【経済基礎】なぜ利上げで円高になり株価が暴落するのか?

今回は、最近の日本銀行（日銀）による利上げがどのように円高や株安に影響を与えるのかを解説します。

特に、初心者の方にも分かりやすいように、具体例や数字を使って説明していきます。

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日銀の利上げとその影響

まず、2024年7月31日に日銀が政策金利を0.25%に引き上げたことが大きな話題となりました。

これまでの0.1%からの引き上げで、日本の金融市場は一時大混乱に陥りました。この利上げにより、円高が進行し、その後、株価が急落しました。なぜ利上げが円高や株安につながるのか、そのメカニズムを見ていきましょう。

利上げが円高を引き起こす理由

政策金利が高くなると、銀行が設定する金利も上昇します。例えば、住宅ローンや企業が借りるお金の金利が上がるわけです。これにより、日本国内でお金を借りるコストが増します。

ここで、他国との比較をしてみましょう。アメリカの金利は約5%、一方で日本は0.25%です。この差は非常に大きく、アメリカでお金を借りる方がはるかに高コストになります。もしあなたがどちらかの国でお金を借りて運用しようと考えたら、当然コストが低い日本を選ぶでしょう。

さらに、金利が高い国の通貨は、投資家にとって魅力的です。

例えば、アメリカの金利が高いと、投資家はドルを持ちたくなります。逆に、日本の金利が低いと、円の魅力は減少します。しかし、日本が利上げをすると、円の価値が上がり、円高になります。

利上げと円高が株安を引き起こす理由

円高になると、特に海外からの収益が大きい日本企業の利益が減少します。

例えば、トヨタのような大企業は、ドルで得た収益を円に換算するとき、円高だとその価値が下がります。1ドル150円の時と、1ドル125円の時では、同じ1ドルでも円に換算した際の金額が変わります。

このようにして、円高が進むと日本企業の収益が圧縮され、それが株価の下落につながるのです。

また、日本の株式市場の売買は、海外投資家が6割から7割を占めています。

円高が進むと、ドルで見たときの日本株の価値が割高になります。これにより、海外投資家は日本株を売却し、それがさらに株安を引き起こします。

キャリートレードの影響

キャリートレードとは、金利の低い通貨を借りて、金利の高い通貨で運用する手法です。

最近では、円を借りてドル資産を買うキャリートレードが盛んに行われていました。しかし、日銀の利上げで円高が進むと、この手法はリスクが高くなります。

例えば、1ドル150円の時にキャリートレードを始めた場合、円高が進んで1ドル125円になってしまうと、大きな損失が出てしまいます。このようなリスクから、キャリートレードの解消が進み、さらに円高が進行するという悪循環が生まれます。

利上げが直接的に株価に与える影響

利上げは円高だけでなく、企業の借入コストの増加や消費・投資の落ち込みを引き起こします。これらはすべて企業の利益にマイナスの影響を与えるため、株価の下落要因となります。

ただし、すべての場合で利上げが株安を引き起こすわけではありません。例えば、アメリカでは利上げ局面でも株価が上昇したケースがあります。これは、景気が強い回復を見せている場合、企業の業績が好調である可能性が高いためです。

今回の日銀の利上げが引き起こした株価暴落の背景

今回の日銀の利上げによって、円高が急速に進行し、日本株は連日急落しました。

これには、アメリカの半導体関連株の大幅安や、イラン・イスラエル情勢の悪化など、さまざまな要因が重なっています。しかし、基本的には日銀の利上げが引き金となったと考えられます。

まとめ

今回の動画では、日銀の利上げがどのように円高や株安につながるのかを解説しました。

重要なのは、為替や株価の動きを予測するのではなく、リスクを認識し、短期的な動きに振り回されないことです。これから投資を始める方は、積み立て投資などを利用して、冷静に対処する姿勢が求められます。

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