楽天SCHDは高配当株投資信託として非常に人気の高い商品です。
しかし、誰にでも適しているわけではなく、投資目的やライフステージによって向き不向きがはっきりと分かれる特徴を持っています。
今回の記事では、YouTube動画「【知らないと損】楽天SCHDに投資してはいけない人3選!」の内容をもとに、楽天SCHDが 向いていない人の特徴 と 逆に向いている人 について詳しく解説します。
楽天SCHDが向いていない人の3つの特徴
1. 資産拡大を最優先する人
楽天SCHDは「資産拡大」を主な目的とする投資商品ではありません。
このファンドのベースとなる「ダウジョーンズ配当100インデックス」は以下の4つの要素で銘柄選定を行います:
- 配当利回り
- 過去5年間の配当成長率
- 現在の配当金水準
- 将来的な配当金の見通し
このように配当金を重視した商品であり、株価成長そのものを目的としていないため、資産拡大には不向きです。
具体例を挙げると、直近10年間の年平均株価成長率は以下の通りです:
- 楽天SCHD:8.72%
- S&P500:12%
分配金を含めたトータルリターンでも、直近5年間では以下の結果になっています:
- S&P500:91%
- 楽天SCHD:81%
「将来的に教育費や住宅購入資金を貯めたい」「老後資金をしっかり増やしたい」という資産拡大を目指す方には、楽天SCHDではなく S&P500 などの成長型商品が適しています。
2. 効率よく資産形成したい人
楽天SCHDは特に「効率」を重視する人にも向いていません。その理由は以下の3点に集約されます:
① 新NISAとの相性が悪い
分配金を再投資する際、楽天SCHDは新NISAの非課税枠を消費します。
例えば、楽天SCHDに100万円を投資して分配金5万円を受け取った場合、この5万円を再投資すると非課税枠の5万円分を使用してしまいます。一方で、S&P500のような分配金を出さないファンドでは、ファンド内で再投資されるため非課税枠は消費されません。
② 分配金再投資の効率が悪い
楽天SCHDは分配金再投資時に20%の課税が発生します。
一方、S&P500のようなファンドでは、外国税10%のみが課税され、効率よく資産形成を行えます。
③ 信託報酬などのコストが高め
以下は楽天SCHDとS&P500の信託報酬の比較です:
- 楽天SCHD:0.12%
- S&P500(eMAXIS Slim 米国株式):0.09372%
このようにコスト面でもS&P500の方が優れているため、「効率よく資産を増やしたい」という方には楽天SCHDはおすすめできません。
3. 楽天証券以外でNISAを利用している人
楽天SCHDは楽天証券専用の商品です。
そのため、楽天証券以外のNISA口座を利用している場合、特定口座でしか購入できず、非課税の恩恵を受けられません。
特定口座では以下のデメリットが発生します:
- 分配金に約20%の税金がかかる
- 再投資時の非課税枠の活用ができない
「他の証券会社でNISA口座を開設済み」という方は、楽天SCHDの購入優先度が低くなるでしょう。
楽天SCHDが向いている人の特徴
逆に楽天SCHDは以下のような方にはおすすめです:
1. 分配金を増やしたい人
楽天SCHDは高い配当利回り(3%前半〜半ば)と増配率が魅力の商品です。分配金の成長を目的とする方には最適と言えます。
2. 資産拡大と分配金のバランスを求める人
「分配金を受け取りながら、長期的に緩やかな資産成長も目指したい」という方には、楽天SCHDが適しています。株価はS&P500ほど成長しないものの、安定的な配当と適度な成長を享受できます。
3. 暴落時も安定収入を得たい人
株価が暴落した場合でも、楽天SCHDは分配金を維持し続ける実績があります。暴落時に安定した収入を確保したい方には大きなメリットです。
4. 資産形成期を終えた人
すでに資産形成を終え、「これからは分配金を楽しみたい」というフェーズの方には、楽天SCHDが向いています。
5. 分配金が好きな人
「不労所得」や「配当金」という響きに魅力を感じる方には、効率性よりも「好き」という気持ちを優先して楽天SCHDを選ぶ価値があります。
まとめ
楽天SCHDは投資目的やライフステージによって向き不向きがはっきりする商品です。
資産拡大を優先する方や効率を重視する方 には不向きですが、
分配金を増やしたい方や安定した収入を求める方 には非常に適しています。
投資の判断をする際は、自分の投資目的を明確にし、それに合った商品を選ぶことが最も重要です。楽天SCHDが適しているかどうかを検討する際の参考になれば幸いです。
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