※本記事は、YouTube動画「日本株市場は半導体逆襲くるか?TSMC・ディスコの決算でどうなる?ズボラ株投資」の内容をもとに構成しています。
結論:半導体関連に反発の兆し!TSMCの設備投資継続とディスコの出荷横ばいが安心感に
2025年4月、日本株市場では半導体関連銘柄に“逆襲”の気配が見え始めています。TSMCとディスコという2つの重要企業の決算発表が市場に影響を与え、「売りが止まり、買いの兆しが見え始めた」という空気が広がっています。
特に、TSMCの決算内容がポジティブサプライズとして受け止められ、日経平均や東京エレクトロン、スクリーンHDなどが午後の一斉上昇につながりました。
TSMC決算:注目ポイントは“据え置きの設備投資”
台湾の世界最大の半導体ファウンドリ「TSMC」の2025年第1四半期決算が、日本市場にも大きな影響を与えました。
- 業績自体は好調(織り込み済み)
- 注目点は「今期の見通しと設備投資額」
- 見通し:据え置き
- 設備投資(CapEx):変更なし
重要な理由:
- 日本は半導体製造装置メーカーが強い
- TSMCが投資を続ければ、東京エレクトロン・ディスコ・アドバンテストなどに直接恩恵が波及
- 生成AI向けの最先端7nmプロセスへの需要も継続しており、「まだAI需要は終わっていない」というメッセージにもなった
午後2時半の“TSMCショック”で日本市場に動き
TSMCの決算が発表された午後2時半から、以下のような動きがありました。
銘柄名 | 動き |
---|---|
日経平均 | 午後2時半から一気に上昇 |
東京エレクトロン | 同時刻から急騰(5分足で明確) |
スクリーンHD | 上昇 |
ディスコ | 上昇 |
アドバンテスト | 上昇 |
国際電子 | 上昇 |
売りが枯れていて下がらなかったことに加えて、「買いのトリガー」が入った瞬間だったとも言えます。
ディスコの決算も“安心材料”に
日本の半導体製造装置メーカーであるディスコも、同日に本決算を発表。こちらも注目は「今期の見通し」でした。
決算内容まとめ:
- 売上・利益ともに減少見通し(第1四半期)
- しかし出荷額ベースでは横ばい
- 売上減は“会計上の研修タイミング”の影響
具体的には、第4四半期に駆け込み研修があり、売上が前倒しで計上された結果、第1四半期が減少して見えているだけとの分析。
加えて、想定為替レートが1ドル=135円とやや保守的であることも、利益見通しが低く見える要因とされています。
市場の空気感:悲観がやや後退し始めている?
- ASMLの悪決算やNVIDIAの中国規制ニュースなど、ネガティブ材料が続いていた
- しかし、TSMCとディスコの決算で「底が見えた感」が出た
- 市場全体としても「迷い状態」だが、売り圧力は明らかに弱くなっている
チャート分析から見た「今後の展開」
ポイント:
- 売買代金は依然として4兆円を割り込む低水準
- 相場参加者が減少=方向感がない状態
- しかし「これ以上下がらないかも」というムードが形成されつつある
- ここから反発するか、再度中期的に調整するかは今後の外部要因(関税・金利など)次第
まとめ:半導体株は「谷を越えた」可能性も、慎重に見守りながら注目を
現時点で言えるのは、TSMC・ディスコの決算を受けて半導体セクターに安心感が戻りつつあるということです。とくに以下の2点は重要な観測ポイントです。
- TSMCが設備投資を継続=日本メーカーに追い風
- 出荷ベースでの横ばい=業界全体の底堅さ
これらの兆候から、一部の投資家は再エントリーの検討を始めている可能性もあります。
ただし、今後も米中貿易摩擦や生成AIの過熱調整リスクなど、警戒すべき材料は多いため、慎重にチャートとファンダメンタルズの両面を見て判断する必要があります。
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