を左右する3つのシナリオ
強気シナリオ:長期金利が3%台に回復
1つ目は、日銀が10月30日の会合で利上げを見送りながらも、12月の追加利上げの可能性を明確に残す展開です。
この場合、長期金利が2.9%台から3%台へ回復し、銀行株が再び上昇する可能性があります。
過去の分析では、急落後に長期金利が上昇した15回中13回で銀行株が1年後に値上がりしていました。
金利上昇への期待が回復すれば、銀行株の評価も見直される可能性があります。
中立シナリオ:長期金利2.8%前後で推移
動画で最も起こりやすいと想定されているのが、このシナリオです。
日銀が市場予想どおりに利上げを見送り、長期金利が2.8%前後で方向感なく推移する展開です。
この場合、銀行株も上昇と下落を繰り返しながら、11月中旬の決算発表を待つことになると予想しています。
三菱UFJについては、8月4日の終値である3,470円が重要な価格水準として紹介されています。
すでにこの水準を下回っているため、今後は株価が回復する際の上値抵抗として意識される可能性があります。
その後、決算で利上げによる利益拡大が確認できるかどうかが、株価の方向性を決める材料になるとの見方です。
弱気シナリオ:長期金利が2.57%を下回る
3つ目は、米国株の下落がさらに進み、日本の長期金利も2.57%を割り込むケースです。
世界景気への懸念が強まり、日銀が追加利上げに慎重な姿勢を示せば、銀行株の下落が長期化する可能性があります。
動画では、三菱UFJの3月23日の終値である2,564円50銭が、下落が進んだ場合の参考水準として挙げられています。
これは動画で示された当時の株価から、さらに2割以上低い水準です。
過去の分析でも、長期金利が低下していた20回のうち、1年後に銀行株が上昇したのは5回だけでした。
そのため、金利が再び上昇する見通しが崩れた場合には、銀行株の評価を慎重に見直す必要があるという考え方です。
銀行株を保有する投資家が確認したいポイント
現物株を保有している場合
現物で銀行株を保有している投資家に対して、動画では短期的な株価の上下だけでなく、長期金利の方向を確認することが重要だと説明しています。
特に注目するのは10月30日の日銀の金融政策と、10年国債利回りが2.57%を維持できるかどうかです。
もっとも、個別銀行の株価は金利以外にも業績、配当方針、信用コスト、海外事業などの影響を受けます。
銀行株をひとくくりにせず、保有銘柄の特徴も確認する必要があります。
信用取引で保有している場合
信用取引を利用している場合は、過去の急落局面で追加下落が発生していた点に注意が必要です。
2022年以降の6回は、いずれも1年後には上昇していましたが、そのうち3回では途中で15%以上下落していました。
動画では、三菱UFJがさらに15%下落した場合、株価は2,800円前後になるという試算を紹介しています。
信用取引では株価が大きく下がると、追加保証金が必要になったり、強制決済が発生したりする可能性があります。
そのため、最終的な株価の回復を期待するだけではなく、途中の値動きに耐えられる資金管理が必要です。
これから銀行株を購入する場合
まだ銀行株を保有していない投資家について、動画では急いで購入する必要性は高くないとの見方を示しています。
過去の急落局面では、約半数で1ヶ月以内に追加の5%以上の下落が発生していました。
そのため、10月30日の日銀の金融政策や11月中旬のメガバンク決算を確認し、金利の方向性が明確になるまで待つことも選択肢になります。
一方、金利上昇が確認できた後でも株価が必ず上昇するとは限らないため、購入判断には個別企業の業績や株価水準を含めた検討が必要です。
同じ銀行株でも金利上昇の恩恵は異なる
ここまで銀行株全体の動きを見てきましたが、実際には銀行ごとに金利変化の影響は異なります。
国内の貸出業務に強みを持つ銀行、海外事業の比率が高い銀行、国債などの有価証券を大量に保有する銀行では、金利上昇のメリットとデメリットが違います。
例えば、金利が上がれば貸出金利の上昇によって利ざやが拡大する可能性がありますが、一方で既存の固定利付国債の市場価格が下落し、評価損が発生する場合があります。
また、金利上昇によって借り手企業の資金繰りが悪化すれば、信用コストが増える可能性もあります。
したがって、単純に金利上昇ならすべての銀行株が買い、金利低下ならすべて売りと考えるのは適切ではありません。
今後の決算では、資金利益の増加に加えて、有価証券運用の状況や貸倒引当金などにも注目する必要があります。
まとめ:銀行株急落の行方を決めるのは今後の金利動向
2026年10月23日の東京株式市場では、日経平均が朝方の大幅安から急速に回復した一方、銀行株は東証33業種の中で最も大きく下落しました。
銀行株が売られる一方、不動産株が上昇したことから、今回の市場では国内外の金利低下が重要な材料になっていたと考えられます。
過去1年間、日本の銀行株は日銀の利上げと長期金利上昇を背景に大きく上昇してきました。しかし、長期金利が低下し始めたことで、将来の利益拡大に対する市場の期待が修正されている可能性があります。
動画で紹介された2008年以降の35回の急落事例では、1年後に長期金利が上昇していた場合、銀行株が値上がりした割合は87%でした。一方、長期金利が低下していた場合の上昇割合は25%にとどまっています。
この結果は、銀行株の中長期的な動きを考えるうえで、長期金利の方向性が重要な判断材料となることを示唆しています。
今後は、10月29日の米国金融政策、10月30日の日銀金融政策決定会合、そして11月中旬のメガバンク決算が重要なイベントとなります。
特に、日本の10年国債利回りが再び3%台へ上昇するのか、それとも動画が重要水準として示す2.57%を下回るのかが注目されます。
ただし、過去の統計は将来の株価を保証するものではありません。また、動画の87%という数字は、1年後に金利が上昇していたケースの実績であり、現時点での銀行株の上昇確率を示すものではない点には注意が必要です。
今回の銀行株急落を考えるうえでは、株価の下落幅だけを見るのではなく、金利動向、日銀の金融政策、各銀行の収益構造を合わせて確認することが重要といえるでしょう。
※本記事は動画で紹介された2026年10月23日時点の市場データおよび分析を整理したものです。動画独自の統計や見通しは、独立して再検証したものではありません。本記事は特定の金融商品の売買を推奨するものではなく、投資判断はご自身の責任で行ってください。


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