S&P500はすべての暴落を乗り越えてきた ― 歴史から学ぶインデックス投資の本質

※本記事は、YouTube動画「S&P500は大暴落を全て乗り越えた【S&P500, NASDAQ100】」の内容を基に構成しています。

結論:S&P500は過去すべての暴落を乗り越えて成長を続けている

インフレ、リセッション、戦争、金利急騰など、さまざまな経済的ショックが米国市場を襲ってきましたが、S&P500はそのたびに回復し、最終的には過去最高値を更新し続けてきたというのが事実です。

この記事では、過去の暴落とその背景、低迷期間の長さ、現代の投資家が学ぶべき視点について、豊富なデータと歴史的事例をもとに詳しく解説していきます。


目次

米国株の「ドローダウン」からわかる暴落のパターン

ドローダウンとは、最高値からの下落率のことです。2024〜2025年にかけての米国株の下落では、S&P500が最大24%超のドローダウンを記録しました。

しかしこれは過去と比較するとまだマイルドな部類。以下は過去の代表的な暴落です:

暴落名ドローダウン率低迷期間
世界大恐慌約86%約25年
ITバブル約49%約7年(続くリーマンと合わせると11年)
リーマンショック約56%約6年
ブラックマンデー1日で20%以上数ヶ月で回復

世界大恐慌からの回復 ― 25年の低迷とその教訓

1929年の大恐慌は、25年に及ぶ低迷という歴史的な深い谷を形成しました。その原因は、保護貿易(スムート・ホーリー法)、銀行破綻、金本位制の維持など複合的です。

しかし、金融緩和やニューディール政策、第二次世界大戦の需要拡大によって経済は復活。結果的に株式市場も新たな上昇局面へと向かいました。


インフレの恐怖 ― 1970年代の「株式の死」

1970年代は、1年でCPI(消費者物価指数)が15%上昇するなど「スタグフレーション(インフレ+不景気)」の時代。株価は長期にわたり横ばい、資金流出が続きました

この時、FRB議長ポール・ボルカーが登場。政策金利を20%近くまで引き上げてインフレを抑え込み、市場の信認を回復しました。


ブラックマンデー ― コンピューター取引が引き金に

1987年の「ブラックマンデー」は、1日で20.5%下落という前代未聞の事件。原因はコンピューターによる自動売買(ポートフォリオインシュランス)による連鎖売り。

為替・債券・株式の*トリプル安”という現象が発生し、世界市場に波及。今もこの3要素の同時下落は警戒されています。


低迷期間ランキング(円建て・54年間)

円建てで見たS&P500の低迷期間のトップ5は以下の通り:

順位期間年数備考
1位1973–1984約11.5年インフレ+スタグフレーション時代
2位2000–2007約7.5年ITバブル後
3位2008–2013約6.4年リーマンショック後
4位その他約5年超×1回

つまり、54年間の半分以上の期間が「低迷期間」だったということになります。


NASDAQ100(ナスダック100)の低迷

NASDAQ100における最大の低迷はITバブル+リーマンショックの複合で、約14.7年という長期に及びました。

このように、成長株中心の指数でも数年〜十数年の低迷は繰り返し起こってきたという事実があります。


投資家心理と「逆張り」の大切さ

人間の心理は「高値で買い、安値で売る」傾向に陥りがち。実際、暴落時に資金が流出し、上昇時に流入するパターンが多く見られます。

著者が挙げていた本『Just Keep Buying』や『サイコロジー・オブ・マネー』でも、継続投資・長期目線の重要性が強調されています。


歴史が証明するS&P500の強さ

最後に紹介されたのが、シーゲル教授の研究。S&P500の前身を含めた220年間のデータでは、年平均8%の成長が確認されています。

  • 米独立戦争
  • 世界大戦
  • 冷戦
  • 世界金融危機

こうした数々の歴史的事件をすべて乗り越えて、株式市場は回復してきたということです。


結論:暴落は“必要なコスト” ― インデックス投資家の心得

  • 暴落は定期的に訪れるもの
  • 低迷期間は数年〜10年超えも想定内
  • 下落相場こそチャンスと捉える視点が大事
  • 「我が子を育てるように」資産と向き合うこと

つまり、暴落は「安く買える機会」であり、長期リターンを得るための必要経費だという考え方です。


補足:日本株の長期低迷も積み立てで克服可能

日経平均はバブル崩壊後、株価ベースで35年の低迷が続きましたが、積み立て投資なら13年程度で回復したというデータも紹介されました。


あなたの投資スタンスは?

最後に著者は、自身のポートフォリオ(1.2億円の大部分が株式)を公開しながら「今はチャンス」「淡々と積み上げよう」とメッセージしています。

「暴落が来たら買い増す」くらいの気持ちで、インデックスファンドを信じて続けることが、資産形成の鍵になるでしょう。

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