【インド】インドの経済成長率が鈍化!7-9月+5.4%!何が起こっているのか!

インドは、BRICS諸国の中でも注目されてきた高い経済成長率を誇る国ですが、最近のデータではその勢いに陰りが見えています。

今回は2024年7-9月期のインド経済成長率が鈍化した背景と、その影響について詳しく解説します。

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1. 最新のGDP成長率データ:期待外れの結果

2024年11月29日に発表されたデータによると、インドの7-9月期のGDP成長率は前年同期比+5.4%でした。

これは事前のエコノミスト予想(中央値+6.5%)を大きく下回り、2022年10-12月期以来となる6%以下の成長率となりました。

この結果を受け、インド中央銀行は2024年の年間成長率見通しを従来の+7.2%から+6.6%に下方修正しました。


2. 成長鈍化の原因:天候不順と物価高騰

インド経済成長率が鈍化した主な理由は、天候不順とそれに伴う物価高です。以下に具体的なデータを示します。

  • 民間消費:前年同期比+6.0%(4-6月期の+7.6%から減速)
  • 輸入:前年同期比-2.9%(4-6月期の+4.4%から大幅減少)
  • 輸出:前年同期比+2.8%(4-6月期の+8.7%から減速)
  • 固定資本形成(設備投資):前年同期比+5.4%(4-6月期の+7.5%から減速)

特に消費の低迷は物価高が原因で、消費者物価指数(CPI)は2024年10月に前年同期比+6.2%まで上昇しました。

中でも、食品価格の高騰が家計を圧迫しています。例として、じゃがいもの価格は前年比+64.9%、玉ねぎは+161.3%と大幅に値上がりしています。これにより、多くの家庭の消費行動に影響を与えています。


3. 天候不順と農作物への影響

天候不順の頻発も成長率低下の要因です。

2024年は観測史上最も暑い年とされ、洪水や干ばつなどの影響で農作物が被害を受け、米や玉ねぎ、トマトなどの価格が急騰しました。

2023年にはトマト価格の急騰で「トマト強盗」などの事件も発生しました。気候変動が経済全体に与える影響は無視できず、今後も農作物の価格上昇がインフレを押し上げる可能性があります。


4. 潜在成長率と長期的な見通し

潜在成長率とは、中長期的に持続可能な成長率を指します。

多くの市場参加者は、インドの潜在成長率を7%程度と見ています。

今回の成長率の鈍化は主に一時的な要因によるものであり、潜在成長率を押し下げるものではないと考えられています。しかし、天候不順が頻発することで、成長率が潜在成長率を下回る可能性もあり、これが今後の課題となります。


5. 株式市場との関係

GDP成長率の低下は株式市場に影響を与えると考える人も多いですが、株式市場は必ずしも経済全体を反映しているわけではありません。

インドの株式市場は輸出企業が多くを占めており、国内経済の動向とは必ずしも一致しません。

この点は他国でも同様で、例えばドイツ経済が低迷しているにもかかわらず、ドイツ株式市場は最高値を更新している状況があります。


6. GDP統計の限界

インドのGDP統計は、屋台や市場での小規模事業を含む多くの非公式経済活動を十分に反映していないと指摘されています。

これにより、GDPデータだけでは一般市民の経済状況を正確に把握できない部分があります。しかし、金融政策や経済政策を考える上では必要な指標であるため、引き続き注視が必要です。


7. 今後の注目点

インド経済は、気候変動や物価高騰という課題を抱えつつも、中長期的には潜在成長率に沿った成長を期待されています。

ただし、気候変動の影響がより深刻化する可能性があり、これが成長率を抑制するリスクとして認識されています。


今回の分析を通じて、インド経済の現状と課題が明確になりました。成長率鈍化の背後にある要因を理解し、今後の動向を注意深く見守ることが重要です。

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