最近、世界各地で移民が急増しており、それに伴って様々な問題が発生しています。
特に、イギリス、ドイツ、オーストラリアなどの国々では、移民の増加が社会的不安や暴力事件、政治的な対立を引き起こしている現状が報告されています。
今回は最近の移民問題について解説した動画をご紹介します。
イギリスでの事件と反響
7月末、イギリスのサウスポートという町で17歳の少年がダンス教室を襲撃し、3人の子供が命を落とすという悲惨な事件が発生しました。
この事件は、容疑者が未成年であるため、犯人の情報がすぐには公開されず、ソーシャルメディア上でさまざまな憶測が飛び交いました。
特に、「犯人が不法入国者である」や「イスラム教徒である」という誤った情報が広まり、それが原因でイスラム教のモスクが襲撃されるなどの暴力行為が相次ぎました。
これを受けて、イギリス当局は、ソーシャルメディアで嘘の情報を流した人物を逮捕しました。
このように、嘘の情報が拡散されることで暴動や破壊行為が引き起こされる事態が問題視されていますが、それだけではありません。
BBCなど一部のメディアでも報じられているように、暴動を起こした若者たちを地元の人々が応援していたという報道もあり、移民反対を訴える人々の不満が積み重なっている現状が見て取れます。
また、調査会社YouGovのデータによると、ここ数年で「移民が多すぎる」と感じているイギリス国民の割合が増加していることも確認されています。

にもかかわらず、日本の大手メディアでは、移民の増加に対する反対意見にはほとんど触れられず、ソーシャルメディア上での嘘の情報がすべての原因であるかのような報道がなされていると考えられます。
オーストラリアの移民抑制策
一方、オーストラリアでは、移民の急増が社会的・経済的な問題を引き起こしていることを受けて、政府が移民抑制政策に乗り出しています。
2025年以降、受け入れる留学生の数に上限を設けることが発表されました。具体的には、大学生14万5000人、専門学校生9万5000人、その他の教育機関の学生3万人に上限が設定されます。
オーストラリアは、かつてから移民大国として知られており、2021年の国勢調査によれば、オーストラリアで生まれた両親を持つ人々は人口の半分程度に過ぎません。
移民が経済を支えてきたこの国では、コロナパンデミック前までは移民の受け入れが比較的うまくいっていましたが、2022年以降、急激に移民が増加しました。
2022年7月から2023年6月までの1年間で、オーストラリアが受け入れた外国人の数は51万人と過去最高を更新しました。
この急激な移民増加により、オーストラリアでは住宅不足が深刻化し、住宅価格や家賃が急騰しています。また、移民の増加による失業者の増加など、社会の不安定化が進行していることから、政府は移民の受け入れを制限する方針を示しました。
ドイツでも移民問題が深刻化
ドイツでも、移民問題が社会の大きな関心事となっています。
8月23日、ドイツで難民申請中の26歳の男がイベント会場で刃物を使い、3人を殺害するという事件が発生しました。
この事件を受けて、移民反対を掲げる政党「AfD(ドイツのための選択肢)」が支持を拡大しており、来年の総選挙に向けてさらに勢いを増す可能性があります。ドイツでは9月に地方選挙が予定されており、AfDの躍進が注目されています。
まとめ
このように、世界各国で移民の急増が社会的不安や政治的対立を引き起こしており、各国政府は移民の受け入れ制限に動き始めています。
移民に対する考え方は国や文化によって異なりますが、インフラや社会資本のキャパシティには限界があり、多くの国でその限界が試されている現状が見て取れます。
知っておきたい専門用語集
- 移民:他国に移住して永住する人々
- 不法入国者:正規の手続きなしに他国に入国した人
- ソーシャルメディア:インターネット上で情報を共有するためのプラットフォーム
- モスク:イスラム教の礼拝施設
- 暴動:大規模な暴力行為や反乱
- 優雅部(YouGov):イギリスの調査会社、世論調査などを行う
- 移民抑制政策:移民の受け入れを制限するための政策
- リーマンショック:2008年の金融危機、世界的な経済不況を引き起こした
- 国勢調査:国民の人口やその他の社会統計を集めるための調査
- インフレ:物価が継続的に上昇する現象
- AFD(ドイツのための選択肢):ドイツの右派政党、移民反対を掲げている
- 総選挙:国の代表を選出するための選挙
- 地方選挙:地方自治体の代表を選出するための選挙
- キャパシティ:受け入れ能力、限界
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