DeCo(個人型確定拠出年金)に関する重大な改定が、2025年の税制改正で発表されました。
この変更により、多くの人が将来的に大きな経済的影響を受ける可能性があります。本記事では、動画で解説されていた内容を元に、初心者にも分かりやすくiDeCoの仕組み、改悪の具体的な内容、そしてこれからの対策について詳しく説明します。
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目次
iDeCoとは?基本の仕組みをおさらい
iDeCoは、国民年金や厚生年金といった公的年金とは別に、自分で積み立てを行い運用する私的年金制度です。公的年金の不足を補い、老後の生活を安定させるための資産形成の手段として広く利用されています。
iDeCoの主な特徴
- 掛金が所得控除の対象
- 毎月積み立てた掛金は、所得税と住民税の控除対象となり、節税効果が得られる。
- 例:年間24万円を積み立てた場合、所得税率20%の人なら年間4.8万円が節税。
- 運用益が非課税
- 投資信託などで得た利益には通常税金がかかるが、iDeCoでは非課税となる。
- 受け取り方法が選べる
- 一括受取(退職金扱い)または年金形式での分割受取が可能。
- 受け取り開始は60歳以降
- 60歳になるまでは引き出せない制約がある。
過去のルール:5年ルールの節税テクニック
iDeCoの掛金や運用益を受け取る際、税制上の恩恵を最大限活用する方法として「5年ルール」が存在していました。
5年ルールとは?
- 退職所得控除を2回利用する節税方法。
- 1回目:60歳でiDeCoを一時金(退職金扱い)で受け取る。
- 2回目:65歳で会社の退職金を受け取る。
- 控除額の例
- 20年勤務の場合、退職所得控除額は870万円。
- 退職金が870万円以下なら課税対象額は0円。
この方法のメリット
5年間の間隔を空けることで、退職所得控除を2回フルに活用可能。税金を大幅に削減できるため、多くの人がこの方法を活用していました。
改悪の内容:5年ルールが10年ルールに変更
2025年の税制改正では、この「5年ルール」が「10年ルール」に変更されました。
新ルールの影響
- 控除を2回利用するためには10年の間隔が必要
- 60歳でiDeCoを一時金で受け取る場合、70歳まで会社の退職金を受け取れない。
- 65歳定年の人が控除を2回利用できない
- 現在、65歳定年が一般的。10年ルールにより、会社の退職金が控除対象にならないケースが増加。
- 課税額の増加
- 例:iDeCoで600万円積み立てた場合、控除が適用されないと50万円以上の税金が発生する可能性。
なぜこの改定が行われたのか?
- 財務省の狙い
- 退職所得控除の「二重利用」を防ぐため。
- iDeCoの掛金は積み立て時点で所得控除を受けているため、受け取り時の課税強化が適当と判断。
実例で見る損失額のシミュレーション
5年ルールの場合
- 山田さん(仮名)
- 40歳からiDeCoに加入し、20年間で600万円積み立てた。
- 60歳でiDeCoを受け取り、65歳で会社の退職金2000万円を受け取る。
- 税額の計算
- iDeCo:課税対象額0円(控除額870万円を超えないため)。
- 会社の退職金:課税対象額0円(同様に控除内)。
- 合計税額:0円。
10年ルールの場合
- iDeCoと会社の退職金を同時に受け取ることが現実的。
- 税額の計算
- iDeCo:50万円の課税対象(600万円の50%が課税対象)。
- 会社の退職金:課税対象額0円(控除額870万円内)。
- 合計税額:50万円以上。
どう対策すれば良いのか?
1. 分割受取を検討
- 一括受取ではなく年金形式で分割して受け取ることで、課税額を抑えられる可能性がある。
2. 焦らず運用を継続
- 現時点でルール変更により損をするからといって、iDeCoを解約するのは時期尚早。
- 今後の税制改定により再び有利なルールに戻る可能性も。
3. 情報を定期的にチェック
- 政府の方針や税制改定の内容を把握し、最適な行動を取ることが重要。
結論:iDeCoを使うべきか?
今回の改定は、多くの利用者にとって大きなハードルとなりましたが、iDeCo自体のメリットは依然として存在します。特に、所得控除や運用益非課税といった利点は無視できません。重要なのは、冷静に情報を分析し、自分に最適な選択肢を取ることです。
これからiDeCoを始めようと考えている方も、焦らず制度の仕組みや改定の影響を理解した上で行動しましょう!
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