結論:インド株は米中貿易戦争の“勝ち組”になる可能性が高い
2025年4月第3週、インドの株式市場はニフティ50指数が4.5%も上昇し、大きな注目を集めました。背景には米中関税合戦の一服やインドのインフレ沈静化、利下げ、通貨高、原油安など複数の好材料が絡んでいます。
さらに、iPhoneを含む製造業の拠点が中国からインドに移行する兆しもあり、インドは「次の世界の工場」としての地位を強化しつつあります。
以下で、詳細に解説していきます。
1. 米中関税合戦が一服、日本や米国は調整続く中、インドだけが上昇
アメリカでは、S&P500指数が週間ベースで1.5%下落し、5282ポイントで取引を終了。トランプ政権発足後、S&P500は約12%も下落しています。
一方、日本の日経平均株価は3.4%上昇と健闘したものの、インド株の上昇幅(4.5%)が最も大きく、4連騰を記録しました。
■ 各国株価の週間騰落率
国 | 指数 | 騰落率 |
---|---|---|
アメリカ | S&P500 | -1.5% |
日本 | 日経平均 | +3.4% |
インド | ニフティ50 | +4.5% |
2. テクニカル的にも好転、ゴールデンクロス発生か?
インドの代表指数ニフティ50は23,851ポイントで終了。ここ数カ月跳ね返されていた重要レジスタンス水準23,850を突破し、ゴールデンクロス(75日移動平均線越え)発生の可能性が出ています。
これにより、次の目標値は年初の高値24,200ポイントとされており、さらなる上昇余地が見込まれています。
3. インフレ率が大幅低下、利下げ余地も広がる
3月のインドのCPI(消費者物価指数)は前年比+3.34%で、市場予想を下回る結果となりました。特に食品価格の伸びが2.69%(2月:3.75%)と落ち着いており、インフレ率は5カ月連続で低下しています。
過去には6.2%まで上昇していたことを考えると、物価上昇の圧力は大きく和らいでいることが分かります。
また、インド準備銀行(中央銀行)は政策金利を0.25%引き下げて6%に設定。今後の追加利下げの可能性も示唆されており、株式市場にとっては強い追い風です。
4. 通貨高+原油安もインド経済にプラス
インドルピーはドルに対して通貨高で推移しており、さらに原油価格も1バレル64ドル台と下落傾向にあります。インドは原油輸入国のため、原油安はインフレ抑制と経常収支改善の両面でプラスに作用します。
5. 米中貿易戦争が製造業のシフトを促進
インドは中国に代わる製造拠点として注目を集めています。ブルームバーグによれば、Appleのスマートフォン出荷台数は前年比54%増加しており、輸出額も174ドル増と大きな伸びを記録。
さらに、米国への輸出依存度が低く(総輸出の2.7%)、貿易摩擦による悪影響が限定的なため、逆に他国企業の生産移転先としての魅力が増しています。
6. インド株関連の人気ファンド情報
楽天証券で購入できるニフティ50連動型ファンドも堅調に推移しています。
ファンド名 | 基準価格 | 1年リターン |
---|---|---|
Ifrexインド株 | 13,852円 | – |
楽天インド株 | 9,563円 | – |
ダイナミックインド株ファンド | 9,735円 | -3.1%(1年)/+47%(3年) |
HSBCインドインフラ株式OP | 17,295円 | -9%(1年)/+59%(3年) |
長期リターンで大きく伸びているファンドも多く、分散投資の一環として注目されています。
まとめ:インドは「次の中国」になれるか?
インドは今、低インフレ・利下げ余地・製造業シフト・原油安・通貨高という複数のポジティブ材料が揃った希少な市場です。
米中関税戦争が激化する中、インドが製造業や投資の受け皿として台頭してくる可能性はますます高まっており、中長期的な成長を見据えた投資対象として極めて魅力的です。
今後もインド株の動きから目が離せません。
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