2025年、米国市場は大きな転換期を迎えています。株安、ドル安、債券安が同時に進行する「米国売り三重苦」の中で、資産を守り増やすためのキーワードは明確です。
それが「金」と「金鉱株」。
過去最高値を更新する金価格と、それに連動して急騰する金鉱株。特に中国などアジア諸国の実需買いや、地政学リスク、FRB人事の混乱が拍車をかけており、金市場は今、歴史的な注目を集めています。
目次
米国が売られている5つの理由
1. トランプ政権による貿易戦争再燃と保護主義
- 2025年に再登場したトランプ大統領が「アメリカ第一主義」を掲げ、世界中に関税を課す強硬姿勢。
- 結果、米中貿易戦争が再燃し、グローバル経済への不安が高まる。
2. FRB(パウエル議長)解任の可能性が浮上
- トランプ氏がFRB議長に対して強い圧力をかけ、「会認も辞さない」姿勢を表明。
- 政治的な独立性の侵害が懸念され、ドルの信認が急落。
3. AIブーム終了と米ハイテク株の急落
- NVIDIAは高値から36.7%下落。
- 中国のファーウェイが同等性能のAI半導体を発表し、米国製半導体の競争力低下。
4. 株・債券・ドルすべてが売られる“トリプル安”
- 直近ではS&P500が−21.6%、NASDAQ総合が−24.3%。
- 為替もドル安+円高で、日本の個人投資家はダブルパンチ。
5. 長期低迷が始まる可能性
- 過去15年の米国株ブームは終了。
- 特にレバナス信者は要注意。下落が続けばレバETFはゼロに近づく構造的リスクあり。
金価格の上昇とその背景
金価格は一時3500ドル(史上最高値)を突破。なぜ今、金が買われるのか?
主要因
- トランプ関税による貿易停滞と景気後退懸念
- 中国がアジア時間に“爆買い”
- 中央銀行がロンドンではなく国内保有を強化
- 金は利回りが付かないが、景気後退時に強い
歴史的な裏付け
- 1970年代のスタグフレーション時代、金価格は35ドル→875ドルと25倍に。
- 長期金利が上がる局面でも、インフレ懸念が金を支える。
急騰する金鉱株の実力
金価格の上昇は金鉱株にも波及。
注目ETF:バンエック金鉱株ETF(GDX)
- 2025年の年初来リターン:+52.3%
代表的な金鉱株企業と業績
銘柄名 | 国 | 特徴 | 最新売上成長率(前年比) |
---|---|---|---|
ニューモント | 米国 | 世界最大の金鉱会社 | +85%(Q3) |
バリック・ゴールド | カナダ | カナダ最大級 | 不明(動画内未詳) |
アグニコ・イーグル | カナダ | カナダ第2位 | 高成長継続中 |
ゴールドフィールズ | 南ア | 南アフリカ大手 | 高成長中 |
Appleの成長率が1桁台前半であることと比較しても、金鉱株のポテンシャルは圧倒的です。
今後のドルと長期金利の関係について
一見すると「ドル安と長期金利上昇」は矛盾して見えますが、実は両立します。
- 米国債が売られる → 長期金利は上昇
- FRB不信・貿易戦争激化 → ドルが売られる
つまり、ドルも金利も売られるという異常な市場構造が発生しているのです。
個人投資家が取るべき戦略
- 米国株ブームは一度リセットされる
- レバナスや米ハイテク集中投資からの脱却
- 金・金鉱株へのシフトを検討
- 資産分散を意識した長期投資戦略に転換
おすすめの金投資手段
- 金鉱株ETF(GDXなど)
- 純金積立 or 金現物購入
- 新興国通貨建て金投信
- 積立NISAやiDeCoを活用した長期保有
まとめ:米国株に固執せず、新たな成長市場「金・金鉱株」へ
米国株が売られているのは一時的ではなく構造的な問題が原因です。これまで通用していた投資手法が今後も通用するとは限りません。AIブームの終焉や政治的リスクを受けて、新たな投資先を探すべきタイミングです。
2025年以降、注目すべきは「金と金鉱株」。
歴史的な金価格上昇の波に乗るか、米国株の長期低迷に巻き込まれるか。分かれ道は、まさに今です。
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