※この記事は、YouTube動画「利益とキャッシュフローの違いが分からない人はヤバい」を基に内容を整理・解説したものです。
結論:利益とキャッシュフローは全く違うもの。理解していないと黒字倒産する!
「利益が出ている=会社は安泰」と思っていませんか?実はこれは大きな誤解です。会計上の「利益」と、実際に会社に残る「キャッシュ(現金)」はまったく異なる概念で、これを理解していないと、どれだけ売上があっても会社は潰れてしまうことがあります。
この違いを理解しないと、あなたが起業家であれ、投資家であれ、あるいは大学生の幹事であっても、重大な損失を被る可能性があります。
利益とキャッシュフローの違いとは?
まずそれぞれの定義を整理します。
用語 | 意味 |
---|---|
利益 | 売上から費用を差し引いたもの。あくまで帳簿上の数値(「認識」ベース) |
キャッシュフロー | 実際に会社に入ってきたお金の流れ(「事実」ベース) |
有名な格言にこうあります:
「Profit is opinion. Cash is fact.(利益は意見、キャッシュは事実)」
つまり、利益はあくまで「理論上の儲け」であって、実際にお金が入ってきたとは限らないのです。
黒字倒産の具体例:動画制作会社「波乗り」の場合
動画内では、架空の会社「波乗り」のケースを使って、キャッシュフローの重要性が語られます。
発注内容
- 週1本の1時間動画制作(1本25万円、月4本=月100万円)
- 半年分(計600万円)の契約
問題点
- クライアントの支払いは「半年後の納品完了+翌月末払い」
- その間、「出演者ギャラ」「編集外注費」「撮影費」などが先行で発生
- 実際にキャッシュは会社に入ってこない
結果
- 会計上の利益は出ている(600万円の売上)
- しかし現金がないため、「家賃が払えない」「人件費も払えない」
- =黒字倒産
これは建設業界やIT業界でもよくある話です。建物完成やシステム納品までに数年かかるため、途中でキャッシュが尽きると倒産に追い込まれます。
キャッシュフローを読み解くためのキーワード:売掛金
売掛金とは「売上は立っているが、まだ入金されていないお金」。
例えば広告会社が動画制作をして納品したが、まだ支払いがされていないとします。帳簿上は売上ですが、現金はない。これが売掛金です。
売掛金のリスク
- 取引先が倒産すれば回収不能
- 経営破綻の引き金になる(連鎖倒産の原因)
投資家が見るべき指標:営業キャッシュフローと利益のバランス
投資家にとっても「利益が出ている会社=優良企業」とは限りません。
重要なのは「営業キャッシュフローが利益と比べて健全か」です。
指標のバランス例
- 営業CF > 利益:健全
- 営業CF < 利益:危険信号(会計上の調整の可能性あり)
これは例えるなら「グラビアアイドルのバランス」です。いくらスリーサイズがよくても、極端にバランスが悪ければ不自然で怪しまれるのと同じです。
粉飾決算や循環取引にも注意
動画の後半では、架空の売上や自作自演の入金によって売上を水増しする「粉飾決算」の手口も紹介されています。
架空受注の事例
- 営業マンが自分で申し込み書を偽造
- 自腹で入金(しかも消費者金融で借金)
- お客様には請求書を渡さない
- 社内的には「入金あり」と偽装
これはまさに「事実と意見の区別ができていない」ことによる悲劇です。
日常の例:大学の飲み会幹事にも起こる
これは経営者や投資家だけでなく、日常生活にも関係します。
飲み会の例
- 幹事がカードで3万円(10人分)を支払い
- しかし2人から集金し忘れていたら…?
- 手元には2万4千円しか残らない
「利益は3万円の売上−3万円の支出=0円」でも、キャッシュはマイナス6千円。こうした小さな事例にも、キャッシュフローの重要性が隠れているのです。
投資判断にも直結する話
株式投資をする際、利益だけではなく、キャッシュフローの健全性も確認することが大切です。
- 営業キャッシュフローが黒字か?
- 売掛金の割合は高すぎないか?
- 配当や自社株買いが可能なキャッシュがあるか?
これらを見ることで、会計上の「意見」に騙されず、本当に強い企業を見抜くことができます。
まとめ:利益とキャッシュフローの違いを知らないと痛い目に遭う
「利益=儲かってる」は錯覚です。最も重要なのは、「現実にお金があるか」。
この違いが分かれば、
- 黒字倒産を避けられる
- 粉飾決算の兆候も見抜ける
- 投資判断にも活かせる
キャッシュはごまかせない「事実」だからこそ、ビジネスや投資をする上で最も大事な指標です。
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