この記事は、YouTube動画「1年後のS&P500、きっとこうなる【BlackRockの予想と対策】」を基に、初心者でも理解しやすく丁寧にまとめたものです。
結論:ブラックロックは“日本株と米国株を短期で推奨”、ヘッジにはゴールドが有効
世界最大級の資産運用会社ブラックロックは、最新の2025年展望で**「米国株と日本株を短期的にオーバーウェイト(強気)」**と評価。一方、米国長期債は避けるべきとし、ゴールドを有効なリスクヘッジ手段として強く押しています。また、為替は円高を想定しており、短期では為替ヘッジを活用する選択肢も提示されています。
ブラックロックとは?信頼できる予測の背景
ブラックロックは世界最大の資産運用会社であり、iSharesシリーズのETFなどを通じてS&P500を構成する多数企業の筆頭株主でもあります。特に近年は**ビットコインETF「IBIT」**など、先進的な投資商品も展開。圧倒的な分析力と情報量を武器に、世界中の機関投資家が注目するレポートを出し続けています。
ブラックロックの短期(1年)予測まとめ
下記は、ブラックロックが示した「半年〜1年」の地域別株式評価です。
地域 | 評価 | コメント |
---|---|---|
米国 | オーバーウェイト | 政治不安はあるが、企業の基礎体力と稼ぐ力は堅調 |
日本 | オーバーウェイト | 株主還元・ROEの上昇が評価されている |
ヨーロッパ | 中立 | 調子は良いが評価は慎重 |
英国 | 中立 | 不確実性の影響が残る |
新興国 | アンダーウェイト | 貿易戦争・地政学的リスクの懸念 |
中国 | アンダーウェイト | 同上 |
米国株を支える2つの指標:PBRとROE
ブラックロックは米国株を支持する根拠として、次の2つの指標に注目しています。
- PBR(株価純資産倍率):高いほど市場からの評価が高い
- ROE(自己資本利益率):高いほど企業が効率的に利益を上げている
米国 vs 欧州(ROEとPBR比較)
米国株は欧州株に比べて、ROE・PBRともに高い水準にあり、特に情報技術(IT)セクターが際立って優秀。市場も高く評価しています。
日本株の魅力:変化する株主還元姿勢とROEの伸び
日本株については、以下2点が大きな評価材料です。
- 株主還元の強化(配当+自社株買い)
- ROEの継続的な上昇
特に、これまで株主軽視だった日本企業が右肩上がりで改善している点が好印象。
米国株のリスク:政治不安と他国依存の債券構造
ブラックロックが懸念する米国の2大リスクは次の通りです。
- 外国保有の米国債が多すぎる
- 外国人が約20%以上保有
- 政治・金利政策の影響を受けやすくなる
- トランプ政権の不確実性
- 貿易政策や地政学的対応が読めない
- 投資判断が難しくなる
不確実性への対処:ゴールドと分散投資の重要性
4月以降、株式が急落した際の資産の連動性に変化が見られました。
資産種別 | 株安時の動き(通常) | 4月以降の動き |
---|---|---|
長期国債 | 上昇 | 下落 |
米ドル | 上昇 | 下落 |
ゴールド | 上昇 | 上昇(唯一の機能) |
→ 今はゴールドが唯一の有効なヘッジ資産とブラックロックは指摘。
ゴールド投資の選択肢(日本人向け)
- SBIゴールドファンド(準金):信託報酬が低く、手軽
- 米国ETF「GLDM」:世界最低水準の信託報酬、楽天証券でも買える
【参考データ】
ゴールド比率とリスクの関係:株式とのバランス比率が50%未満のところでリスク抑制効果が最も大きくなっています。
分散投資の進化:自社株集中リスクとイコールウェイト
最近のS&P500ではトップ10企業が指数全体の大半を占めるという“集中投資”の様相に。
投資手法 | 割高・割安度(PER) | 評価 |
---|---|---|
自家総額加重(S&P500) | 割高 | 集中リスクあり |
イコールウェイト | 割安 | 分散効果が高い |
推奨商品:
- ETF「RSP」:S&P500のイコールウェイト版
- 投資信託:RSP連動のファンドもあるが、信託報酬が高いのが難点
為替ヘッジの活用は“短期のみ”が吉
ブラックロックは「円高を予想」しており、短期では為替ヘッジありETFの活用を推奨。
- S&P500:2563(ヘッジあり)
- NASDAQ100:2845(ヘッジあり)
ただし、長期保有ではヘッジコストが累積するため不利になる傾向も。1985年〜2024年の比較では、為替ヘッジなしの方がパフォーマンス良好。
10年先の長期予測:新興国株と先進国債券が狙い目
ブラックロックの長期予測では、
- 先進国債券(米国除く)
- 新興国株
が魅力的と評価。一方、米国株と日本株はニュートラル。対するバンガードの予測では、新興国株に慎重姿勢。予測にはズレがあり、リスク許容度で判断するのが賢明。
最後に:予測は予測、淡々と投資を続けよう
ブラックロックの2024年の予想は、日本株を推奨 → 実際は欧州株が1位、米国が2位、日本は最下位という結果に。エリート集団であっても、短期の相場予測は難しいことが改めて証明されました。
そのため、著者は次のように締めくくっています。
- タイミングを気にするなら「やってみてもOK」
- 「恐怖の中にこそリターンがある」というバフェットの言葉を思い出そう
- 市場に居続けることが最強の戦略
おすすめの投資方針まとめ
投資対象 | 推奨度 | 備考 |
---|---|---|
米国株 | ◎ | 基礎体力と評価が高い |
日本株 | ◎ | 株主還元・ROEの改善 |
ゴールド | ◯ | 唯一の機能するヘッジ資産 |
新興国株 | ◯(長期) | ブラックロックは強気、リスク高め |
債券(短期米国) | ◯ | ドル預金代替としておすすめ |
債券(長期米国) | × | 政治・財政不安の影響が大 |
ヘッジETF | △(短期) | 円高対策。長期はコストに注意 |
1年後の相場がどうなるかは誰にもわかりません。しかし、合理的に判断し、淡々と継続することがリターンへの近道。ぜひ今回のブラックロックの見通しを一つのヒントとして、あなた自身の投資方針を見直すきっかけにしてみてください。
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