この記事は、YouTube動画「【英国経済】またまたホームレスが増加して18万3000人!路上生活者が今後も増え続ける理由!」をもとに作成しています。
結論:イギリスのホームレスは今後も増加する。最大の原因は「住宅不足」と「家賃高騰」
イギリス、特にロンドンではホームレス人口が18万3000人に達し過去最多となりました。この数は単なる「路上生活者」に限らず、シェルター生活者や友人宅に寝泊まりする人々も含めた、“住まいのない人々”の総数です。
なぜここまで増えているのか――その背後には慢性的な住宅不足、家賃の高騰、労働力不足、政策の遅れといった多層的な問題があります。
データで見るホームレス問題の深刻化
- 2024年時点のホームレス人口(ロンドン):18万3000人(過去最多)
- うち、路上生活者(ラフ・スリーパー):4427人(前年比8%増)※2025年1〜3月時点
- ロンドンの平均家賃(2024年):前年比+11.5%、月額50万円相当(日本円換算)
これらの数字から分かるのは、住まいを持つことが「贅沢」になりつつある現実です。
原因1:住宅不足と人口集中
ロンドンでは人口増加、特に移民の流入によって都市への人口集中が進行。これに住宅供給が追いつかず、慢性的な住宅不足に陥っています。
住宅が不足することにより、
- 家賃が高騰
- 中所得層や低所得層が賃貸住宅にアクセスできない
- 結果としてホームレス化
という負のスパイラルが生まれています。
原因2:建設労働者不足で住宅供給が進まない
スターマー政権は5年間で150万戸の住宅建設を公約に掲げていますが、建設労働者が絶対的に不足しており、計画通りには進んでいません。
労働力不足の現状:
- 建設業の求人:3万5000件以上
- うち、半数以上はスキル不足の応募者しか来ない
- 建設業界の試算:150万戸建設には追加で25万人の労働者が必要
そのため政府は「移民労働者の受け入れ」を再び強化する可能性もありますが、それはまた別の社会課題を生む可能性も。
ロンドンで暮らす人々への影響
ワーキングホリデーなどでロンドンを訪れる日本人も例外ではなく、
- 劣悪な住宅環境
- 家賃負担の大きさ
に直面しています。現地の平均家賃が日本の賃金水準を大きく上回るため、現地の物価高は深刻です。
サディク・カーン市長の矛盾:オリンピック招致とホームレス問題
ロンドン市長サディク・カーンは、2040年の五輪招致を目指す姿勢を表明しています。彼はスポーツ振興に積極的で、
- MLB(メジャーリーグ)
- UEFAチャンピオンズリーグ決勝
など大規模イベントを開催してきました。
しかし、ホームレスの急増という社会問題を抱える中での五輪招致には疑問の声も。「イベント開催の裏で、ホームレスはどこへ行くのか?」という根本的な問題に対する明確な対策は示されていません。
イギリス経済の回復と格差の拡大
GDPで見るとイギリス経済は部分的に回復傾向にありますが、それは上層階級や資本家層に限定された回復であり、
- 労働者
- 移民
- 低所得層
にはその恩恵がほとんど届いていないという実態があります。
今後の展望:ホームレス問題はさらに悪化の可能性
今後もロンドンの家賃は上昇が予測され、賃金との乖離は拡大していくでしょう。また、建設業の労働力不足が解消されない限り、住宅供給もままならず、結果としてホームレスは増え続ける見込みです。
まとめ:ロンドンは“富める者の都市”になるのか?
イギリス、特にロンドンでは今、
- 富裕層の都市化
- 低所得層の排除
が加速しています。
このままでは、ロンドンは「働く人が住めない都市」になってしまうかもしれません。
住まいという最も基本的な人権が脅かされる中、イギリス社会は今、大きな分岐点に立たされています。
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