国債で月10万円の不労所得は可能?必要資金は3,000万円~7,346万円!高配当ETF・取り崩しとの違いを徹底比較

本記事は、YouTube動画『国債で月10万円は現実的か?必要元本と高配当・取り崩しの比較』の内容を基に構成しています。

国債の金利が上昇し、利息収入だけで生活費の一部を賄うという選択肢が、以前より現実的になってきました。

2016年頃、個人向け国債の金利が年0.05%だった時代には、利息だけで手取り月10万円を得るために約30億円もの資金が必要でした。しかし、動画で紹介されている2026年10月の募集条件では、個人向け国債の変動10年で約7,346万円、固定利率の10年国債では約4,877万円まで必要資金が減少しています。

一方、毎月10万円を生み出す方法は国債だけではありません。高配当ETFへの投資や、保有資産を少しずつ売却する「取り崩し」という方法もあります。

それぞれ必要な元本は異なり、将来直面するリスクにも大きな違いがあります。

今回は、国債・高配当ETF・資産の取り崩しという3つの方法を比較し、必要な投資金額、税金、NISAの活用、過去の金融危機における資産の変化などを詳しく解説します。

目次

国債の金利上昇で月10万円の利息収入が現実的に【00:00~】

国債とは、国が資金を調達するために発行する債券です。投資家は国にお金を貸す形となり、その対価として定期的に利息を受け取ります。

国債の魅力は、株式の配当と比べて将来の利息収入を予測しやすいことです。特に固定利率の国債では、購入時に決まった利率が満期まで適用されます。

ただし、受け取れる利息は金利水準によって大きく変わります。

例えば、年0.05%の金利で税引後120万円の利息を得るには、約30億円の元本が必要です。

しかし、金利が2.05%まで上昇すると、同じ収入を得るために必要な資金は約7,346万円となります。

さらに、利率3.1%の固定10年国債なら、必要資金は約4,877万円です。

これは、国債の金利上昇が資産運用に与える影響の大きさを示しています。

もっとも、数千万円の資金を準備することは簡単ではありません。そこで、国債以外の資産運用方法とも比較することが重要になります。

月10万円を得るにはいくら必要?3つの資産運用方法を比較【01:38~】

動画では、毎月10万円、年間120万円の収入を確保するために必要な投資元本を比較しています。

対象となるのは、資産の取り崩し、国債の利息、高配当ETFの分配金です。

資産の取り崩しなら3,000万円が目安

最初に紹介されているのが、年間4%の資産を取り崩す方法です。

この方法では、3,000万円の資産があれば、年間120万円を取り崩すことができます。

3,000万円 × 4% = 120万円

120万円 ÷ 12か月 = 月10万円

この考え方の背景にあるのが、米国の過去の株式・債券市場を分析した研究です。

一般に「4%ルール」と呼ばれ、一定の株式と債券を保有しながら資産を取り崩した場合、過去の米国市場では30年間にわたって資産を維持できたケースが多かったことが知られています。

ただし、これは米国の過去の市場環境を前提とした研究結果です。

日本の投資家が円で生活費を使う場合には、為替変動、税金、投資対象、インフレなどの条件が異なります。

また、資産を取り崩しながら運用するため、株価が大幅に下落したときには残高が急減するリスクがあります。

なお、今回の3,000万円という数字は年間120万円を取り崩す単純計算であり、税金や運用コスト、物価上昇による取り崩し額の増加をすべて織り込んだものではありません。

国債では約4,877万~7,346万円が必要

次に国債を利用する場合です。

動画で紹介されている2026年10月の利率は、次のようになっています。

  • 固定利率の10年国債:年3.1%
  • 個人向け国債の変動10年:年2.05%

国債の利息には、原則として20.315%の税金がかかります。

そのため、表面上の利率をそのまま手取り収入として計算することはできません。

税金を考慮すると、月10万円を得るために必要な元本は、固定10年国債で約4,877万円、変動10年国債で約7,346万円となります。

ただし、変動10年国債の利率は半年ごとに見直されるため、2.05%が10年間続くわけではありません。この必要元本は、現在の利率が続くと仮定した計算です。

高配当ETFでは約3,380万~6,757万円

3つ目の方法が、高配当ETFを保有し、分配金を受け取る方法です。

ETFは、複数の株式などをまとめて保有できる上場投資信託です。

高配当ETFの場合、配当利回りの高い企業を中心に投資し、定期的な分配金を受け取ることができます。

動画では、米国の代表的な高配当ETFであるSPYD、HDV、VYMの3銘柄を比較しています。

ETF動画で使用した利回り月10万円に必要な元本
SPYD4.54%約3,380万円
HDV3.05%約5,184万円
VYM2.37%約6,757万円

※動画で示された2026年9月末の利回りなどを基にした概算です。米国源泉税や国内課税、NISAの利用可能額を考慮した試算であり、将来の分配金を保証するものではありません。

最も高い利回りを示しているSPYDでは、国債より少ない投資元本で月10万円を目指せる計算です。

しかし、配当利回りが高ければ安全というわけではありません。

動画では、SPYDの1株当たり分配金が2017年から2021年にかけて約34%減少した例が紹介されています。

株式の分配金は企業業績や市場環境によって変化するため、購入時の利回りが将来も維持されるとは限りません。

3,000万円を投資すると毎月いくら受け取れる?

必要元本だけでなく、投資元本を3,000万円に統一すると、それぞれの違いがより明確になります。

運用方法月額の目安
年4%の取り崩し10万円
固定10年国債約6.2万円
変動10年国債約4.1万円
高配当ETF約4.7万~9.0万円

今回の比較では、資産の取り崩しが最も少ない元本で月10万円を確保できる方法となっています。

ただし、取り崩しは資産そのものを売却して現金を得る方法です。国債の利息や株式の分配金とは、収入の仕組みが根本的に異なります。

NISAと税金で変わる実際の手取り収入【03:54~】

投資収入を比較する際には、税金の違いも重要になります。

特に新NISAを利用するかどうかで、手取り収入が大きく変わる場合があります。

国債はNISAの対象外

国債は新NISAの対象商品ではありません。

そのため、国債の利息には原則20.315%の税金がかかります。

例えば、利息が年間100万円発生した場合、税引後の受取額は約79万6,850円となります。

一方、株式や一定の投資信託、ETFなどは、NISAを通じて購入することで日本国内の配当・譲渡益にかかる税金を非課税にできます。

米国ETFはNISAでも米国の税金がかかる

米国ETFの場合、NISA口座で購入しても、米国側で原則10%の源泉税が徴収されます。

NISAによって非課税となるのは、日本国内で課される税金です。

また、NISA口座内で徴収された米国の源泉税については、通常、外国税額控除を利用して取り戻すことができません。

したがって、米国高配当ETFの利回りを比較する際には、米国で徴収される税金も考慮する必要があります。

NISAの成長投資枠は最大1,200万円

新NISAでは、非課税保有限度額が取得価額ベースで最大1,800万円となっています。

ただし、そのうち成長投資枠で利用できるのは最大1,200万円です。

SPYD、HDV、VYMなどの米国ETFは、成長投資枠で購入できますが、つみたて投資枠では購入できません。

一方、投資信託の中には、つみたて投資枠の対象となる商品もあります。高配当を意識した運用を行いたい場合にも、商品の種類や投資対象を確認することが大切です。

NISAで増えた資産は売却しても非課税

NISAのもう1つの特徴は、運用によって資産が増えても、その利益に日本の税金がかからないことです。

例えば、NISAで購入した投資信託が値上がりした場合、その売却益は非課税になります。

新NISAの非課税保有限度額は購入時の取得価額で管理されます。そのため、購入後に時価が1,800万円を超えても、値上がりしたことだけを理由に課税されるわけではありません。

ただし、非課税枠の上限を超えて新たに購入することはできません。

また、保有商品を売却すると、その商品の取得価額に相当する非課税保有限度額が翌年以降に再利用可能になります。

投資信託の定期売却なら毎月の取り崩しを自動化できる【05:02~】

資産の取り崩しには、毎月自分で投資信託を売却する必要があるというイメージがあります。

しかし、証券会社によっては定期売却サービスを利用できます。

楽天証券やSBI証券などでは、一定の条件の下で投資信託を定期的に売却し、資金を受け取る仕組みが用意されています。

動画では、定期売却の方法として以下の3種類が紹介されています。

  • 金額指定:毎月一定金額を売却する方法
  • 定率指定:資産残高の一定割合を売却する方法
  • 期間指定:指定期間で売却する方法

例えば、毎月10万円の定期売却を設定すれば、売却のたびに操作する必要がなくなります。

ただし、利用できる売却方式は証券会社や対象商品によって異なります。

さらに、動画では2026年4月以降、つみたて投資枠の定期売却サービスに関する手数料の取扱いが変更されたことにも言及しています。

利用する際には、証券会社が実際に手数料を徴収しているかどうかを確認する必要があります。

国債と高配当ETFは本当に元本が減らないのか?【05:32~】

国債や高配当ETFは、資産を売却せずに現金収入を得られる点が魅力です。

しかし、「元本を取り崩さない」という言葉には注意が必要です。

国債は満期保有と途中売却で条件が異なる

固定利率の国債は、満期まで保有すれば、原則として額面金額が償還されます。

日本国債の場合、国が約束通りに支払いを行うことが前提です。

ただし、満期前に市場で売却する場合には、その時点の金利水準によって価格が変動します。

購入後に市場金利が上昇すると、既存の低利率の国債は相対的に魅力が低下するため、売却価格が下がることがあります。

つまり、国債でも満期前の売却によって損失が発生する可能性があります。

高配当ETFは保有口数が減らなくても資産価値が下がる

高配当ETFでは、分配金を受け取っても、通常は保有口数そのものは減りません。

しかし、ETFの市場価格は株価の変動によって日々上下します。

例えば、3,000万円で購入したETFが40%値下がりすれば、評価額は1,800万円になります。

さらに、投資先企業が減配すれば、受け取れる分配金も減少します。

そのため、高配当ETFには資産価値と分配金が同時に減少するリスクがあります。

2007年から投資を始めた3人はどうなった?リーマンショックで比較【06:27~】

動画の中心となるのが、2007年10月から資産運用を開始したと仮定するシミュレーションです。

2007年は、世界金融危機が本格化する直前の時期でした。

翌2008年にはリーマン・ブラザーズが破綻し、世界中の株式市場が急落しました。

動画では、この時期から月10万円を目指して運用を始めた3人を比較しています。

2007年10月時点の必要資金

最初の運用条件は次の通りです。

運用方法開始時の元本
国債の利息約9,325万円
高配当投資約6,695万円
S&P500の取り崩し3,000万円

国債は当時の10年国債の利率1.615%を前提にしています。

取り崩しについては、S&P500に投資し、分配金を含む運用成果を反映しながら、毎月10万円を売却するという設定です。

なお、当時は現在の高配当ETFの中には設定されていない商品もありました。高配当投資の結果は、動画で示された仮定に基づく過去データのシミュレーションとして理解する必要があります。

2009年2月:取り崩し資産は3,000万円から1,144万円へ

リーマンショック後、株式市場は大幅に下落しました。

動画によると、2009年2月時点でS&P500を取り崩していた投資家の資産残高は約1,144万円まで減少しています。

開始時の3,000万円に対して、約38.1%です。

資産の6割以上を失った計算になります。

このような局面では、資産を売却しながら生活費を確保することが大きな負担になります。

株価が下落すると、同じ10万円を得るために売却しなければならない投資信託の口数が増えるためです。

特に運用開始直後の暴落は、将来の資産寿命に大きく影響します。

この問題は「シーケンス・オブ・リターンズ・リスク(リターンの順序リスク)」と呼ばれています。

高配当投資も評価額が約2,626万円まで下落

高配当投資を行っていたケースでも、株価の暴落は避けられませんでした。

動画では、約6,695万円の投資資産が約2,626万円まで減少したとされています。

当初資産の約39%です。

取り崩しの場合と異なり、保有口数を売却していないとしても、評価額は大幅に減少しています。

一方、固定利率の国債を保有していたケースでは、約束された利息収入は継続しています。

この時点では、国債の安定性が際立つ結果となりました。

2010年:高配当投資は減配と円高の2重苦【07:49~】

株式市場が回復に向かう過程でも、高配当投資には別の問題が発生しました。

それが、分配金の減少と為替変動です。

動画では、2010年にドル建ての1株当たり分配金が約20%減少したと説明されています。

さらに、為替相場は1ドル約117円から87円程度へと大幅に円高が進行しました。

米国ETFの分配金はドルで支払われるため、日本円で生活する投資家は円高の影響を受けます。

その結果、動画の試算では、2010年末の月間分配金が約7.5万円となりました。

当初の月10万円から約2.5万円の減少です。

分配金そのものが減少することに加え、円高によって円換算の受取額も目減りするという問題が浮き彫りになりました。

2017年:国債の元本は戻ったが利息収入が激減【08:29~】

2007年に購入した10年国債は、2017年10月に満期を迎えます。

国債を満期まで保有していた投資家は、約9,325万円の元本を受け取ります。

ところが、問題はその後の再投資です。

動画によると、2017年10月の10年国債利回りは0.071%でした。

同じ約9,325万円を、この利率で再投資したと仮定すると、税引後の月間利息は約4,396円に減少します。

それまで月10万円を受け取っていた投資家にとっては、非常に大きな変化です。

元本は1円も減っていないにもかかわらず、利息収入は約95.6%も減少する計算になります。

これは「再投資リスク」と呼ばれる問題です。

固定金利の国債は保有期間中の利息を確定できますが、満期後も同じ金利で運用できる保証はありません。

特に、金利が大幅に低下した時期に満期を迎えると、次の運用先では十分な利息収入を確保できなくなる可能性があります。

2026年9月:取り崩しと高配当投資は大幅に回復【09:08~】

動画では、最後に2026年9月までの運用結果を比較しています。

取り崩し方式では、2009年に約1,144万円まで減少した資産が、その後の株価上昇などによって約1億2,364万円になったとされています。

一方、高配当投資では月間の受取額が約46.7万円に増加しています。

これに対して、2017年に低利率の国債へ再投資したケースでは、月間利息は約4,396円という設定です。

ただし、この結果だけで国債が劣っていると判断することはできません。

2007年から2026年までの約19年間は、米国株式市場の長期的な成長と、後半の円安が重なった期間でもあります。

また、動画では、途中で消滅した高配当ファンドなどが比較対象に含まれていないことにも注意を促しています。

これは、生き残った投資商品だけを比較することによって成績が良く見えてしまう「生存者バイアス」に関係する問題です。

重要なのは最終的な資産額だけではありません。

運用途中の暴落、分配金の減少、満期後の金利低下といったリスクを、それぞれの投資家が受け入れられるかどうかです。

108通りのバックテストで分かった資産運用のリスク【10:10~】

2007年10月から投資を始めたケースは、金融危機直前という特殊なタイミングでした。

そこで動画では、投資開始月を1か月ずつずらした検証も紹介しています。

対象となったのは2007年10月から2016年9月までの108か月です。

それぞれの開始月について、その後10年間の運用状況を確認しています。

高配当投資では23通りで受取額が20%以上減少

動画によると、高配当投資では、108通りのうち23通りで月間受取額が開始時の80%を下回りました。

最も厳しかったのは2008年8月開始のケースです。

このケースでは、受取額が開始時の56.6%まで落ち込んでいます。

つまり、毎月10万円の分配金を見込んでいた場合、約5万6,600円まで減少したことになります。

株式を売却していない場合でも、分配金の減少によって生活設計が崩れる可能性があります。

取り崩しは開始直後の暴落が大きなリスク

一方、取り崩し方式で最も大きな資産減少が発生したのは、2007年10月に投資を始めたケースでした。

残高は最も厳しい局面で開始時の38.1%まで減少しています。

しかし、動画によると、10年後の資産残高が開始時を下回っていたケースは、この検証では確認されなかったと説明されています。

もっとも、これは対象期間の米国株式市場が長期的に上昇したことや、為替相場の影響を受けた結果です。

今後も同じ結果が得られるとは限りません。

何が減るのかを理解することが重要

今回のバックテストでは、投資方法によってリスクが表面化する場所が異なりました。

取り崩し方式では、運用資産の残高が大きく減少する局面があります。

高配当投資では、評価額だけでなく、毎月受け取る分配金も減少する可能性があります。

固定利率の国債では、満期までの利息収入が安定する一方、満期後の再投資で利息収入が減少するリスクがあります。

どの方法が最も優れているかというよりも、どのリスクを許容できるかが重要になります。

国債の利息が減らなくても物価上昇で実質的な価値は下がる【11:27~】

資産運用において見落としやすいのが、インフレによる購買力の低下です。

固定利率の国債では、満期までの利息額は基本的に変わりません。

しかし、同じ10万円を受け取っていても、物価が上昇すると購入できる商品やサービスの量は減少します。

動画では、2021年から2026年8月までの物価上昇率が約14.7%だったと紹介されています。

この場合、2021年の10万円と同じ購買力を維持するには、現在は約11万4,700円が必要になります。

逆に、現在の10万円の購買力は、2021年の価格水準に換算すると約8万7,000円相当です。

つまり、名目上の収入が変わらなくても、実質的には約13%の購買力が失われた計算になります。

この問題は、固定利率の国債だけでなく、毎月一定金額を取り崩す資産運用にも共通しています。

一方、株式は企業の利益成長や価格転嫁などを通じて、長期的にインフレへの対応力を持つ場合があります。

ただし、株価や配当が必ず物価上昇を上回るわけではありません。

生活費を確保するための資産運用では、名目上の受取額だけでなく、将来の購買力も考慮する必要があります。

固定10年国債と個人向け国債の変動10年は何が違う?【12:29~】

国債で資産運用を行う場合、商品の仕組みを理解することが欠かせません。

動画では、固定利率の10年国債と、個人向け国債の変動10年の違いが解説されています。

固定利率の10年国債は購入時の金利が続く

動画で紹介されている固定10年国債は、新窓販国債として金融機関などで購入できる商品です。

今回の試算では、年3.1%の利率が使われています。

固定利率の国債では、購入時に決まった利率が満期まで変わりません。

将来の受取利息を予測しやすいというメリットがあります。

一方、資金が必要になって満期前に売却する場合、売却価格は市場環境によって変動します。

金利上昇局面では、購入時より低い価格で売却しなければならない可能性もあります。

個人向け国債の変動10年は半年ごとに利率が変わる

個人向け国債の変動10年は、半年ごとに適用利率が見直される商品です。

市場金利が上昇すれば受取利息が増える可能性があり、反対に金利が低下すると利息も減少します。

ただし、最低金利として年0.05%が保証されています。

この最低金利は、長期間にわたり日本の金利が低迷していた2016年から2022年頃に重要な役割を果たしていました。

また、個人向け国債には、発行から原則1年が経過すると中途換金できる仕組みがあります。

中途換金時には、原則として直前2回分の税引前利子相当額に0.79685を掛けた金額が差し引かれます。

おおむね直近1年分の税引後利息に相当する金額です。

このため、固定10年国債と比べると、途中で資金が必要になった場合の換金条件を把握しやすい商品といえます。

ただし、変動金利型である以上、将来の利息収入は確定していません。

2,000万円の資産がある場合、毎月いくら受け取れる?【13:41~】

動画の終盤では、実際に2,000万円の資産を保有している場合を例に、月間の受取額を比較しています。

運用方法月間受取額の目安
年4%の取り崩し約6.7万円
固定10年国債約4.1万円
変動10年国債約2.7万円
高配当ETF・VYM約3.3万円

※動画の利率や税率を前提とした概算です。取り崩しについては、売却益に対する課税や手数料を別途考慮する必要があります。

同じ2,000万円でも、運用方法によって月間の受取額には2倍以上の差が生じます。

最も受取額が大きいのは4%の取り崩しですが、資産残高が大幅に減少するリスクがあります。

一方、個人向け国債は受取額が小さいものの、満期時の額面償還や中途換金の仕組みを重視する人に適しています。

高配当ETFはその中間的な受取額となりますが、分配金の変動や為替リスクへの対応が必要です。

自分に合った資産運用方法を選ぶ3つの視点

資産運用方法を選ぶ際には、期待利回りだけで判断するのではなく、次のような点も考える必要があります。

  • 資産残高が半分以下になっても保有を続けられるか
  • 毎月の受取額が20~40%減少しても生活を維持できるか
  • 10年後に金利が下がり、利息収入が大幅に減少しても対応できるか

例えば、給与収入がある現役世代であれば、分配金の減少を他の収入で補える場合があります。

一方、資産運用による収入を生活費の中心としている退職世代では、毎月の収入が突然減少することが大きな問題になります。

また、株価の暴落に強いストレスを感じる人にとっては、長期的に高いリターンが期待できる運用方法でも、心理的に継続することが難しいかもしれません。

国債・高配当ETF・取り崩しを組み合わせる方法もある【15:03~】

国債、高配当ETF、資産の取り崩しは、必ずしも1つに絞る必要はありません。

複数の方法を組み合わせることで、それぞれのリスクを分散することも考えられます。

例えば、数年以内に必要となる生活費を現金や個人向け国債で確保し、長期的に使う予定のない資金を株式や投資信託で運用する方法です。

また、高配当ETFによる分配金を受け取りながら、不足する生活費を投資信託の取り崩しで補うという考え方もあります。

ただし、複数の商品に分散しても、株式市場の暴落やインフレなどの影響を完全になくすことはできません。

重要なのは、それぞれの資産がどのような状況で減少するのか、または受取額が変動するのかを理解しておくことです。

特に生活費を目的とした資産運用では、期待リターンを高めることだけでなく、必要なときに必要な資金を確保できるように設計することが大切になります。

まとめ|国債・高配当・取り崩しは「何が減るか」で選ぶ【15:14~】

国債の金利上昇によって、利息収入だけで月10万円を得るために必要な資金は、2016年頃と比べて大幅に減少しました。

動画の条件では、固定10年国債なら約4,877万円、個人向け国債の変動10年なら約7,346万円が必要です。

高配当ETFでは商品によって約3,380万~6,757万円、年4%の資産取り崩しでは3,000万円が目安となります。

しかし、必要元本が少ない方法ほど優れているというわけではありません。

取り崩しでは、株価の暴落によって資産残高が大きく減少する可能性があります。

高配当ETFでは、保有口数を減らさなくても、株価の下落や減配、円高によって資産価値や受取額が減少することがあります。

国債では、満期までの利息収入を安定させられる一方、満期後の再投資で受取利息が大幅に減少する可能性があります。さらに、インフレによる購買力の低下にも注意が必要です。

動画で紹介された2007年から2026年までのシミュレーションでも、3つの方法はそれぞれ異なる時期に厳しい局面を迎えていました。

資産運用で重要なのは、単純な利回りの高さや最終的な資産額だけではありません。

自分が許容できるのは、資産残高の減少なのか、毎月の受取額の減少なのか、それとも将来の利息収入が低下するリスクなのか。

この違いを理解した上で、自分の年齢、生活費、保有資産、収入状況に適した運用方法を選ぶことが、長期的に安定した資産形成につながるといえるでしょう。

※本記事の金利、ETF利回り、必要元本、バックテスト結果は動画で紹介された条件や試算を基にしています。特にETFの分配金や変動金利型国債の将来利息は保証されていません。動画内の過去検証結果は独立した再計算による検証を行ったものではなく、将来の運用成果を示すものではありません。

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