FANG+ETFは、精鋭な高成長テクノロジー企業に集中投資できる魅力的な商品です。
新たに登場した「316A」は、FANG+ETFを世界で初めて日本で対応した商品で、その魅力と注意点を詳しく解説します。今回は、投資信託との違い、実際に乗り換えたほうがいい場合などをわかりやすく説明します。
FANG+ETFの基本情報
FANG+ETFは、特にテクノロジーセクターに特化した10社の企業に均等投資する指数「FANG+指数」に連動するETFです。従来の投資信託とは異なり、ETF形式で取引所を通じてリアルタイムで売買が可能な商品です。
主要な構成銘柄
2024年現在の構成銘柄は以下の通りです:
- NVIDIA
- Apple
- Microsoft
- Amazon
- Meta
- Netflix
- Broadcom
- ServiceNow
- CrowdStrike
これらの企業は全て均等比率(約10%ずつ)で組み入れられています。一般的な時価総額加重平均の指数とは異なり、この均等配分が特徴です。この方法により、特定の企業が急成長した際の恩恵を受けやすくなっています。
FANG+ETFの魅力
FANG+ETFの最大の魅力は、その驚異的な成長率です。過去10年間でFANG+指数は約15倍もの成長を記録しており、他の代表的な指数と比較しても圧倒的なパフォーマンスを示しています。
例えば:
- S&P500:同期間で約5倍の成長
- S&P500からBig Techを除いた494銘柄:約2.3倍の成長
これに対し、FANG+指数の15倍という成長は突出しており、特にテクノロジーセクターの成長力がいかに強力かを示しています。
過去の成長を支えた要因
FANG+指数が高い成長を遂げた背景には、以下のような要因があります:
- 厳選された構成銘柄:
- NVIDIA、Netflix、Teslaといった急成長銘柄が初期から組み入れられており、その後の高騰が指数全体を押し上げました。
- 均等配分の恩恵:
- どの銘柄も同じ比率で組み入れられているため、大きな成長を遂げた銘柄の影響を指数全体が受けやすい構造になっています。
- テクノロジーセクターの優位性:
- クラウドサービス(Amazon、Microsoft、Google)、SNS(Meta)、ストリーミング(Netflix)といった分野で、圧倒的な市場シェアを誇る企業が多い点が成長を後押ししました。
注意点とリスク
一方で、FANG+ETFには以下のようなリスクも存在します。
集中投資によるリスク
FANG+ETFは10社に限定して投資を行うため、分散投資の効果が十分に得られません。具体的には、
- ウォール街のランダムウォーカーで紹介されたグラフによると、分散効果が十分に得られるのは40銘柄以上であり、10社程度ではリスクが約70%と非常に高い水準に留まります。
ボラティリティの高さ
構成銘柄の多くがハイテク関連の成長株であるため、市場環境に応じた値動きが大きくなる可能性があります。
為替リスク
今回のFANG+ETFは日本円建てですが、米国株が主体のため為替変動によるリスクが完全に排除されるわけではありません。
投資信託とETFの違い
FANG+ETFは従来の投資信託といくつかの重要な点で異なります。
メリット
- コストの低さ:
- 投資信託の信託報酬率は約0.75%に対し、ETFは0.65%と低コストです。
- リアルタイム取引:
- ETFは株式と同様に市場でリアルタイムに取引可能で、価格変動を見ながら売買できます。
- 流動性の高さ:
- ETFは市場での売買が可能であるため、換金性が高いです。
デメリット
- 購入単価の高さ:
- ETFは1口あたりの価格が高額(数万円)になる場合が多く、小口投資には向きません。
- 分配金の再投資が手動:
- 投資信託では分配金が自動的に再投資されますが、ETFでは分配金を手動で再投資する必要があります。
どのような人に向いているか
FANG+ETFへの投資が適しているのは、次のような人です:
- 短期的な値動きを利用して頻繁に売買を行いたい人
- 長期的な低コスト運用を目指す人
- 分配金を受け取り、自由に使いたい人
一方で、以下のような人には投資信託の方が適している場合があります:
- 小額から投資を始めたい人
- 分配金を自動再投資して複利効果を最大化したい人
- クレジットカード積立のポイント還元を活用したい人
まとめ
FANG+ETFは、その高成長性と魅力的な構成銘柄により、投資家にとって非常に魅力的な選択肢です。しかし、集中投資のリスクや市場のボラティリティなどを十分に理解した上で、投資を検討する必要があります。
自身の投資スタイルや目的に合わせて、投資信託とETFのどちらが適しているかを見極め、賢い資産運用を行いましょう。
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