現在インドが注目されています。
インドは、今後大きな経済成長を遂げると予想されており、その成長の背景には豊富な若い労働力があります。
インドは2023年に中国を抜いて世界最大の人口を持つ国となり、その人口構成は「富士山型」と呼ばれる若者が多い形をしています。これに対し、日本の人口構成は「壺型」と呼ばれ、少子高齢化が進んでいることが明らかです。
今回はインドの成長について解説した動画をご紹介します。
インドの成長の要因
若い労働力
インドは世界最大の人口を抱え、特に若い労働力が豊富です。
人口の多さに加え、若者の割合が高いことが、今後の経済成長を支える重要な要素となっています。
例えば、人口ボーナス期(15歳から65歳までの生産年齢人口が全体の2/3以上を占める期間)に突入しており、この期間中は経済が成長しやすいと言われています。過去、日本や中国もこの人口ボーナス期に高度経済成長を遂げており、インドも同じような成長が期待されています。
経済政策とインフラの発展
インドはモディ政権のもとで積極的な経済政策が進められています。
特に、インフラ整備に力を入れており、経済成長を支えるための基盤が整いつつあります。
現在、インド国内の一部地域ではインフラがまだ十分に整備されていないため、これからの発展が期待されています。例えば、道路や鉄道の整備が進めば、物流の効率が向上し、経済活動がさらに活発になると考えられます。
企業の成長とスタートアップ文化
インドは若者が多いだけでなく、スタートアップ文化が根付いており、多くの若者が新しい事業に挑戦しています。
自営業や個人事業主としてビジネスを始める人が多く、こうした挑戦する精神が経済成長を支える大きな力となっています。
さらに、インドからは多くの優秀な人材が輩出されており、例えば、アメリカの大企業のCEOにインド出身者が多いことも注目されています。
インド経済の現状と将来の展望
インドの実質GDP成長率は、コロナ禍の影響を受けた2020年を除いて、近年5%以上の成長を続けており、特にコロナ後には10%を超えるシーズンもありました。これにより、今後10年間でインドの経済規模が2倍になる可能性があります。
また、インドの株式市場も注目されています。
インドには「ニフティフィフティ」と「センセックスサーティ」という2つの株価指数があり、どちらもインド経済全体を把握するための重要な指標です。
これらの株価指数は、過去20年間で約19倍の成長を記録しており、世界中の投資家がインド市場に注目しています。
さらに、世界的な投資戦略として「チャイナプラス1戦略」が進められており、多くの企業が中国市場に依存するリスクを回避するために、インドへの投資を増やしています。
このような背景から、インドは今後も成長を続け、世界の経済において重要な位置を占めることが期待されています。
投資のリスクと分散投資の重要性
インド経済は非常に魅力的ですが、投資にはリスクが伴います。
特に、インドはまだ発展途上国であり、カースト制度や隣国との国境問題といったリスクも存在します。しかし、インド政府や社会の変化により、カースト制度の影響は年々弱まりつつあります。また、国際的な企業がインド市場に参入することで、ビジネス環境が改善されつつあります。
そのため、インドへの投資は、先進国の株式とバランスを取って行うことが推奨されます。分散投資をすることで、リスクを軽減しつつ、インド市場の成長に参加することが可能です。
まとめ
この動画では、日本の少子高齢化による経済停滞のリスクと、インドの経済成長の可能性が対比されています。
インドは若い労働力やスタートアップ文化、インフラ整備、そして世界中の投資家や企業が注目する市場として、今後も成長が期待されています。一方で、投資にはリスクが伴うため、分散投資の重要性も強調されています。
知っておきたい専門用語集
- 出生数:ある期間内に生まれた子供の数を指す。動画内では日本の出生数が過去最低の72万人に達したと述べられている。
- 実質GDP成長率:ある国や地域の経済が、物価変動の影響を除いてどれだけ成長したかを示す指標。経済の健康状態を測る際に使われる。
- 投資信託:投資家から資金を集めて、様々な金融商品に投資し、その成果を投資家に分配する仕組み。動画内ではインド株の投資信託が紹介されている。
- ニフティフィフティ:インド最大の証券取引所であるNSEに上場している50社の株式から成る株価指数。インド経済を代表する重要な企業が集まっている。
- センセックスサーティ:インドで最も歴史のある証券取引所であるBSEに上場している30社の株式から成る株価指数。長年インド経済の指標として使われてきた。
- リバランス:資産の配分が崩れた際に元の割合に戻すための調整。例えば、特定の株価が上昇した際、その株式を売却して別の株式を購入し、バランスを整える行為。
- 人口ボーナス期:15歳から65歳までの生産年齢人口が、総人口の2/3以上を占める期間。この期間は経済成長に有利とされ、動画内ではインドが人口ボーナス期にあると説明されている。
- カースト制度:インドの伝統的な身分制度。経済成長に対する障害とされることもあるが、政府や社会の変化により影響が弱まりつつある。
- チャイナプラス1戦略:企業が中国に依存しすぎるリスクを減らすために、中国以外の国にも生産拠点や投資を分散させる戦略。動画内ではインドがその選択肢として注目されている。
- カントリーリスク:特定の国に投資する際、その国の政治的、経済的、社会的な不安定要素によって生じるリスク。インドに対する投資でもパキスタンや中国との国境問題がカントリーリスクとして挙げられている。
- 投資信託の信託報酬率:投資信託の運用にかかる手数料の割合。動画内では各社のインデックスファンドやアクティブファンドの信託報酬率が比較されている。
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